ヨーロッパ最北端ノールカップに立つ【北欧旅行記 #19】

これが、マーゲロイ島に至る海底トンネルの入り口。

全長6,870m。1999年に開通したらしい。最深部は海面下212m、道路トンネルとしては海底部分が世界最長とのこと

えっ、と思い調べてみたら、私がよく利用する「東京港トンネル」や「東京湾アクアトンネル」は、それよりもずっと短かったです。

マーゲロイ島に上陸

「ノールカップトンネル」と言うんですね。実は、すごいトンネルなのでした。

トンネルに入ると、ひたすら下ります。あの、海底トンネル特有の下り勾配。

そして、同じように登ります。けっこうきつい勾配・・

建設費も相当かかったんでしょうけど、料金所はなくフリーでした。

マーゲロイ島に上陸しました。

マーゲロイ島には、小さな集落が点在しています。

 

そのなかでも、もっとも大きい町がホニングスヴォーグ。帰りに寄るつもりです。

このホニングスヴォーグから、ノールカップへバスがピストン輸送しているようです。

次のバス便は11:45発のようですから、それが到着する前にノールカップへ乗り込みましょう。

標高417mのマーゲロイ島。なんと、千葉県より標高が高いではないですか(笑)

景色が、ますます荒涼としてきました。ツンドラの大地です。

おお、自転車でノールカップを目指す軍団。

 

気持ちいいんだろうけど、アップダウンもきついので、大変だろうな。

大地が姿を見せるのは、わずかな夏の間だけなんでしょうね。

 

岬まで一本道かと思ったら、ここで分岐。

ノールカップまで、あと10キロたらずとなれば、すぐにアプローチしてしまうのが、やっぱりもったいない。

クルマを止めて、ツンドラの大地の上に立って、最果ての景色を眺めます。

大げさですが、「地球の果て」まで来た、そんな感じがします。

半年前に、南アフリカの喜望峰までドライブしましたが、そのときも同じようなことを感じました。

ホニングスヴォーグからのバスが来る前に、ノールカップに着きましょう。再スタートです。

 

ようやく終点が見えてきました。

展望台のパーキングに入るゲート。

ゲートでは、パンフレットをくれた代わりに285クローネ(3,410円)払いました。

駐車券は窓越しに置いておいてくれとの指示。

とにかく、アルタから4時間と少し、ノールカップに到着です。

最果ての絶景 ノールカップと感動の対峙

クルマを止めて、ドアを開けて降ります。

ついに、ここまで来たとの思いから、足が震えます(大げさだ)

 

風はなく穏やか。しかし、空気は冷たく張りつめています。

 

そして、東の方角を見やると・・・

やりました! ついに、ノールカップに対峙! 

高さ307mの断崖。紛れもなく、ここがヨーロッパ最北端の岬、ノールカップです。

喜望峰を見たときもそうでしたが、夢ではないかと、自分の腕をつねります(笑)

地球儀のモニュメントですね。

これを見るために、はるばる日本から来たんです。

 

地球儀のモニュメントに歩みよります。

みなさん記念撮影。北緯71度、ここはそういう場所です。

せっかくなので、私も撮ってもらいました。しかし、コート持ってきてよかった。寒い・・・

 

写真ではうまく表現できませんが、水平線と雲がほんとに近い、くっつかんばかり。

なんでだろ? 空と雲が、手が届きそうに近く感じます。

 

北極点の方角を眺めながら、感動に浸ります。

水平線と雲が交じり合うさらに奥には、北極点があります。ここから、距離にして約2,100km。

あの植村直己氏が踏破した北極点です。

自分は、今、そんなところに来ているのだと、さらに感動に浸れます。

  

さて、身体も冷えてきちゃいました。8月というのに、たぶん5~6度でしょう。

 

あのホールの中に入ってみます。

扉は二重扉。今日は全然風がありませんが、突風のときは、ドアを開けるのにも難渋することでしょう。

扉を開けると、いきなりのお出迎えです。

ホールの中は、レストランがあったり。

  

お土産屋さんがあったりします。

私も、メモリアルに記念品をゲット。北緯71度のよい思い出になりました。

ホールの下は、ミュージアムのようになってましたが、やっぱりオモテの散歩のほうが楽しく、退散します。

最北の断崖の上の散歩

ホールの入り口から外に出てみました。

ホニングスヴォーグからでしょうか。ちょうどバスが到着したみたいで、ごったがえしています。

ここは、ほんとに最果て?

断崖の上を散歩。

いろんなモニュメントや、

人物像があります。

最果ての断崖の上でみつけた日本語。

 

冬に来たら、この大地はどんな感じになってるんでしょうか。

でも、この海は1年中凍らないんです。はるばるメキシコ湾から流れてくる暖流。

ところで、現在の時刻は正午の12時。

その反対の深夜12時に来てみたかったな、とも思います。

ノールカップで見るミッドナイト・サン。

なんか、すごくカッコいい演出のように思いますが、それだと、一晩中クルマを運転する羽目になるので断念しました。

いくら白夜で明るいとはいっても、夜は夜ですからね。

ずっと眺めていても、飽きないな、この景色。

このまま北極点に向かって進むと、地球の向こう側に至り、その先はベーリング海峡です。

地球というのは、ほんとに不思議な物質です。

さっき到着した観光バスの団体でしょうか。モニュメントの下に群がる観光客。

 

さて、そろそろ戻りましょうか。

 

かれこれ小1時間もいたノールカップにお別れです。次、来ることあるかな・・

この岬の発見者は、イギリスの探検家リチャード・チャンセラー。

北東経由でアジアを目指しているときに、「世界最北の岬」として「北岬(ノースケイプNorth Cape)」と呼び、それがノルウェイ語で「ノールカップ」となったそうです。

1533年、種子島にポルトガル人が漂着する10年前。まさに大航海時代の出来事ですね。

そんな由緒あるノールカップを後にします。

いやあ、来ることができてよかった。

感動のノールカップとの対峙でした。

今回の11日間北欧3ヵ国&エストニア&ドバイ弾丸一人旅の全行程&旅費はこちらです。