真っ白い霧の中をドライブ。沓形港まで来ました。
北の果てにいるのですから、霧に包まれれば、冬の厳しさも想像され、それなりに情緒があるともいえる。
そうはいっても、さすがに元気がでない(^^)
沓形岬から眺める利尻富士
沓形(くつがた)というのは、利尻島の西に位置する利尻島第二の町。
つまり、利尻島を時計回りに4分の3ほど来たことになります。
ここまでの道中、姫沼あたりまでは晴れ間も見えてましたが、9割がた霧の中のドライブ。
ガードレールのない箇所もあり、おっかなびっくり運転しながら、何も見えないなら早めにホテルに戻って、温泉でくつろぐのが正解かな、なんて思ってました。
あそこに見えるのが沓形港です。
ところが、捨てる神あれば拾う神あり。
急に風が吹き出し、霧が取り払われます。
アタマは隠してますが、沓形岬からみると、利尻富士はこんな感じなんだな、ということがわかって大満足でした。
沓形岬からの距離。東京まで1,045㎞ということは、小笠原諸島父島と同じくらいの距離。
まだ15時です。この距離標を眺めているうちに、もう一度、利尻島南部の観光スポットをたずねて、利尻富士が見えるかどうかためしてみたらどうだ。
そんな気になりました。
せっかくレンタカーを借りてるんです。
オタトマリ沼のあたりまで逆走してみましょう。
オタトマリ沼で食べるホタテバター焼き
これは、1時間ほど前に通ったオタトマリ沼。
沼のほかは、何も見えません。
ところが、1時間たって、ふたたび来てみると、おお・・
控えめにですが、利尻富士が姿を見せてくれました。
オタトマリ沼は、利尻島で最大の湖沼です。原生林に囲まれた静かな沼。
レストハウスが併設されてます。
実はオタトマリ沼の本領は、このレストハウスにあります。
中に入ると、すごくいい香り。
ホタテをバターで焼いた、素晴らしい香りが充満してます。
おもわず注文しました。
でてきたホタテバター焼き。
こんな分厚い貝柱は、はじめて食べます。
色といい、香りといい、食べてしまうのがもったいない。
身もプリプリでした(^^)
これは芸術です。利尻島の人たちは、ふだんからこんなすごい食材で食事をしてるのでしょうか。
南浜湿原から眺める利尻富士
オタトマリ沼からすぐの場所にある南浜湿原。
ここは、最初は素通りしてしまったのですが、ふたたび来てみると、利尻富士がのぞめました。
南墓湿原は、海のすぐ近くでありながら、「ミズゴケ」が繁茂した高層湿原という、非常に珍しい場所とのこと。
簡単なトレッキングコースもあったので、野鳥のさえずりを楽しみながら自然を楽しむのもいいでしょう。
海と利尻富士がセットになる仙法志御崎公園
続いて、仙法志御崎公園。
これも、最初に通りかかったときは、いったいここはどこなのだ?と言わんばかりの白乳の世界。
まさに、「私はいま利尻島に来ているんだぞ。」と暗示にかけない限り、自分の居場所が理解できないほどでしたが、雲が流れ、利尻富士のすそ野がみえました。
仙法志の本領は、利尻山噴火の際、流れた溶岩による奇形。
そして、そこに生えているのは高山植物でしょうか。
利尻島最後の観光は何も見えなかった「夕日ヶ丘展望台」より
ひと通りの観光スポットに立ち寄り、利尻富士もセットでみれたので一応満足。
鴛泊の町に向けてクルマを走らせますが、右窓に見えていた利尻富士が、あっというまに霧に隠れました。
霧から逃げるようにクルマを走らせましたが、最後の観光スポット「夕日ヶ丘展望台」にも寄ってみました。
夕日が綺麗らしいですが、本日は夕日どころではありません。
案の定、海から押し寄せる、モワーッとしたガス。
海からすごい勢いでガスが攻めてきます(^^)
だんだん足元がおぼつかなくなってきました。ちょっとヤバい。
ガスの塊がスーッと現れ、足元が完全に見えなくなることもあるから怖い。
海は完全に見えなくなりました。
ガスは、町をも飲み込もうとしています。
すごい自然現象です。
利尻島の旅。
若干、欲求不満になりましたが、いちおう観光スポット回れたし、厳しい自然の姿もかいま見れたので、よかったです。
私は、礼文島から来たので、相対的に自然の安定という先入観がありましたが、利尻島だって「北の果て」なんです。
今度は、凍てついた厳冬期にでもやって来て、違う利尻島の顔を拝見したい。
レンタカーをトヨタに返すと、今夜の宿「北国グランドホテル」まで送迎してくれました。