気温45℃ 真夏のアブ・シンベル神殿【エジプト旅行記 #16】

アスワンの街から3時間ちょっとかかって、ようやくアブ・シンベルの町に到着。

日本では味わえない、真夏の砂漠を平均時速120㎞以上でかっ飛べた体験にとても満足。

アブ・シンベルの街の手前にもチェックポイントがあって、クルマをすべて検査。

そして、神殿に行く前に、両替がしたくて、銀行に寄ってもらいます。

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アブ・シンベルの町に到着

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神殿の入り口に通じる通りに到着した模様。

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ここでクルマを降り、神殿まで歩きます。

外に出た瞬間、刺すような光と、下から湧きあがる熱気。

クーラーが効き過ぎていた車内から降りると、さすがにこたえます。

おそらく、気温は40度を軽く超えていることでしょう。

ただいまの時間が11時ちょうど。戻ってくる時間を思案していると、

「メチャクチャ暑いぞ。1時間で十分だろ。」と、運転手のアドバイス。

じゃ、12時にここに戻ってくるからと、別れます。

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神殿の入り口までつづくミニスーク。

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チケットを買って、中に入ります。警察によるセキュリティも。

彼らは陽気で「ニハオ~!」。だから、中国人じゃないって。

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ちなみに、今の温度どのくらい?と聞くと、45度とのこと。

お、怖ろしい・・・8月のアブ・シンベル。

 

おお、ナセル湖ですね。

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これは、神殿の裏側。向こう側に回りましょう。

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45℃なんて、人生初めての体験。

エアコンのクルマから放出された身体は、もう汗をふき出しています。

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神殿に行く前に、ナセル湖の鑑賞。

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中学のとき習ったアスワンハイダムが、せき止めてできた湖。
世界最大の人造湖です。

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さあ、いよいよ神殿へ。

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はやる気持ちを抑えて、象形文字を鑑賞。
もう、ネコが捕まえたネズミをなぶる心境(笑)

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アブ・シンベル大神殿の巨大なラメセス2世

そして、出ました! アブ・シンベル大神殿!

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4体ともラメセス2世の像。4体とも全部って、発想がすごい。

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左から2番目の像が、無残にも壊れています。

なんと、建造後わずか7年後に、大地震に襲われて崩れたとのこと。

今から、約3,250年前の紀元前1,249年のことらしいですが、よく、そんなことがわかるものです。

ちなみに、崩れた部分も、当時のまま。

無知な私は、このことを知らず、偶像崇拝を排除するISISあたりが、破壊したのかと思ってました。

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訪れた時間帯か、暑さか、シーズンオフ、テロの不安、おそらくその全部でしょうが、影響を受けてるのかな。

これだけの大遺跡、観光客がほとんどおらず、独り占めに近いです。

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おかげで、ゆっくり眺められます。

難しいことは、私には分かりませんが、旅人にとって、こんな巨大な古代建造物に出逢えるなんて、至極しあわせな瞬間。

欲を言えば、この鑑賞ポイントに日陰が欲しい。太陽の光が痛い。ほんとに痛い。

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ラメセス2世は、自己顕示欲の強い王様だったらしい。

この巨像にとどまらず、明日以降訪れる予定の、カルナック神殿などにも、巨像が残されている。

しかし、ここアブ・シンベルは、当時の首都テーベ(ルクソール)から500キロ近く離れている。

巨大建築物は、侵入者への威嚇の意味もあったということですから、ナイルの南からの侵入者もいたということでしょうか。

そして、ラメセス2世は、なんと90歳以上の生涯を過ごし、子供も100人以上いたというスケールの大きさ。

100人も子供いたら、なにかしろ、もめるような気もするが・・

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さらに、驚くべき事実は、この遺跡が移動したこと。

アスワンハイダム建設計画の際、水没の危機に瀕し、細かく切断して60mほど、陸側に動かしたらしい。

40万トンほどの巨大な石。ひとつ40トンにわけても、1万個! 信じられない!

造ったのも人間。切って動かし、保存したのも人間。やっぱり、人間ってすごい。

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ラメセス2世の膝からすねにかけて、切断の後があるように見えるのは気のせいでしょうか。

それにしても、うまくくっつけたものです。接着剤は日本製を使ったとか。

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巨像の下にたたずむ、ホルス神(だと思う・・)

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中に入ります。

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中は、外の暑さがウソのように若干温度が下がります。

奥まで歩いていくと、一番奥に至聖所があり、そこに4つの神像が神々しくたたずんでいます。

当然真っ暗で、室内の淡いライトで照らされるだけの神秘的な世界。

2月22日と10月22日の年2回だけ、この至聖所に太陽光が当たるらしい。

ということは、今まで3,300年前×2回の6,600回しか、太陽にさらされてないってこと?

何から何までスケールが大きすぎて、時間を忘れてしまいます。

 

ところで、内部は撮影禁止。

なんでも、バクシーシを渡せば許可になる場合もあるらしいですが、本日は、バクシーシを渡そうにも、神殿のスタッフがまわりにいない・・

ルールは守らなくてはならないよね。

真っ暗な神殿の中で、たった一人、神像や大列柱室を眺め、目に焼き付けることとします。

実は、日陰で涼をとるのも兼ねてます(笑)

 

さて、次は、小神殿です。

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アブ・シンベル小神殿の艶かしい姿態

さきに大神殿を見てしまったので、比較相対で小さく見えてしまいますが、まじまじと見れば、こちらも立派。

ところで、水を持ってくるのを忘れた。しまった・・

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象形文字というのか神聖文字というのか分かりませんが、よく3,300年もの間、風化しなかったものです。

そのときは、不覚にも気づきませんでしたが、足元には子供達の像が。

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眺めているうち、やっぱり、とても巨大なことに気づきます。

この小神殿は、ラメセス2世が奥さんのネフェルトアリのために造った神殿。

身体のカーブが艶かしいです。

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この奥さん。一人で100人以上出産したってこと??

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研究者からしたら、よだれの出るような遺跡なんでしょうね。

発見される1813年まで、ずっと砂に埋まっていたらしいですから、それで、この一文字一文字が精巧に形を残したのかも知れませんね。

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比べれば、やっぱり小神殿のほうが、ちょっぴり小さい。

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ナセル湖に目を向けます。確かに暑いんですが、ときおり湖の方から吹く風が涼しく感じます。

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ここは、すぐ右手(つまり南)はスーダンとの国境という、文字通りエジプト最南端です。

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音と光のショーの観覧席ですね。

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その観覧席に座ってみます。
こんな感じでイベントが行われるんですね。

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浮かぶ船。ナセル湖クルーズ? それにしては小さい。

ナイル川というとエジプトというイメージがありますが、世界地図を見れば、この上流にはスーダン、南スーダン、ウガンダなどという国があり、赤道直下のビクトリア湖を起点としています。

だから、エジプト部分なんて、ほんの5分の1程度。

上流には急流といわれる滝もあるそうだし、人工物もさることながら、自然の偉大さは、本当にはかり知れません。ヤバい、スーダンとか、行きたくなってしまった。

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そろそろ、帰る時間が迫ってきました。

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ほかにほとんど人がおらず、撮ってください、と頼むのも一仕事。

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岩に刻まれた文字を眺めながら、クルマに戻ります。

水を持ってくるの忘れたのは失態だけど、日中は1時間が限界だろうね。

汗が出て、シャツがぬれて、それがすぐ乾くといった感じ。だから、汗をかいてるという感じがしない。

でも、間違いなく体から水分は奪われています。Tシャツの中のパスポートケースは、びしょぬれです。

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最後に、ジョジョ、オインゴ・ボインゴ兄弟初登場シーンをイメージしたカット(笑)

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フライトの欠航ごときで、めげずに来てよかった~

一生の思い出になりました。