さて、DMZ ツアーはまだまだ続きます。
臨津江をゴンドラで渡って、米軍のキャンプ地に足を踏み入れましょう。
足を踏み入れるとはいっても、キャンプ地があるエリアというだけで、キャンプ地そのものに入るわけではないですが、臨津江を渡るというのは感覚的には国境を渡る感触。
そして、向こう岸にはキャンプグリーブスといった展示室があります。
とにかく行ってみましょう。
臨津閣(イムジンガク)平和ゴンドラで臨津江を渡る
ガイドさんの後に続いて、チケットセンターまで戻って、ゴンドラ乗り場へ。
このゴンドラ料金は、ツアー代には含まれてない。でも9,000ウオン(962円)。
なぜか8,800ウオンで買えた。団体割引かな。
渡された注意書き。
米軍キャンプ地に入るな、とか、フェンスの外を写真に撮るな、そしてSNSにアップするな、と物々しい注意書き。
でも、ガイドさんは、「私の通る場所からの写真は全く問題ないですよ。」と教えてくれます。
すごい・・チケットのDMZの文字の上に鉄条網がはってあるw
ちなみに、個人で来るときは、パスポートがいるそう。
さて、ゴンドラに乗ります。
実は2020年にできたばかりの最新式ゴンドラ。
10人ほど乗れる大きさなので、ツアー客の日本人組とガイドさんの9人全員が乗れました。
こんな緊張な面持ちで乗るゴンドラも初めてだ。敵国に入っていくという感じ。
おお・・眼下に広がる臨津江。
ここは、国境でも軍事境界線でもないけど、なんとなく、ひとつの線を越えるという感触。
左側は、先ほど見学した「自由の橋」。
終点がみえました。
民間人統制区域を通過する、世界唯一のゴンドラだそうです。
DMZの文字。ハートマークが似つかわしくないw
850mの空中の旅、終点です。
観念だけど、とんでもない川を渡ってしまった感じ。ちゃんと帰れるよね(^ ^)
旧在韓米軍施設ギャラリー・グリーブス
時間があまりなく、こちら側では、在韓米軍の施設が改造されたギャラリー・グリーブスのみの見学。
ボーリング場だったこともあるそうで、入る前は少しゆるい雰囲気。
ところが入ると・・・
戦争の傷跡の展示室になってました。
今は、韓国政府に返還され、映画の撮影場所にもなったらしい。
今でこそ、それこそ映画村みたくなってますが、朝鮮戦争勃発後、50年以上米軍が駐留した歴史ある場所だそうです。
ギャリーグリーブスを出て、再びゴンドラ乗り場へ。
ああ・・無事に生還できたw
しかし、なんと大陸感ある光景だろう。
あれは、さっきの展望台ですね。
ガイドさんが、
「休戦後、70年以上も経った。でも、鉄道も道路もつながっている。だから平和が戻れば、いつでも行き来できる。」
そんな説明をしてくれます。
眼下に広がる畑は、統一村の住民が農作業する場所とのことでした。
DMZ(非武装地帯) の中へ
さて、バスに戻って、いよいよDMZの中に入っていきます。
検問所では、軍の人が乗り込んできて、パスポートチェック。
バスの中で書いた「同意書」のサインと照合していきます。
DMZは、軍事境界線からそれぞれ2km。軍事活動が許されない、いわゆる緩衝地帯。
その非武装地帯に入れる唯一の場所に、バスは入り込んでいきます。
バスの中では、ガイドさんが絶え間なく、朝鮮戦争にまつわるエピソードを話してくれます。
北朝鮮では「民族解放戦争」、韓国では「625戦争」と呼ぶ朝鮮戦争。
休戦を迎える最終局面では、中国まで参戦しこう着状態に。
そこで、やむなく撤収せざるを得なかった韓国は、ビクトリアという小さな船に軍事物資を全て放棄し、兵士14000人を乗せて出航。
その船には文在寅の親もいた。
ビクトリア号は釜山を目指すが、避難民があふれていて立ち寄れない。
やむなく巨済島(キョジェ島)に上陸。
そこで前大統領の文在寅が生まれた、などという話も聞かせてくれた。
北朝鮮にもっとも近寄る「第3トンネル」
さて、DMZの中に入りました。
非武装地帯、すなわち、軍事境界線からわずか2kmというぶっそうな場所にいるというのに、ふつうの観光地という雰囲気。
観光客も談笑する平和な光景です。
DMZ、およびトンネルの説明が映像でありました。
この、DMZに掘られたトンネルは、すべて北朝鮮の仕業。
DMZの中に、観光客が唯一入れるのが第3トンネル。
1974年に韓国に亡命した北朝鮮人が、トンネルの在処を話したことで、存在が判明した。
それから4年後の1978年。地下水が吹き出したことでトンネルが発見。
第4のトンネルも1990年に発見。北朝鮮の暴挙である。
第3トンネルが、ソウルに一番近く、たった50kmしか離れていない。
規模的にも一番大きく、1時間あたり3万人が移動できるらしい。
トンネルの深さは73m。そして、歩く距離は350m。
だから、帰りはとんでもない登り勾配となる。
さらに、トンネルの高さは2mあるなしなので、背をかがめながら歩かなくてはならず、体力のない人はリタイアすることもあるそう。マジですか・・・
しかし、トンネルの先端には壁が3つあり、穴が空いていて、北朝鮮側を見通すこともできる。
北朝鮮にもっとも近づける瞬間だ(^ ^)
その「第3トンネル」にいよいよ侵入するわけですが、残念ながら内部は撮影禁止。
ただの禁止ではなく、スマホも含めて、荷物は全てロッカーに入れなくてはならない。
実際、撮影したと勘違いされ、別室に連れて行かれて、大変なことになったこともあるそう。
高さが低いので、ヘルメットを着用します。
そして、歩いた感想は・・・
すごかった・・
秘密裏に、こんなトンネルを掘るなんて、執念以外の何ものでもない。いや恐怖か・・
先端には、たしかに壁が3枚あって、のぞき穴から、北朝鮮側を見ることができました。
帰りは、登り坂がほんとにきつい。
腰を曲げながらなので、腰に持病のある方は、要注意かも。
これは、トンネルの中で、貧血で倒れた人など。
ほんとに、行きはいいけど、帰りは地獄ですよw
さて、無事に生還して、ほっと一息。
トンネルの入り口には、お土産屋さんがあります。
これは、DMZ特製のどら焼き?
私は、朝鮮半島のキーホルダーを買いました。
こういうのって、思い出に残るんだよね。
第3トンネル・・・一度来たかった場所に来れて感無量。
外は、とても平和な風景。
このギャップがすごい。
第3トンネルのモニュメント。
私のような部外者が言うのもなんだけど、平和にくっついて、ふつうに北朝鮮の大地も旅してみたい。
生きてるうちに、そんな日が来るかな・・