初めて乗った中国の列車。乗り心地はかなり快適で、下段のおばちゃん達の話し声がなければ、ぐっすり眠れるはず・・・も、心配無用で、万里の長城を登った疲れや連日の睡眠不足で、あっというまに眠りに落ちました。
目覚めると、列車は停まっていました。
おばちゃんたちを起こさないように、下段に降り(真っ暗なコンパートメントでこれをやるのは、けっこう難しい・・)、静かに扉を開けて部屋から出ると、列車は洛陽に停車中のようです。
時刻は午前8時前。西安までは、あと5時間です。
黄河流域を走る列車の車窓
通路には、かつての日本の寝台車のように、引き出して座れる椅子がありました。
愛想のないおばちゃんたちがいる部屋より、そこに座って景色を楽しみましょう。
列車はかなりなスピードで走っていますが、あまり揺れません。
ぐっすり眠れたのは、そのおかげですね。
車窓には、赤茶けた大地が広がります。
たまに現れる町。
地理的には、黄河流域ということになるのでしょうか。
車窓には、赤茶けた地面が広がるだけで、黄河の川面は見えません。
食堂車で食べる回鍋肉
お昼近くになって、食堂車をのぞいてみました。食堂車は軟臥車のとなりです。
日本で食堂車を経験するのは、もうほとんどできませんが、中国は健在どころか、ほとんどの長距離列車に連結されています。
車内販売の弁当などよりは割高のようですが、移りゆく景色を眺めながら食事ができるなんて、それだけで旅してる気分です(*^^)v
食卓に座って、流れる景色を見るのは、不思議な気分。
たしかに、値段は高そうです。お茶1杯が20元(320円)ですか。
もちろん、何杯もおかわりできるんでしょうけど。
営業時間も記されていました。
ただいまの時刻は12時。「午餐供座」という時間帯に当たります。
食堂車から眺める車窓。
もう、こんな体験は、日本ではできないですね。
注文した回鍋肉が運ばれてきました。
いくらだったか忘れてしまいましたが、オーダーしたときに値段を言われ、その場で支払うシステムで、しかもレシートがないんですよね。
でも、熱々の回鍋肉は、とても美味しかったです。
日本の中華定食屋で出てくる回鍋肉と変わりません。ただし、ご飯はパサパサです(笑)。
西安駅に到着
食事を終えて、しばらくすると、列車は西安に到着しました。12:52定刻です。北京から14時間半ほどの旅でした。
それにしても、ホームの長いこと! ホームの先端が見えません。
ちなみに、乗ってきた列車も、日本では考えられない20両編成でした。
やはり、西安では大勢の旅客が下車するようです。
でも、列車はこのあとも成都まで走り続けます。成都到着は翌朝の4:53。これから16時間もかかるんですね。中国大陸は、とにかくデカイです。
中国の古都、西安にやってきました。
あえて例えれば、日本の京都です。
西安に来た! とはやる気分を抑えて、まずはチケット売り場を探します。明日の夜乗車する列車のチケットを手に入れておく必要があります。
trip.comのチケットシステムは、大変便利なのですが、窓口係りに浸透していない可能性があるので。
ふたたびtrip.comのチケットの確保
北京西駅での経験があったので、窓口は簡単に見つかりました。
が、すごい行列。割り込みを防ぐために、窓口の前には、一人づつしか並べない様に鉄格子が設けられています。
Eチケットを出すと、あっさり発券してくれたので、ついでに、明後日、南京から上海まで乗る新幹線のチケットも発券してもらいました。
西安とは管轄が違うとかで5元ほど手数料取られましたが、こちらも無事にゲット。だいぶ慣れてきました(笑)。
こちらが、明日の夜乗る予定の西安⇒南京のチケット。
本日乗ったのと同じ寝台列車ですが、軟臥車よりもランクが上の「新空調高級軟臥」というのを奮発しました。料金は789.5元(12,632円)。どんな空間が待っているのでしょうか。
そして、こちらが、南京から上海までの中国高速鉄道いわゆる新幹線のチケット。
南京南駅も上海虹橋駅も、両方とも新幹線駅です。中国の列車は、軌道の幅が同じなので、新幹線であろうと、どんな駅でも入っていけるはずなんですが。
西安駅前の表情
さて、心配がなくなったところで、あらためて駅舎を眺めます。「西安」の文字が、西安にいるんだという実感を沸かせます。
言うまでもなく、中国の古都。
遣隋使や遣唐使の面々が訪れた長安の都であり、子供のころ見てた「西遊記」にもよく登場しました。
その西安にいると思うだけで感無量です。
西安の文字がカッコいいですね。
駅前には、西安の市街を囲む城壁がそびえたっています。
その下で、警備する公安。
はじめての中国一人旅で、珍しい光景ばかりなのですが、随所随所で公安が目を光らせているのも、中国のお家芸なのでしょうか。
城壁の下で談笑する西安市民。
さて、まずは、予約してあるホテルに行って、荷物を降ろしましょう。
西安観光はそれからです。