パレスチナの大地を、パレスチナ人に誘われてドライブ。
もっとも、言ってることが怪しく思えてきたのは後になっての事ですが、クルマに乗ってすぐは、うまい話になったと勝手に喜んでる、旅経験値の浅い私です(#^.^#)
ヘロデオンから見下ろすカナンの地
富士山のような形をした、小高い丘が見えてきました。ヘロデオンです。
山頂への入り口は、丘の中腹にあります。
その中腹からでも、ユダの荒野が見渡せます。死海も見えるとのことですが、見えているのかどうか。死海は、明日にでも行こうと思っているので、あまり目にしたくないんですが、圧倒的スケールの景色です。
あれは、パレスチナ人の町?
入場料を払って、山頂まで登ることにしました。運転手は、駐車場で待ってるとのこと。
直射日光がすごい。
風化が激しいのでしょうか。補修工事に携わる人が何人もいました。
幻想的な眺めです。
すごい・・ 時を忘れる風景・・ パレスチナの大地です。
ここが、「カナンの地」。そして、神に約束された「約束の地」。
旧約聖書には、イスラエルやパレスチナを「乳と蜜の流れる地」とも表現されているそうですが、この乾いた大地がなぜそう表現されるのでしょうか。季節的なものもあるのかな。
空の色がすごい・・
ヘロデ王が埋葬されたとされるヘロデオン
ここは、ヘロデ王が紀元前24年に築いた要塞です。
中腹の入り口に戻るには、内部の階段を下っていきます。
内部には、浴場跡などが残っているそうですが、ガイドがいないとわかりません。
かなり急で、天井も低く、ちょっと怖い。
一通り歩いて、入り口に戻りました。
チケットオフィスには、お土産やさんが。でも、ここって、観光客は、どうやって来るの?
公共交通機関ってあるんだろうか。ベツレヘムからは5kmくらいしか離れていないそうですが。
オアシスの町 エリコへの道
次は、エリコに向かいます。
ヘアピンカーブだろうが、なんだろうが、先行車を強引に追い抜いていく運転手。
途中、聞き取れなかったんですが、ナントカという街を通ります。
デンジャラスを繰り返していました。無法地帯とのこと。
おいおい、こんなとこで、放り出さないでくれよ(笑)
高速道路に入りました。
砂漠の中のハイウエイを走る景色は圧巻です。
そもそも、砂漠を見ることだって、ほぼ初めての経験。
海抜250mの標識です。ベツレヘムが標高700mぐらいでしたから、かなり下がってきました。
そして、ハイウエイの出口がSEA LEVEL、つまり海抜0mです。
海抜0メートル地点のオベリスク
このあたりは、地球上でももっとも低い場所の一つです。
観光客用のラクダでしょうか。
なんか、すごいことが書いてあります。
エリコ(ジェリコ)の町に入りました。
海抜マイナス260mという、世界でもっとも低地にある街の一つです。
紀元前1万年ほど前から人間が住んでいた跡が残っている、世界最古の町でもあります。
イスラム教の宮殿 ヒシャーム宮殿
ヒシャーム宮殿に寄ってくれました。
海よりも低いところを歩いている不思議。当たり前ですが、実感はありません。
これは、8世紀にイスラムのウマイヤ朝の時代に建てられた宮殿。
周りは荒野そのものですが、ここはオアシスの町。水は豊かなようです。不思議・・
保存状態がよいのは、長い間、地震で埋まっていたからだそうです。
とはいうものの、遺跡の風化は激しいようです。
あれは、住宅? それとも軍事施設?
悪魔に試みられた誘惑の山
今度は、テル・アッスルターンへ移動し、ロープウェイで誘惑の山に登ります。
イエスが荒野で40日間断食して、悪魔に誘惑を受けたとされる場所がここらしい。
徒歩でも登れるようですが、ロープウエイを使います。
エリコもそうでしたが、ここ「誘惑の山」も、エルサレムを起点として、簡単に来れる場所ではありません。ツアーに参加するか、レンタカーを借りるか。
なので、私は運転手つきのクルマがあるので、効率よく移動できているわけなんですが、この時点で13時。
「ラマーラには行けるの?」と聞くと、ちょっと無理だね、みたいな反応。
はじめから行く気がなかったのか、回っているうちに必要以上に時間がたってしまったのか、わかりませんが、この時点で私は、今日の行程は、砂漠の中のドライブと割り切ることにしました(笑)
ロープウェイは遺跡テル・アッスルターンの上を通ります。
テル・アッスルターンとは、1万年前の住居や4,000年前の城壁の跡が見られるらしいですが、1万年前の住居跡と言われても、すごいと思うばかりで、ピンときません。
誘惑の山の頂上からの眺め
誘惑の山の頂上に到着です。
ちなみに、このロープウェイは日本の会社が作ったそうで、世界で最も低い場所にあるロープウェイとして、ギネスブックに載ってるそうです。
ここで、イエスは40日間も断食していて、悪魔に誘惑を受けたんですか・・・
なんか、理解を超越しています。
イエスは断食したようですが、私は暑さに耐えられません
グイッと飲むコーラがおいしい。ほんとに暑いんです。40℃近くあるんじゃないかな。
東の方に目をやると、明日訪れる予定の死海が見えました。
ふもとまで降ります。
頂上では、日本人が来たということで、「コンニチワ、アリガトウ、オオサカ・・」と日本語祭りがはじまっていましたが。
私と入れ替わるように、観光客が頂上へ。
水は豊富なんだぞ、ということを示す噴水でしょうか。
さて、エリコの町を後にします。
この時点で午後3時。
エリコの町は時間をかけて見れなかったし、ラマーラなんて今からじゃもう絶対行けないし、それどころか、ベツレヘムの町も十分に見ていません。
きちんとオーダーすべきでしたね。
浅はかな自分の考えを責めたところで、もう後の祭りです。
ベツレヘムに帰る途中、またあのデンジャラスな街を通過。
覆面アーティスト バンクシーの壁画「花束を投げる青年」
ベイトサフールという街にある、覆面アーティストBanksyの壁画は、ぜひとも見たくて寄ってもらいました。
ガソリンスタンドだか、車検場だか、小さな車の工場の壁に、それは描かれていました。
とにかく巨大! 私の身長の3倍はあるでしょう。
工場の従業員に、「入っていい?」とジェスチュアすると、勝手にどうぞって感じ。
旅行者がよく来るからかな。
爆弾ではなく、花束に持ちかえろという、メッセージでしょうか。
この時点では、私は、まだ、運転手が当初話した行程の通りに案内してくれなかっただけで、何事もなく、今日という日が終わるものと信じてました・・・