これが、マーゲロイ島に至る海底トンネルの入り口。
全長6,870m。1999年に開通したらしい。最深部は海面下212m、道路トンネルとしては海底部分が世界最長とのこと。
えっ、と思い調べてみたら、私がよく利用する「東京港トンネル」や「東京湾アクアトンネル」は、それよりもずっと短かったです。
マーゲロイ島に上陸
「ノールカップトンネル」と言うんですね。実は、すごいトンネルなのでした。
トンネルに入ると、ひたすら下ります。あの、海底トンネル特有の下り勾配。
そして、同じように登ります。けっこうきつい勾配・・
建設費も相当かかったんでしょうけど、料金所はなくフリーでした。
マーゲロイ島に上陸しました。
マーゲロイ島には、小さな集落が点在しています。
そのなかでも、もっとも大きい町がホニングスヴォーグ。帰りに寄るつもりです。
このホニングスヴォーグから、ノールカップへバスがピストン輸送しているようです。
次のバス便は11:45発のようですから、それが到着する前にノールカップへ乗り込みましょう。
標高417mのマーゲロイ島。なんと、千葉県より標高が高いではないですか(笑)
景色が、ますます荒涼としてきました。ツンドラの大地です。
おお、自転車でノールカップを目指す軍団。
気持ちいいんだろうけど、アップダウンもきついので、大変だろうな。
大地が姿を見せるのは、わずかな夏の間だけなんでしょうね。
岬まで一本道かと思ったら、ここで分岐。
ノールカップまで、あと10キロたらずとなれば、すぐにアプローチしてしまうのが、やっぱりもったいない。
クルマを止めて、ツンドラの大地の上に立って、最果ての景色を眺めます。
大げさですが、「地球の果て」まで来た、そんな感じがします。
半年前に、南アフリカの喜望峰までドライブしましたが、そのときも同じようなことを感じました。
ホニングスヴォーグからのバスが来る前に、ノールカップに着きましょう。再スタートです。
ようやく終点が見えてきました。
展望台のパーキングに入るゲート。
ゲートでは、パンフレットをくれた代わりに285クローネ(3,410円)払いました。
駐車券は窓越しに置いておいてくれとの指示。
とにかく、アルタから4時間と少し、ノールカップに到着です。
最果ての絶景 ノールカップと感動の対峙
クルマを止めて、ドアを開けて降ります。
ついに、ここまで来たとの思いから、足が震えます(大げさだ)
風はなく穏やか。しかし、空気は冷たく張りつめています。
そして、東の方角を見やると・・・
やりました! ついに、ノールカップに対峙!
高さ307mの断崖。紛れもなく、ここがヨーロッパ最北端の岬、ノールカップです。
喜望峰を見たときもそうでしたが、夢ではないかと、自分の腕をつねります(笑)
地球儀のモニュメントですね。
これを見るために、はるばる日本から来たんです。
地球儀のモニュメントに歩みよります。
みなさん記念撮影。北緯71度、ここはそういう場所です。
せっかくなので、私も撮ってもらいました。しかし、コート持ってきてよかった。寒い・・・
写真ではうまく表現できませんが、水平線と雲がほんとに近い、くっつかんばかり。
なんでだろ? 空と雲が、手が届きそうに近く感じます。
北極点の方角を眺めながら、感動に浸ります。
水平線と雲が交じり合うさらに奥には、北極点があります。ここから、距離にして約2,100km。
あの植村直己氏が踏破した北極点です。
自分は、今、そんなところに来ているのだと、さらに感動に浸れます。
さて、身体も冷えてきちゃいました。8月というのに、たぶん5~6度でしょう。
あのホールの中に入ってみます。
扉は二重扉。今日は全然風がありませんが、突風のときは、ドアを開けるのにも難渋することでしょう。
扉を開けると、いきなりのお出迎えです。
ホールの中は、レストランがあったり。
お土産屋さんがあったりします。
私も、メモリアルに記念品をゲット。北緯71度のよい思い出になりました。
ホールの下は、ミュージアムのようになってましたが、やっぱりオモテの散歩のほうが楽しく、退散します。
最北の断崖の上の散歩
ホールの入り口から外に出てみました。
ホニングスヴォーグからでしょうか。ちょうどバスが到着したみたいで、ごったがえしています。
ここは、ほんとに最果て?
断崖の上を散歩。
いろんなモニュメントや、
人物像があります。
最果ての断崖の上でみつけた日本語。
冬に来たら、この大地はどんな感じになってるんでしょうか。
でも、この海は1年中凍らないんです。はるばるメキシコ湾から流れてくる暖流。
ところで、現在の時刻は正午の12時。
その反対の深夜12時に来てみたかったな、とも思います。
ノールカップで見るミッドナイト・サン。
なんか、すごくカッコいい演出のように思いますが、それだと、一晩中クルマを運転する羽目になるので断念しました。
いくら白夜で明るいとはいっても、夜は夜ですからね。
ずっと眺めていても、飽きないな、この景色。
このまま北極点に向かって進むと、地球の向こう側に至り、その先はベーリング海峡です。
地球というのは、ほんとに不思議な物質です。
さっき到着した観光バスの団体でしょうか。モニュメントの下に群がる観光客。
さて、そろそろ戻りましょうか。
かれこれ小1時間もいたノールカップにお別れです。次、来ることあるかな・・
この岬の発見者は、イギリスの探検家リチャード・チャンセラー。
北東経由でアジアを目指しているときに、「世界最北の岬」として「北岬(ノースケイプNorth Cape)」と呼び、それがノルウェイ語で「ノールカップ」となったそうです。
1533年、種子島にポルトガル人が漂着する10年前。まさに大航海時代の出来事ですね。
そんな由緒あるノールカップを後にします。
いやあ、来ることができてよかった。
感動のノールカップとの対峙でした。