クウェートタワーからの帰り道。
夜の散歩を兼ねて、ホテルまで徒歩。
夜に賑わうクウェートといえど、それはタワーやスークであって、移動手段はほぼクルマのようだ。
したがって、ストリート沿いには人影全くなし。

人は歩いてないのに、ライトがこうこうと光り、クルマだけが行き交う。

人気がしないのは治安的にもおそれるべき局面だけど、

それも、夜のクウェートシティの美しさだ。

いったんホテルに戻り、部屋の電気を消してみた。

ホテルの窓から見下ろしても、道ゆく人はいない。
これで、本当に、夜こそ賑わうといわれるスークに人が集まってるのだろうか。

ホテルのエレベータの中の広告。
水タバコかな。タバコが大好きな国民性。

では、Careemでクルマを呼んで、スークへと参りましょう。

スークを彩る白と黒の衣装に圧倒される

クルマを降りたのは、グランドモスク前。
このモスクは、明日にでも訪れようと思ってます。
スークの前までクルマで行かなかったのは、ものすごく大渋滞してるらしいから。

ほんとだ・・・見てると、クルマはまったく動いてない。
みんなスークへ行く人たち?
クルマ番のお父さんの役割は大変だ^ ^

そして、スーク・アル・ムバラキーヤの入り口。

昼間とはうってかわって、大変な人の数。

金曜の夜であることも手伝って、ここぞとばかりに白と黒の衣装をまとったクウェート市民が繰り出してました。

真っ白なディシュダーシャ(トーブ)を風に揺らす男性たちと、アバーヤをまとった女性たち。

中東の衣装は地域によって呼び名も形も微妙に違う。
たとえばクウェートの男性が身にまとう白いローブは、湾岸地域では一般に「ディシュダーシャ」、頭に乗せる布は「グトラ」、その上から押さえる黒い円形の帯は「アガール」と呼ばれる。

そして、女性の着る黒布は「ニカーブ」と呼ばれることもあるが、クウェートで一般的なのは顔を覆わない「アバーヤ」。

顔を隠されている女性もいらっしゃる。
写真を撮るのは失礼に当たるそうだけど、遠くからなので許していただこう。

これらのイスラム圏を代表する衣装は、宗教的要素だけではなく、昔から強い日差しや砂埃から肌を守るための機能という背景もあるようだ。

つまり、これらは単なる衣服ではなく、砂漠の民が夏の酷暑と冬の冷風から身を守るための生活の知恵として発展させたもの。

衣装そのものがこの土地の歴史を体現し、何百年にもわたり「砂漠で生きるための技術」として継承されてきたと思うと、立ち止まってじっと眺めてしまうほどに、彼らの姿勢の美しさが目を引く。

胸を張り、歩幅大きく、迷いのない歩き方。
「民族として背骨が真っ直ぐなんだろうか」と思うほどの堂々とした風格がある。

こんなに堂々と胸を張って歩く民族を、久しく見たことがない。

その背後には、彼らの強い宗教的結びつきがあるのかもしれないし、石油がもたらした国家の豊かさが自信を支えているのかもしれない。

彼らが歩くその姿を見るだけで、旅人としての私は少し圧倒され、そしてどこか羨ましさすら感じる。

夜更けでなお賑わうスーク・アル・ムバラキーヤ

23時といえば、日本なら夜更け。

しかし、まだまだスークに集まってくる人波。

スークの外もこの通り。

さすがにこの時間では、アザーンは鳴り響かないけど。

昼に食べた「マトン・マクブース」が美味しかったレストランも、当然のように営業してる。

チャイを楽しんでる人たちも。
いったい、営業時間は何時までなんだろう。

ところで、蛇足だけど、私なりに「時差ボケ」の講学がある。

ますます賑わうスークの現在時刻は23時。

だから、日本時間は6時間進めて午前5時。

これが、アジアや中東に出かけても、時差ボケにならない理由。

だって、日本で仕事してたら、徹夜になったりで午前様になることなんてよくある。
酒でも飲んで、夜更かしして、セルフ時差ボケが続いたと考えればいいだけ。

日本と違うのは、八百屋さんが午前0時まで開いていることぐらいだ。
そう考えると、並んでる野菜の色ツヤまで誇らしげに見えてくる。

スークの北の外れには、「ジュエリーストリート」なるものがあった。

石油資源が豊富にとれる国。

富裕層もいっぱいいることでしょう。

プライスを見れば、高騰している金価格そのままに、とんでもなく高い。

それを、ほいほい買っていくんだから、やっぱり、日本は間違いなく1人あたりGDPでクウェートに抜かれるのは間違いない。

クウェートの夜は、夜といっても30度近い。歩き続ければ汗が滲む。

そこでソフトクリームを買うと、0.5ディナール(約250円)。

この国の物価からすれば驚くほどの庶民価格で、思わず笑ってしまう。

余勢をかって、となりの揚げ物屋さん。

明日の朝の軽食を仕入れることにした。

ショーケースに並ぶ三角形の揚げ物は、やはりインドでよく見る「サモサ」だろうか。

具はなんだろ? メニューはアラビア語で読めず、言葉も通じない。

だが、これまた堂々と構える店の雰囲気にすっかり感心。

1ディナール分でおすすめを包んでもらった。

1ディナール払って、お釣りをくれたということは、500円以下。
それで、サモサ4種類くらい買えたから、私なんかが住んでも、なんとか暮らしていけそうだ。

時間を忘れて歩き続けるクウェートのスーク。

子供たちは、いったい何時に寝るんだろうね(^ ^)

午前1時になっても談笑の笑みがたえないスーク・アル・ムバラキーヤ。

だから、当然、Careemで配車をつかまえられました。
さすがにホテルに帰って寝るとします。
