首都圏の緊急事態宣言も、まもなく解除されようとしていますが、私の気になっている「旅」に関して、どのタイミングで封印が解かれていくのかは、まったくもって先が見えません。
そんなとき、ロイターでこんなコラムを見つけました。
出典:2020年5月19日ロイターより
記事によると、
- コロナウイルスのワクチンや治療法が確立されれば、旅行需要は復活するが、それはカタチを変えたものとなる。
- 健康検査と予防という観点で、航空機内の席の配置が見直され、また搭乗手続きの際のオペレーションが増加。これは旅行者にとってコスト増になる。
- 景気の落ち込みは、企業にコストカットを余儀なくされる。その最たるものはビジネス出張である。
これらをいち早く察知した、投資家ウォーレン・バフェット氏は、同氏の投資会社バークシャー・ハサウェイにおいて、米航空大手4社の大量の持ち株を手放したらしい。
バフェット氏といえば、優良銘柄を長期保有(バイアンドホールド)する投資家として有名である。
その氏が、航空会社の株式を手放したとなると、旅行需要が元に戻るには、数年以上かかるとみていることになる。
ちょっと、私にとっては、衝撃的なニュースだった。
コラムでは、航空会社の収益がとんとんになるのは、搭乗率77%とのこと。
これから、航空会社が、中間席を空席にするなど、感染予防対応をしてきたら、搭乗率77%確保は至難の業である。
すると、そのコストは旅客運賃に上乗せされるという論法だ。
ためしに、11月の週末の香港行きの航空運賃を調べてみた。
香港エクスプレスに関する限り、値段は変わっていない。
ていうか、香港エクスプレスは、このプライスで利益が出ているのか心配になる。
これは、間違いなく、そうなるだろう。
しかし、それがすぐに、空港使用料金や空港税の値上げなどにつながるとは、どうも考えにくい。
ただし、医療設備等が、さほど整ってない国については、観光客受け入れに慎重になる。
すると、ビザの発給が制限されたり、免疫保有証明などの提出も必要となる国がでてきてもおかしくない。
すると、国境をまたいで行動する際の、旅行者の時間コストは上昇するということなのだろう。
これならば賛同できる。
これは、ビジネスクラスで、という意味ではなく、ビジネストリップという意味だ。
あらゆる企業が、テレワークを推奨し、わざわざ会わなくても、同じ生産性を保てるように努力している。
出張が減るのは、もはや当たり前。通勤だって減るだろう。
これは、間違いなく、航空会社への打撃となる。
ビジネス出張が減って、航空会社は困難な経営が続く。
そう考え、バフェット氏は航空会社の株を手放したのだろう。
一方で、航空会社も旅行会社も、旅行需要の回復に力を入れるので、個人客のフライトにコストが転嫁されるとは考えにくいと思うがいかがだろうか。
これは、完全に私の私見だが、医療環境が整ったことが証明される先進国から順に、旅客需要は積極的に戻ってくる。
すなわち、多少の規制はあれど、米国や欧州への旅行なら、年度内に通常通りに戻る。
しかし、新興国までそれが整うには何年もかかる。
なので、地球全体で平均すると、これから数年は、旅行の通常需要の7~8割程度の復活になるだろう。
これは、完全に、私にとっては逆風だ。
私が行きたいのは、アジア・アフリカ・中東なのだから。
沢木耕太郎さんの「旅のつばくろ」。良いタイミングで読んだと思う。
私の行きたいエリアの解禁が先に伸びるのであれば、国内のニッチな場所を旅してみようと思いはじめているから。
いずれにしろ、コロナ感染、一刻も早い収束を願いたいところである。