香港島の散策は、坂道や階段の散歩と同義だ。

だから、というわけでもないんだろうけど、ところどころに休憩スペースがある。
これは、もちろん、観光客というより、地元民のための設備だろう。
ちなみに、ここで洗濯はしてはいけないようです。

まだ健在の「竹の足場」をみて嬉しくなる

徳輔道から、ハリウッドロードに向かって坂を登るうち、足場に使う竹が大量に積み上げられた現場に出くわした。

香港は、今でも「竹の足場」で林立するビルをメンテナンスしていく。

懐かしさを感じるとともに、見た目もしなやかそうで、目にもとても優しい。
実際、しなやかで軽く、そして錆びないので使われ続けているとのこと。
たしかに、竹なら、まかり間違って、1本くらい上空から降ってきても、大惨事にはならないかもしれない?
この竹は、大陸中国から運ばれて来ているみたいだ。

でも、この竹を組むのは、職人的な技が必要だろうね。
そして、竹だから、当たっても痛くないし、頭をぶつけても平気。

この竹の足場がすごいのは、超高層ビルにも使われていること。
どんなふうに、対荷重とか計算しているんだろうか。

さて、その竹の足場をくぐっていくと、ハリウッドロードに出る。

ハリウッドロードは、その文字の通り、かつては馬が積荷をひっぱり、東へ西へと移動していた道。
香港としても、かなり歴史ある道のようです。
香港でもっとも古い「文武廟」

そのハリウッドロードに沿って、ひっそりと構えるのが「文武廟」。

ハリウッドロードが古ければ、文武廟も古い。
創建は1847年。
ということは、中国にとっては、あの忌まわしいアヘン戦争によって、結ばされた南京条約が1842年のことだから、香港がイギリスに割譲された後、建てられたということ。

そして、今や、背後にそびえる超高層ビル群の縁の下の力持ち的な存在となっています。

あいにく、雨が強くなってきたので、中に入ってみましょう。

まず、目に飛び込んでくるのが、この渦巻き状の線香。
そして、線香の煙の香りが心地よい。

九龍側の天后廟でも見かけましたが、この香港独特の線香は、燃やし続けるために渦巻き状になっているとのこと。
2週間は消えないらしい。

線香の下には、ちゃんと丸いお盆があるので、灰はぜんぶそこに落ちる仕組み。

ご利益は、「文武廟」の名でわかるように、「文」と「武」。
したがって、祀られているのは、文学の神様である「文昌帝君」と、

武の神は、「関聖帝君」。
三国志の関羽です。関羽の神は、台湾でもいたるところで見かけました。

こんな土砂降りの天気でも、地元の人々がかわるがわる参拝に訪れる文武廟。

観光客のこと、邪魔と思うこともあるんだろうか。
私も観光客。熱心にお祈りされている方に迷惑がかからないように退散します。

土砂降りのハリウッドロード

文武廟を出て、ハリウッドロードを東へ歩きます。
これすごいよね?

木がこんなに大きくなるのには時間がかかるから、サインをわざわざあんなふうに置いたってこと?

土砂降りの中、てくてく歩いているうちに、上環から中環へ。

ハリウッドロードも、この中環あたりまで来ると、一気にアートが押し寄せてきます。

カッパを着て、写真を撮りあっている観光客。

片足で立つのに苦労する坂。
グラグラするから、なかなか撮り終わらないw

ほんとに見事なほど、坂と階段の街です。

1:5ってことは、約11度の勾配。
さすがに、自転車こいでる人はいません。
帰りを想像すると、下るのも恐ろしい^ ^

これもまた見事なアート。
浮き出てきそう、何年ごろをイメージしているんだろうか?

中環まで歩いてきました。

雨とときおり吹く風が心地よい。
香港には、夏しか来たことがなかったけど、香港にも秋があるんだな、という印象。
上環から中環まで歩いてきて、汗をほとんどかかず。
では、前方にあるエスカレータに乗って、香港島の中腹にでも登ってみますか。