冬のアゼルバイジャンは、日の出は遅く、日没は早い。
けっこう、これは、時間の足りない旅人にはツライ。
バクー旧市街の遅い日の出
昨日も夕方5時過ぎには暗くなったし、日の出は7:36。
緯度的には、秋田なんかと同じなんですが、ひょっとして標高が低すぎるから??
旧市街などの早朝の散歩は、私は楽しみしてるんですが、6時過ぎに目を覚ましても、ベランダからの風景はこんな感じです。
となりのハードロックカフェの室内の明かりはこうこうと点いているものの、道行く人はなし。
バクー旧市街は、はまだ眠っているようです。
7時半になるのを待って、散歩に出かけました。
昨日の教訓から、しっかり着込んでいます。それもあって、そんなに寒さは感じません。
早朝のシェマハ門。
人通りは少ないですが、クルマの通行量は多い。
あの穴ぼこから、侵入者を監視していたんですよね。
確かなことはわからないけど、銃弾の跡?
サーキットのタイトコーナーに逆向きに吸い込まれていくクルマの列。
けっこう、スピード出してますよ。
30分ほど散歩して、戻ってきました。
私の部屋は、木の陰のあたり。人通りも出てきたようです。現在8時。
ホテルにチェックインするとき、朝食は8時からと言われ、ずいぶん遅いなと思いましたが、理由がわかりましたね。
8時までは、街そのものが眠ってるんです。
さて、待望の朝食。大げさですが、旅してるとお腹はすくものです。
まずはチャイ。
ホテルの女主人が、卵料理を聞いてくるので、オムレツをオーダー。
そぼくなメニューですが、十分おいしいです。
ゴブスタン遺跡へ行く方法で迷う・・・
さて、お腹いっぱいになったところで、また出かけます。
今日は、これから、バクー郊外の世界遺産、ゴブスタン遺跡に行くつもり。
ゴブスタンとは峡谷の地という意味で、この地の岩山には、古代からの彫刻が60万点以上発見されているそうです。
バクーからは、南に約60キロほど離れていて、いろいろ調べても、今ひとつ、行き方がはっきりしません。
でも、ブログを拝見してたりすると、バスで行ってきたとかいう人もいるし、観光案内所で聞けばなんとかなるかな、って感じで、ホテルを出ました。
観光案内所は、新市街のほぼ真ん中にあり、ホテルからは約1キロです。
バスは、いっぱい走ってます。バスの番号さえわかれば、なんとかなるかな・・
すっかり秋めいた公園の中を、ひたすら東に歩きます。
大学ですか。
観光案内所は、すぐ見つかりました。メトロのサヒル駅のすぐ近くでした。
観光案内所の中はこんな感じ。レンタサイクルもあるみたいですね。
ところが、ゴブスタンへバスで行きたいというと、こんな紙片を渡され、英語でとうとうと説明。
どうやら、№5のバスでどこからかまで行き、そこで№195のバスに乗り換える。
そんな感じらしい。
礼を言って外に出ましたが、さて、どこへ行けばいいやら。
№5のバスなんて、どこにも走っていません。
あの青いビルは、ヒルトンホテルです。
道行く人に聞いても、皆わからないとの顔。(というより英語がまったく通じない・・)
半日で帰ってきたいし、タクシーで行こうと決意。
それも流しのタクシーは危険と判断し、地下鉄のサヒル駅まで戻ります。
そのサヒル駅の前に並んでいたタクシーに声をかけました。
「ゴブスタン?」 「OK」 (よかった、通じた・・)
「ハウマッチ?」 「・・・」 (これが通じない・・)
私は、ボールペンとメモ帳を差し出して、「マナト?」と聞きました。
初老の運転手は、わかった、わかったとうなずきながら「100マナト」と記入。約6,500円です。
私は「80マナトでどうか?」と交渉。了解してくれました。もう少し下げられたかな・・
往復120キロの行程で、約5,200円。往復の値段であることを、何回も確認させてもらって、交渉成立です。
バスで行ったら、向こうで歩かなくていけない場所もあるそうだし、仕方ないよね。
タクシーをチャーター ゴブスタン遺跡への道
運転するのは白髪の老人。バクーの街を快調に走り出しました。
南を目指します。
大きなモスクが見えてきました。
立派なモスクです。有名なモスクでしょうか。
カスピ海も見えてきました。快適なドライブです。
運転手も、私のカメラをさして「ほら、あれを撮れ」とか言ってくれます。
しかし、多い警察車両。いろんなとこで検問や取締りをやってます。
クルマは、どんどん南下。
それにつれて、景色も荒涼としたものに。
鉄道も併走しています。イランやトルコ方面の鉄道でしょう。
世界遺産 ゴブスタン遺跡
小1時間も走ったでしょうか。ゴブスタンらしき看板。
運転手も、ここでハイウエイを降ります。
アゼルバイジャンでは、一番の観光地とのことですが。
あんまり、そんな感じはしません。
あの突き当たりが遺跡のミュージアムかな。
ここが、ゴブスタン遺跡のチケット売り場。2マナトでした。
遺跡のミュージアム
遺跡に行く前に、ミュージアムによります。
中に入ると、いきなりこんなのが現れますが、人形です。
おお、これは、遺跡に興味がある人なら楽しいかも。
本物の人間に見えます。
展示品を見ても、いまいち知識がないので、ミュージアムの外に出て、景色を眺めます。
ステップっぽい土地の形状は、どことなく中央アジアを思わせますが、シベリアも、こんな形の土地をしてたよなあ・・
では、いよいよ遺跡に行きます。
おじさんの運転で、岩山を登ります。
ちなみに、ここまでバスは1台も見かけず。
ほんとにバスで来れるんだろうか。お金はかかったけど、タクシーで来て正解でした。
ゴブスタン遺跡の散策
遺跡の入り口に到着。みんなクルマで来るよね。
それにしても、奇奇怪怪な岩であること・・
入り口で「自称ガイド」が登場。
最初はわからず、チケットを渡してしまい、記念のチケットが手元に残らず。残念・・・
ひたすら「*** ガイド?」(***の部分は、たしか「組む」とかそんな意味だったと思う)
と言ってついてくる自称ガイドを振り払います。
ちなみに、このおじさんがタクシー運転手。
ちょっと渋い感じのアゼルバイジャン人。
英語なんて聞いたことないよ、と言わんばかりに、ひたすら私にアゼルバイジャン語で話しかけます。
そして、確かな運転でした。
このおじさん、ゴブスタン度々来てるのかな。即席のガイドになってくれました。
太古の時代は、この高さもカスピ海だったとのこと。
おお、いきなり現れました。
これは、なんだろう?でも、間違いなく人工のものです。
これらが、外部にさらしっぱなしになってるのが不思議。
風雨で侵食しちゃわないのかな。
ツアーで訪れてる人も多いです。
しかし、精巧に描かれてる・・
古いものは、2万年までさかのぼるそうです。
カスピ海です。
古代は、このあたりもカスピ海の底だったとのこと。
遺跡もいいけど、茫洋としたカスピ海を眺めるのもいい。
旅の実感がこみあげる瞬間。
沖には、数隻の船が。あるいは、油田の発掘作業かな。
岩壁は、けっこう高いところにも描かれていたりします。
あれは、バクーの市外でしょう。
空気が澄んでいるので、60キロ離れていても臨めます。
ほんとにくっきり。
残した理由は、後世に暮らしぶりを伝えるためらしい。
遺跡散策の間、おじさんがずっと付き合ってくれました。
いい、タクシー運転手でよかったです(^^)v