アブ・シンベル行き 悲劇の欠航! 途方に暮れる未明のカイロ空港【エジプト旅行記 #13】

今日は、この旅の楽しみの一つ、アブ・シンベル神殿へ行きます。

この神殿は、

  • 像の高さが約20mという、数ある世界遺産の中でも世界最大級の遺跡。
  • 建てられたのが約3,300年前。発見が今から約200年前で、3,000年以上の間、砂に埋まっていた。
  • カイロから約1,460キロ南のナイル川の奥地。アスワンハイダム建設による水没回避のため、なんと、元の場所から切り取り、60mも移動させた。
  • エジプト最南端のヌビア砂漠。40℃を超えるのは当たり前、夏は50℃以上も珍しくない。

と、いうことで、エジプト行きが決まってから、エジプトを勉強しだした私ですが、いっぺんで虜になってしまいました(笑)

エジプト白地図2 - コピー (2) - コピー

ちなみに、場所はここ。

北回帰線より南、スーダンとの国境近くです。

1年を通じて暑いため、カイロから行く場合は、夜明けとともにカイロを出発、アブ・シンベルに到着し、朝の涼しいうちに神殿を見学するフライトスケジュール。

したがって、カイロ空港発が午前5時となり、午前2時半に起床する強行軍となります。

昨夜は、1日中歩き回った疲れもあって、20時過ぎには眠りにつきましたが、午前1時過ぎには目が覚めてしまい、寝過ごしが怖くて、もう眠れませんでした(笑)

寝過ごしたら、期待していた大神殿が消えて行ってしまう~(^.^)

カイロ ⇒ アブ・シンベル ノーフライト・・・

午前2時半を過ぎたら、洗濯物を取り込み(さすが、数時間で乾きますね)、荷物をまとめて、フロントでチェックアウト。

このホテルは、空港送迎がホテル代に含まれているので、タクシー代は持ってくれるらしい。

当然、食べることのできないブレックファストも、箱詰めにしてくれます。親切なホテルです。

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ところが、午前3時になっても、タクシーが来ません。

大丈夫? タクシーの運転手が寝過ごしちゃったんじゃない?

タクシーが来たのは3時20分頃。

そして、ホテルスタッフが、そこで、延々と料金を交渉。

いくら、ホテル側がタクシー代立て替えてくれるといっても、状況考えてよ((+_+))

 

しばらく、やり取りを見ていましたが、3時30分を過ぎて、さすがに「I can’t catch the fright!」と叫んで、別のタクシーを拾って、勝手に行こうと思いましたが、ちょうど、その時、交渉が終わり、タクシーに乗り込むことができました。

空港まで40分はかかるだろうし、もう冷や汗もんです。

ちなみに、こんな時間でも、少ないですがタクシーは走っています。

止めて、空港まで行ってくれるかどうかは、わかりませんが。

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ほっと一安心と思ったのもつかの間。いきなり、ガソリンスタンド。刻々と過ぎていく時間・・
早朝から、神経が疲れる・・

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結局、カイロ空港第3ターミナルに着いたのは4時15分。

午前1時には起きていたのに、まったく。

でも、ここでの教訓。こういう国では、あらゆる不測の事態に備えて、早めに行動だね。

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そして、エジプト航空のチェックインカウンターに急ぎます。

この空港は、保安検査場の中に航空会社のカウンターがあるので、荷物を全部検査。
(というより、空港の入り口そのものが保安検査場になっている)

時間がかかる・・ テロが頻発しているんだから、仕方がない。

カウンターまで走って、Eチケットを提出。そこで、知らされた事実。

アブ・シンベル行きは「ノー フライト!」

私は、その場でヘナヘナと崩れ落ちました(+o+)

 

たしかに、アブ・シンベル行きのフライトは、搭乗客が少なければ欠航するリスクがあることは知っていました。

しかし、それは、アスワンからの場合であって、カイロからのフライトも簡単に欠航するんですね。

オフシーズンの真夏ですから、やっぱり観光客は少なかったということでしょうか。

たしかに、今も、空港に人影は少ない。

でも、その場合、エクスペディアからメールの連絡あるでしょ。

逆に言えば、連絡がなかったので、ふつうに飛ぶものだと今の今まで思い込んでました。

あまりのことで、ガッカリです。

 

※この件は、帰国後、エクスペディアに問い合わせましたが、フライトキャンセルの連絡は、エクスペディアあるいは航空会社、どちらからいくかわからないとのこと。

そして、本件は、8/1にエジプト航空から私のアドレス宛にメールが送信されてるとのことでした。エクスペディアから来るものと決めてかかっていた私はうかつでした。

でも、8/1以降のメールを、ゴミ箱、迷惑メール、すべて調べても、形跡なし。ほんとに送ったのかいな。まあいいや・・・

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急遽アスワン行きにチェンジ

なんとか、心を立て直して、スタッフに質問。

「この便は欠航かもしれないけど、他にアブ・シンベルに行く便は?」「ノー・・」

本日は、一切飛ばないとのこと。さらに、下りが飛ばないので、アブ・シンベルからの帰りのフライト、アスワン行きも欠航。

さあ、どうしますか・・・

「アスワン行きに切り替えるかい?」

という、スタッフの声で我にかえります。

そうだね、とりあえずはアスワンに行かないと。今夜の宿泊予定地はアスワンです。

で、発券してもらったチケット。

よく見ると、便名と時刻が同じ。要するに、この便は、アスワン経由アブ・シンベル行きであったが、アスワンで打ち切りになったってこと。

チケットを確認していたら、グランドスタッフが「ハリアップ!」フライトまで15分を切っています。

承太郎さんじゃないけど、やれやれだぜ・・・

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ゲートに向かって走ります。ほんとに、本気で走ります。

途中の保安ゲート。
何かが映ったらしく、細かくチェックするもんだから、時間が容赦なく過ぎていきます。

検査するのは若い係員。その横で見ているのは、小太りの年配の係員。
年配の係員が時計を見ながら「ハリアップ! ハリアップ!」と怒鳴る。

それは、若い係員に言ってるの? それとも私?

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なんとか、保安検査をかいくぐって、機体行きのバスに駆け込みます。
いったい、全力疾走したのって、何年ぶりだ・・・

なんだ、まだ他に乗客いるじゃん。

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エジプト航空 ナイル川上空をアスワンへ

何事もなければ、美しいカイロ空港の夜明け。

欠航の悲劇が頭にこびりつき、肩で息をしながら、呆然と眺めます。

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乗り込むと、少数ながら中国人の団体が。

あんたら、アブ・シンベルに行くんじゃないの?

アスワンからアブ・シンベルまで、どうやって行くつもりなんだろう?

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私が乗り込むと、すぐにフライト。

さて、落ち込んでいても仕方ない。次善の策を考えましょう。

頭の中を整理します。

  • アブ・シンベルに飛行機で行けなくなった事実は、受け入れざるをえない。
  • アブ・シンベルは、今回の旅の目的の一つ。

やはり、あきらめずに行きたい。

バスで行けるだろうか。

  • アスワンとアブ・シンベルの間は約280キロ。バスで4時間。往復で8時間。うまくキャッチできれば、今日中にアスワンに戻ってくることも可能だが、アスワン観光の時間がなくなる。
  • とすると、クルマか。チャーターできるだろうか。

 

頭をぐるぐる回転させていると、眼下にナイル川が。広がってるから、アスワンハイダムだろうか。

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そういえば、さっき、欠航になったフライトの払い戻しの件を聞くの忘れた。

アブ・シンベル⇒アスワンのフライトは約14,000円だったから、その14,000円が返ってくるとして、プラス6,000円で2万円までは予算として確保しよう。

日本から弾丸で、せっかく、はるばるここまで来た身。

ケチらずに2万円を投じれば、アブ・シンベルと、アスワンの観光の2つが両方手に入る。

ネットでのツアーなんかは、1人参加で3万円以上かかるみたいだし、2万円なら上等!

もっとも、2万円(3,300ポンド)で行ってくれればのハナシだけど。

 

そこまで計算して、早朝のアスワン空港に降り立ちます。時刻は6:20です。

考えがまとまり、だいぶ落ち着いてきました。

絶対、アブ・シンベル行ってやる~!

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中国人のツアーは、さっさと迎えのバスで去っていきました。

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アスワン空港のコンコースに1人残された私。

だだっ広いコンコースに1人だけ残される孤独感。同時に、闘志も湧いてきました。

絶対、絶対、なにがなんでもアブ・シンベル行ってやる!

日本から、はるか1万キロ。エジプト、アスワンまで来たんです。ここで数万円をケチって、アブ・シンベルへ行くのを妥協したなんて、弾丸旅行者としてお笑いモノ。

タクシー、専用車、バスの便乗、ヒッチハイク、なんでもいいから、アブ・シンベルに行く意志が固まりました。

まだ、時刻は6時半です。往復600km近いといっても、行ってこれない距離ではありません。

 

そこまで考えて、せっかくシティビューホテルが作ってくれた紙箱弁当を広げました。

クルマのチャーター前に、腹ごしらえし、戦の準備です。

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