栃木県の県庁所在地は「宇都宮」。これは誰でも知ってます。
では「栃木市」と聞いて、場所や土地柄をはっきりイメージできる人はいるでしょうか。
というと、栃木市に大変失礼なんですが、私も「宇都宮市」は訪れたことがあっても「栃木市」は未開の地。
巴波川(うずまがわ)が流れる栃木市は、江戸時代からこの川を利用した交易でたいへん栄えた街だったそうです。
そして、徳川家康のお骨が日光に移り、京都から日光へ、幣帛(へいはく)を奉納する勅使(例幣使という)が歩んだ例幣使街道が通る街。
ちなみに、廃藩置県の際、栃木県の県庁所在地は、いったんは「栃木市」になったようです。
でも、そのわずか11年後に県庁は宇都宮市に移され、現在に至っています。
そんな栃木市の散策です。
散策といっても、例幣使街道を歩いたり、巴波川に沿って散歩するだけですが、舟運で栄えた商都の面影を感じとることぐらいはできるでしょう。
味噌田楽の老舗「田楽あぶでん」で田楽盛り合わせを美味しくいただいた私は、例幣使街道に沿って散歩をはじめました。
「田楽あぶでん」の記事はこちらです。
例幣使街道の「蔵の街」
この地図は、南北が横に描かれていて、北が右側。
ちょうど「田楽あぶでん」の場所に立っているのですが、例幣使街道の散策や巴波川に沿って歩くには、「新栃木駅」で降りて「栃木駅」に向かうのが効率よさそうです。
街の景観にルールがあるのでしょうか。学習塾もこんな造り。
例幣使街道を南へ。
街道の左右は蔵でできた家並み。
街道沿いに姿を現した神社。
タイムマシンがあったら、当時の例幣使いが、行列をなして日光へ向かっていく様を見てみたい。
岡田記念館。
岡田家は名主役の旧家。宿場でもあったようです。
街道から、西に折れてみると、川と橋にぶつかります。
この川が巴波川です。
巴波川なんて、「うずまがわ」とひらがな書きしてくれないと、とても読めない。
水の流れはゆったりしてるけど、澄んだとても綺麗な水。
魚も泳いでいます。
街道へ戻ってさらに南へ。
ここが例幣使街道の終点というか起点。
「蔵の街」としての建造物は保存されているとのことですが、居住者もいることだし、簡単なことではないでしょう。
しかし、ゴミひとつ落ちていない実直さには、襟を正す思い。そんな例幣使街道でした。
さて、街道沿いではないですが、嘉右衛門町付近には、趣のある建物が多いです。
レンガの壁であったり。
当時の運河に使われていたであろう、水門も残っています。
「蔵の街」巴波川遊歩道沿いの散歩
さて、これからは、栃木駅に向かって、巴波川沿いに南下です。
右側の白い建物は、スーパーのパーキング。
なんか、一生けんめい建てたなって感じ。新旧の両立は難しい。
鯉が現れてびっくり。
巴波川には、いくつも橋がかけられ、その一つ一つに名前がついています。
これは「常盤橋」。
鯉にエサをやる地元民。
同じ小江戸水運の町でも、先日歩いた千葉県・佐原とは、どこか感じが違う。
佐原は、なんとなく観光ズレしてたけど、こちらは沿道にお土産屋さんなどがないのが、シンプルでいいのかも。
純粋に、かつての舟運の商都としての旧市街を楽しむことができる。
それが栃木県栃木市。なんか、ほんとにいい感じの遊歩道です。
川岸いっぱいにせり出した民家。水かさが上がったら、どうなっちゃうんだろ?
たしかに水量は少ないですね。船など出せるのだろうか。
こちらは「倭橋」。「わきょう」とでも読むのだろうか。
いろいろ観光名所や記念館があるようです。
でも、旧市街の街歩きが大好きな私には、巴波川沿いの遊歩道をのんびり歩いてるほうが楽しい。
観光客もいない。これはこれで、大丈夫か、という気もするけど。
今日は11月の土曜日。同じ栃木県の「古峯神社」は紅葉最盛期。多くの観光客で賑わってました。
佐原と同じように、舟にも乗れるようです。
ちょうど、その「舟のりば」の看板のところにあった「塚田歴史伝説館」。
記念館や歴史館はよく聞くけど、「伝説館」とはすごいな。
さっきの「田楽あぶでん」と同じ、景観重要建造物に指定されているようです。
観光客があまり歩いてないけど、舟乗る人いるのかな。
おお、舟が浮かんでます。人も乗ってます。
ここが入り口のようです。
おや、けっこう乗ってますね。水深が浅い割には、ちゃんと浮かんでます。
これが「蔵の街」栃木ですか。黒板塀に夕日が映えます。
巴波川は、ここで行き止まり。
そこにかけられた「瀬戸河原橋」。
「瀬戸河原橋」を渡ると公園があります。
こちらは公園の公衆トイレ。これも「蔵づくり」。
電話ボックスも「蔵づくり」。徹底してますが、使う人いるんだろうか。
由緒ある建物かと思ったら、写真屋さん。
さて、そろそろ「栃木駅」に向かって、東武鉄道で帰りましょう。
「相生橋」。
江戸時代の日光街道、そしてそこから派生する街道は、栄華を極めていたことでしょう。
ここが起点のようです。
わずかな時間の散歩でしたが、例幣使街道は歩けたし、巴波川も眺めたし、「味噌田楽」も味わえたので、充実の栃木市散策になりました。
東武鉄道・特急「きりふり」で北千住へ ~ 帰宅
栃木駅前にたどり着きました。
特急「きりふり」号で帰ります。「きりふり」って、霧降高原のことかな。
全車指定席なので、券売機で席を指定。簡単に買えました。
特急「きりふり」号の到着。
今日は、なんだかんだで、「古峯神社」にはじまって、栃木の「蔵の街」を歩き、けっこう疲れました。
起床も5時だったので、少しまどろみます。
関東平野を快走する東武特急。
首都圏に住んでると、日帰りで行ける所が多い。これは、旅好きには、絶大なメリットですね。
利根川の川面を眺めながら、次はどこへ行こうか、そんなことを考えます。
※本日午前中に訪れた「古峯神社」の紅葉の様子は、こちらをご覧ください。