ロシア号の旅 ハバロフスクを過ぎシベリアの奥地へ【シベリア鉄道旅行記 #6】

シベリア鉄道、最初の夜。

眠りについたのは、昨夜、というより、未明の5時過ぎ。

私の車両に大量に乗り込んできたロシアの兵隊たちの、徹夜どんちゃん騒ぎに付き合わされました!(^^)!

何人かがメールアドレスを書き残していきましたが、帰国後そこにデジカメの写真を送ってあげても届きません。

まったく、何やってんだか・・

ロシア号時刻表 2日目の行程

モスクワまでの距離 到着 出発 時差
9,091km ムチナヤ 0:04 0:05 +7
9,049km スパスク・ダーリニイ 0:45 0:48 +7
8,932km ルジノ 2:24 2:39 +7
8,875km ダリニェレチェンスクⅠ 3:26 3:29 +7
8,702km ルチェゴルスク 4:33 4:34 +7
8,756km ビキン 5:14 5:15 +7
8,659km ヤセムスカヤ 6:47 7:03 +7
8,523km ハバロフスクⅠ 9:00 9:25 +7
8,350km ビロビジャンⅠ 11:45 11:50 +7
8,190km オブルチエ 14:26 14:41 +7
8,080km アルハラ 15:40 15:42 +7
8,029km ブレヤ 16:26 16:28 +7
7,984km ザヴィタヤ 17:10 17:12 +7
7,950km エカテリノスラウカ 17:49 17:51 +6
7,865km ベロゴルスクⅠ 19:00 19:30 +6
7,807km スヴァボードヌィ 20:22 20:25 +6
7,723km シマノフスカヤ 21:38 21:40 +6
7,558km トゥイグダ 23:53 23:55 +6

けっこう、まめに止まるようです。

ドンちゃん騒ぎの間も、いくつかの駅に止まった模様。

シベリア鉄道 最初の朝

さて、ビキン駅で若い兵隊たちを30人近くを降ろしたロシア号は、ガラガラ(私の車両は)に戻りました。

そして、二日酔いというより、いまだ酩酊中・・

とにかく正真正銘の徹夜で、お互いブロークンな英語で親睦を図りながら、ビールやらウオッカを飲み続けていたんです。

彼らが下段ベッドに腰かけているので、横になって眠るわけにもいかない。

だから、彼らがビキンで降りてくれたときは、正直ホッとしました。

このまま徹夜をしていては、数時間後から窓外に展開するシベリアの大地を見逃してしまいます。

 

ひとりぼっちに戻った私は、数時間の仮眠をとることにしました。

と、コンパートメントに差し込む陽の光で目が覚めます。

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はじめて見るシベリアの大地です。

部屋の窓が、進行方向左側にあるので、中国との国境の方角を見てることになります。

黄葉なのでしょうか、黄色く色づいた葉っぱが太陽光を反射させてまぶしい。

眠いはずなのに、眠気は吹き飛ぶような鮮やかさでした。

時計を見ると8時半。それでも3時間ぐらいは眠れたようです。

 

気がつくと、隣のベッドに乗客が寝ていました。

どこかで乗ってきた模様です。

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極東の大都市ハバロフスクに停車

ロシア号は、9時ちょうど、極東の大都市ハバロフスクに停車しました。

降りる人もいっぱいいますが、ガラガラだった列車に、結構乗ってきました。

列車はここで25分の停車。

勝手に発車してしまわないか少し不安でしたが、駅前を見てみたいし散歩に行きます。

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地下道を抜けて、駅の外に出てみました。

駅舎のデザインは、ウラジオストクに似ています。

日本人の私には、洋風の建築物は、みんな同じに見えてしまいます。

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売店でピザパンを買ってきました。

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この列車には、もちろん食堂車がついていますが、そこで毎回食べていたら結構な出費。

こういうものが買えるときは、これで十分。とてもおいしいです。

アムール川との出会い

パンを食べているうち、列車はハバロフスクを出発。

ロシア号はここで進行方向を西に変え、シベリアの奥地に入っていきます。

しばらく走ると、アムール川が見えてきました。

冬季は氷結するらしいですが、今は青い水をたやしています。

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このあと、この川を鉄橋で渡るのかと思いきや、ぐんぐん地面にもぐり、列車はトンネルでアムール川をくぐっていきました。

 

パンを食べていると、男の子が顔を出しました。どこまで行くのでしょう。

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隣室のおじさん。

ヘンな日本人が乗っているという情報が出回ったのでしょうか。

みんな私の顔を見に来ます(^^)

列車は、こんな感じののどかな草原地帯をひたすら走ります。

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空は快晴。シベリアというと厳しい自然が頭に浮かびますが、今のところ、そんな感じはしません。

賑わうオブルチエ駅のホーム

昼下がり、列車が山間部に入ったかなと思うまもなく、箱庭のような街が現れました。

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オブルチエという町でした。

14:26の到着。15分停車するので、乗客もゾロゾロと降りてきます。

物売りが露店を出していて、パンにピロシキ、トマトやジャガイモなど、所狭しと並べています。

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いろいろな旅行記を読むと、シベリア鉄道では、各停車駅で物売りが軒を並べているぞ、という記述がありましたが、このことか、と思います。

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二日酔いの頭で、ホームを散歩。

眺めているだけで、楽しい光景。

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ピーナッツなんかもあるんですね。

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オブルチエを出発した列車は、小さな峠を越えます。

線路もぐるっと、山肌に合わせてカーブを描きます。

向こう側の山の斜面に、これからすれ違う予定の貨物列車が見えました。

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シベリアの大平原を行く

山を越えると、列車は、また淡々と平原の中を走ります。

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この景色からは、シベリアの冬の厳しさは想像できません。

同室の乗客が目を覚ましました。名前はエディ。

ウランウデまでこの列車に乗り、その後モンゴル国境近くの実家まで行くそうです。

彼は持ち込んだ食材の中からサラミを取り出し、ナイフで切ってくれました。

マヨネーズも持参していて、つけて食べるととてもおいしいです。

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と、コンパートメントのドアが開き制服を着た2人の女性警官が現れました。

私に、パスポートの提示を求めます。

ロシア入国以来、はじめてのドキュメントチェックです。

ちょっと、緊張しましたが、ビザを確認すると、すぐにパスポートを返してくれました。

通常の公務だったようです。

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平原の中に、突然駅が現れます。

アルハラ駅です。15:40の到着。

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列車は、ここからアムール州に入るので、現地時間での時計を1時間遅らせます。

旅の道中で時計を遅らせるという行為は、とても楽しいですね。

その分、1日が長くなるし(気分の問題です)

モスクワとの時差は、これで6時間になりました。

 

駅を出ると、また平原が続きます。

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たまに、川も現れます。

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また駅が出現しました。

ブレヤ駅、16:26の到着。人口6千人の文字通りの集落です。

でも、なんでこんなに立派な駅舎なんでしょう?

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このあたりから北緯50度を超えます。私にとって、北緯50度以北は初体験です。

ブレヤ駅の平和そうな風景。

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このブレヤ駅を発車して約20分後。窓外を8,000と書かれたキロポストが通り過ぎました。

 

さて、お次の駅。なんていう駅ですかね。読めません(笑)

時刻表によると、たぶんエカテリノスラウカ・・

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エカテリノスラウカ駅でも見られた、ロシア人たちの日常風景。

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エカテリノスラウカ駅を発車し、列車は北西に向けて、草原の中を走ります。

地図でいえば、ちょうど中国の国境がコブのように突き出たあたり。

その国境線から200キロくらいのところを北西に向かって走っているわけです。

景色は穏やかですが、中露の国境なのでナーバスなエリアですね。

ベロゴルスク駅の駅頭風景

陽も傾きかけた19:30、ベロゴルスクという街に到着。

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さして大きな街ではありませんが、30分も停車するので、駅前に出てみました。

駅前では、地元の人が露店を開いていました。

なんか、色鮮やかで、とてもおいしそうに見えます。

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農家の人々が作物を売る風景は、日本のそれと変わりません。

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親子連れも多いロシア号の乗客。

4号車に乗っている私ですが、ホームの先頭の方にも行ってみました。

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ロシア号を引く機関車を見ることができました。

社会主義の旧ソ連の時代では、機関車をカメラで撮影するなんてご法度だったでしょう。

今はなんと、カメラを向けたら、手を振ってくれました。

時代は変わる。

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ベロゴルスクを20時ちょうどに発車すると、まもなく2度目の夜がやってきました。

昨夜は、あの兵隊野郎たちのおかげで、ほとんど寝ていません。

エディにスパコーイナイノーチ(おやすみなさい)と言って、横になります。

 

目を閉じて、これまでの道中を回想します。

日本を出て5日目になりますが、すでに日付の概念はありません。

旅にでるといつもそうですが、日付の感覚がなくなり、今日が何日であるかはどうでもよくなります。

異国の地の場合は、観ること、聞くこと、経験することすべてが新鮮で、昨日の出来事が何日も前のように感じられます。

 

そして21時ころ、太陽が、地平線のかなたに沈みました。

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さて、明日は、どんな景色を見せてくれるのかな・・

 

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