【成都ひとり旅】天府広場から人民公園へ 都市圏人口2,100万人の成都の姿

さて、成都滞在は今日一日のみである。

文殊院を歩いて、お茶の休憩で午前10時。

このあとの行程は、三国志ゆかりの武侯祠を旅の主軸に据えているが、見学にはおそらく2時間ほどを要するだろう。

ならば訪問は午後に回したい。徒歩での移動距離を考えれば、腹ごなしにもなるし、体力を使う行動を一日の終盤に置くのは理にかなっている。

それまでは、成都の中心とされる天府広場を見学し、人民公園をぶらぶら歩き、そのあとに遅めの昼食をとる。それから武侯祠へ向かう——そんな段取りを頭の中で組み立て、まずは文殊坊を歩きます。

文殊坊の散歩

文殊院を出たところに広がっている文殊坊。

成都の観光シーズンがいつなのか知らないが、

欧米人観光客で賑わっている姿が眼に浮かぶ、観光客向けの茶店が軒を連ねている。

11月下旬の成都は気温10度前後。

風もなく、街歩きにはもっとも気持ちのいい環境。恵まれた天候に感謝。

いかにも老舗の茶館といった茶屋。

見事な石壁にレンタサイクル。

成都でも3輪自動車がまだ健在なんですね。

では、地下鉄に乗って、天府広場に向かいましょう。

日曜日の憩いの場「天府広場」

天府広場は、文殊院から地下鉄で2駅。

天府広場も人民公園も、「地球の歩き方」に大きく取り上げられるような観光地ではない。

だが、市民の日常に身を置くことも旅のうち。

とくに今日は日曜日。市民の憩いの場は、きっと賑わっているはずだ。

地上に出た瞬間、その予想は裏切られなかった。

広場には家族連れや若者、年配の人々が溢れ、それぞれが思い思いの休日を楽しんでいる。

そして、それをぐるりと囲む高層ビル群。

「天府」とは、四川盆地が育む豊かな農産物から、古代から成都周辺が「天の恵みの都」などと称えられたことに由来する言葉で、位置的にも成都の中心にあたる。

そして、成都の人口は定義の仕方によって幅があるが、一般的には約2,100万人、中国でも屈指の巨大都市とされている。

東京都をはるかに上回る人口規模、そして2024年時点で都市圏GDPは約2.9兆元(日本円で約61兆円)という事実だけで、この街のスケール感は十分に伝わるだろう。

習近平さんは怒るかもしれないが、四川省は、もはや一つの国家のようですらある。

と思ったら、当然のように、毛沢東さんがいらっしゃいました。

では、続いて「人民公園」へ。

人民公園の散歩&回鍋肉のランチ

「人民公園」は清末、1911年に開園した成都最古級の公園。

成都の市民生活とともに時代を重ねてきた場所ですが、なぜか「抗日」・・・

「14年間にわたる抗日戦争において、成都を中心とする四川省は最も重要な後方地域・・・」という言葉を神妙な面持ちで拝見します。

さて、気を取り直して公園の奥へ。

ボートを楽しむ市民に、やはりパンダのお出迎え。

園内には歴史ある茶館が点在し、午後の一服を楽しむつもり・・・

しかしながら、どこも満席。

老若男女が竹椅子に腰掛け、茶を飲み、語らい、将棋を指している。

その光景は、観光地というより生活そのもの。

しからば、腹ごしらえに方針転換。

通りを少し歩き、四川料理店をさがす。

麻婆豆腐と青椒肉絲以外の四川料理がとっさに思い浮かばず、回鍋肉を注文してみた。

さて、昨夜の麻婆豆腐に続いて、どんな食感であろうか。

運ばれてきた、成都で食べる回鍋肉。

食堂車で食べた回鍋肉とは具材の構成が少し違うようだが、コクの深さはさすが本場。

回鍋肉は日本でも好んで注文する料理だが、この食べごたえは別格だ。

辛さは、昨夜の麻婆豆腐ぐらいあってもいいと思う。少しマイルドな感じ。

コクたっぷりの美味しい回鍋肉であった。

それでいて不思議なことに脂の重さが残らない。

完食後の皿の底にはたっぷりと油が浮いているのに、なぜか胃は軽いまま。

さて、ここから武侯祠まではおよそ3キロ。腹ごなしにはちょうどいい距離だろう。

成都という巨大都市の「いま」を肌で感じたあと、いよいよ三国志の「過去」へと歩を進める。