知らない町の早朝散歩というのは、旅において楽しいテーマのひとつ。
知らない町というだけでエキゾチックな感覚に浸れるのに加え、早朝であれば、いきかう人も少ない。
人が入り乱れるカオス感も好きですが、早朝のどこか清潔感あふれる空気を通して目に映る町というのは、陶酔感さえ覚えます。
そして、その陶酔感は、時刻とともに減衰していくものですが、宿に泊まる楽しみから、夕方にかけて高まっていく。
要するに、私は家に帰りたくないのだろう。
本日は萩の町を歩いた後、バスで津和野に移動し、SLに乗って小郡に出て、飛行機で帰京します。
だから、今朝のこの陶酔感は、本日は弱まっていくだけだ。
これから旅の終わりは、羽田に着いた後、どこかに泊ってから家に帰ろうかなと真剣に考えています(^^)
「萩の宿 常茂恵」から浜崎町へ
おもてなし度抜群だった「萩の宿 常茂恵」を出て、松本川に沿って歩きます。
早朝とはいっても8時過ぎです。昨日とは打って変わって曇り空。
でも、旧市街の散策は、ぎらぎらの太陽の下ではなく、どんよりと垂れ込む雲の下で陰影を感じたい。むしろ、雨が降ってくれたほうが、イメージが湧きます。
昨日今日の萩散策で、バスは使わず。
走っているところもあまり見かけなかったんだけど、30分おきに循環バスがあるようでした。
昨夜食べた刺身は、このあたりの漁師さんが獲ったものだろうか。
「浜崎伝統的建造物群保存地区」を歩く
萩は古くから漁業で栄えた町ですが、その古い町並みが「浜崎伝統的建造物群保存地区」として保たれています。
しかし、申し訳ないけど、クルマが邪魔です(^^)
洋の東西問わず、旧市街に、クルマほど似合わないものはない。
これらは、江戸時代から昭和初期に建てられた町家です。
港町らしく、坂になってますね。
伝統的建造物に指定された土蔵などの建物は、137棟を数えるとのこと。
当時は豪商だったのでしょうね。今もかな。
「いらっしゃいませ。ご自由にお入りください。」と、とても丁寧です。
萩の町を歩いて感じることは、住民がとても旅人に親切なこと。
通りですれ違うだけでも、挨拶してくれます。本当です。
久しく感覚がマヒしていた日本人の礼儀正しさを、あらためて感じます。
境内に保育園のある住吉神社
この後の予定は、昨日に続いて、萩城城下町をたずね、菊屋家住宅や高杉晋作誕生地などを訪れる予定。
なので、足は徐々に南へ向かっています。
その通り道に「住吉神社」というのがあるらしいので寄ってみましょう。
早朝散歩のデメリットは、店が開いてないことかな。
時代が100年ほど戻ったような浜崎の町を歩いていくと、
鳥居が現れました。
住吉神社です。
住吉神社は日本中いたるところにありますが、航海の無事を祈ったところ、浜崎の船だけが無事だったので、大阪から勧請された神様が祀られているそうです。
境内にどっしりと根を下ろす松が力強さを感じさせます。
なんと、この神社の境内には、保育園と子供の遊び場がありました。
子どもを大事にする住吉神社。
萩城城下町へ
松田聖子の「~知らない町を歩いてみたい♪」が口をついで出ます。
あのCMは函館だったろうか?
どこまで歩いても見事な萩の町。
もう浜崎地区は出ていますが、それでも重厚感のある町です。
この先には、日本の道百選に選ばれた「菊屋横町」などがありますが、名前もついてないただの通りも雰囲気あります。
これは「伊勢屋横町」。右側の白い壁が「菊屋家住宅」。
ちょうど開館時刻の9時になりました。萩藩御用商人であった菊屋家のなかをのぞかせてもらいましょう。