エジプト一人旅5日目の朝。相変わらず、体調は絶好調、気持ちのいい朝です(*^^)v
40℃を超す気温の下で、屋台のケバブを食べたり、マンゴウジュースに入ってる氷をかみ砕いて飲んだりしてますが、きわめて健康。
人間、好きなことやってる時が、一番体にいいんだよね。
昨夜、どんちゃん騒ぎしてた連中も、きれいにいなくなっています。
ウエストバンクへの連絡船
さあ、今日はナイル川の西岸、ルクソール観光の目玉ともいえる、ウエストバンクのお墓を歩きます。
歩いて回るわけにもいかず、昨夜のうちに、クルマをチャーターしておきました。
このsusanna hotelで頼むと、5か所の墓を回って20ドル(約2,200円 370ポンド)で、チャーターできましたが、多分高いんだろうな。
出発は6時半。なので、6時に朝食をとりに、下に降ります。
狭いエレベーター・・ 少し怖い。
一番乗り、っていうか、他に宿泊客の気配がしない。
ひょっとして、泊まってるの私だけかい?
これ以上ない、簡単な食事(笑)
朝食のあと、迎えに来るまで、付近を散歩。
朝は、まだ涼しくて、気持ちいいです。
6時半になって、迎えの人が来ました。
当然クルマで来るものと思ってましたが、なんと徒歩。
聞くと、クルマはウエストバンクに止めてある。
そこまでは、ローカルフェリーでナイル川を渡るんだ、とのこと。なるほど。
2人で、早朝のルクソールの街を船着き場まで歩き出します。
手になにか本を持っていたので、「それは何か?」と聞くと、「コーラン」と言って、ニッコリ。
コプト教会の前を通る時、指さして、「兄弟」と言ってました。
ルクソール神殿を横目で見ながら、川岸へ。
ちょうど、今フェリーが着いたのかな。人がいっぱい降りてきました。
この、前を行く、水色のおじさんが、今日の運転手。
ローカルフェリーは、地元の足であり、観光客の足でもあります。
でも、今日は、エジプトお休みの金曜日。地元の人たちは、ほとんど乗ってません。
朝早いからだけかもしれませんが。
ナイル川を見るだけでなくて、渡れるなんて、これまたいい思い出になります。
こちらは東岸。ルクソール神殿が見えます。
こちらが西岸。なぜ、ウエストバンクというのかわかりませんが、お墓が点在する丘が近づいてきます。
西岸に接岸。時間にして10分たらずでしたが、意外に人が乗ってました。
地元の人は、2階でなく、1階に乗るんだね。そりゃ、ナイルの川面なんて、見飽きてるでしょう。
料金は1ポンド。いまどき6円で乗れる乗り物って珍しい。
では、これからウエストバンクのお墓巡り。
迎えに来てくれたおじさんのマイカーで出発です。
走り出して、意外にも西岸に住宅が。おじさん曰く、東岸よりも多くなってるとのこと。
なぜ? 東岸はどんちゃん騒ぎがうるさいから。ははあ、納得です(笑)
昨夜の、どんちゃん騒ぎを思い出しました。
私は、疲れ切っていたので、すぐ眠れましたが、毎週やられたら、たまんないだろうな。
砂漠の中とは思えない穀倉地帯を走ります。
メムノンの巨像
そして、すぐに着きました。メムノンの巨像です。
第一印象。顔をつぶされて可哀そう!
新王国時代のアメンホテプ3世のものだそうですが、なんか上半身がいくつかのブロックに分かれてそう。
これは、紀元前27年に起きた大地震ではいったヒビらしい。
このヒビの影響で、激しい温度差と風により、明け方にきしむような音がしていたそうだ。
左側なんて、見るも無残。顔がない!
どんな宗教を信仰するにしても、無関係な時代に造られたものまで、こんな仕打ちをするとは信じられない。
巨像の偉大さより、むなしさを感じたメムノンの巨像でした。
遺跡だらけのウエストバンク
メムノンの巨像を後にして、ハトシェプスト女王葬祭殿に向かいます。
名前はわかりませんが、道の両サイドには、遺跡がいっぱい。
これも、何だろう?
運転手が解説してくれたんだけど、悔しいけど聞き取れなかった。
ちなみに運転手は、学校の先生だそうです。エジプト史を教えているとのこと。
(語学力があれば、もっともっと、いろんなこと聞けたのに・・)
距離感の狂うハトシェプスト女王葬祭殿
見えてきました。ハトシェプスト女王葬祭殿。
朝早すぎて、観光客がほとんどいない。ラッキーです。
ここは、いつも人混みだそうなので。
しかし、買ったチケットの半券、うかつにも失くしてしまったみたい。
チケットの半券は、思い出にいつもとってあるのに、不覚(笑)
神殿まで乗せてくれるカートがたむろしてますが、私一人のために動かすはずないし、お願いしたら、いくらふんだくられるかわからないので、徒歩で向かいます。
しかし、それなりに距離はあります。んッ!
誰かが、麦わら帽子を落としていったみたいだね。
両サイドには、お宝発掘の跡。
大きく見えたので近いと思ったら、とんでもない。
やっと、入り口までたどり着きました。
そして、誰もいないと思ったら、ツアー客がすでにいたようです。
しかし、このスケール、ほんとすごい・・
ツアー客は、中国人のようです。
風が急に吹くもんだから、日傘を飛ばされてる女の子。
祭殿への坂道の途中で、振り返ります。
実は、この場所で、観光客が標的となった、銃を乱射する大規模なテロが起きています。
時は1997年、つまり今から20年前。死者は60人以上で、日本人観光客も犠牲になったとのこと。
犠牲者のそばには「観光客はエジプトから出ていけ」と書かれた犯行声明があったらしい。
テロの背景は、反政府勢力が、観光客を激減させ、政府に打撃を与えるため・・
なんとも、やり切れない出来事です。
20年経った現在。入り口の警備は、シャツの中のパスポートケースまで点検する入念さでしたが、こうして、私が気楽にこういった場所を訪れることができるのも、観光警察のおかげといえます。
しかし、この美しい景色。
これが一瞬にして凄惨な光景に変わってしまうなんて、想像できません。
もう一度、坂を下りて、祭殿を眺めます。
この雄大さ、アブ・シンベル神殿とも、また違った種の凄みです。
また、これ全部ハトシェプスト女王?
しかし、この保存状態の良さ。ほんとに、3000年以上も前の建造物??
3000年以上経て、なお色が落ちていない。
完成時の鮮やかさは、想像ができません。
太陽神ラーでしょうか。
アヌビス神?
ハトホル女神ですか?
陽気なおじさん。また、バクシーシで小銭がなくなってしまう(笑)
1時間以上もいたでしょうか。そろそろ、次の目的地へ。
出口と書いて、出口でない??
カートは、中国人の団体で行ってしまいました。徒歩で戻ります。
陽も高くなり、またまた連日の炎天下に。
もう一度振り返ります。サングラスを外して、生の画像を叩き込みます。
日差しが強すぎてサングラスかけてないと、目も開けられないんだけど、すると崖の岩の色とかがイメージと違っちゃうんだよね。
できるだけ、生の状態で記憶にとどめておきたい、そんな風に思うハトシェプスト女王葬祭殿でした。