アンシャント・ペンジケントから、ホテルへの帰り道。
名残惜しくなって、遠回りして、バザール通りへ。
ペンジケント市民が全員集まったかのような賑わい。
1日しかいなかったけど、1週間くらいいたような気がするペンジケントの町でした。
シェアタクシーでウズベキスタンとの国境へ
では、ホテルをチェックアウト。忘れ物ないかな・・・
これからタクシーで、ウズベキスタンとの国境に向かいます。
ホテルのフロントの少年に聞いても、やはりバスはなくタクシー一択とのこと。
相場を聞くと20ソモニ(約310円)。
国境まで20キロはあるのに安いな、と思いながら、呼んでもらおうとすると、
「バザール! バザール!」と言う。
なるほど、バザール前からしかタクシーは出てなくて、しかも数人で乗るシェアタクシー。
だから、ホテル前で拾おうとしても無理なわけだ。
少年にお礼を言って、ホテルを後にし、さっきも通ったバザールへ今度はキャリーを転がしながら歩いていくと、こちらから声をかけるまでもなく、私の姿は国境へ向かう旅行者であるのは明白で、「ウズベキスタン? OK!」と引き込まれました。
運転手は、けっこう歳のいったおじいさん。
料金を聞くと、やはり20ソモニ。
そして、すでに先客が2人ほど乗ってました。
おじいさんがベラベラ話すんだけど、もちろん何を言ってるのかわからない。
「しばらく待て」みたいなジャスチュアだったし、後部座席の3人も黙って座ってるから、おそらく「あと1人乗客が集まるまで待て」と言っていたんだと思う。
要するに、シェアタクシーは乗客が5人にならないと出発しないらしい。
つまり国境まで100ソモニということですか、なるほど。
ところで、待つのはいいんだけど、暑いので窓を開けます。
パワーウインドじゃないクルマは久しぶり。
結局10分くらい待ったけど、追加の客は現れず、運転手のおじいさんがまたなにやら言って、後ろの3人はうなずいてカネを払ってる。
私も5ソモニ追加を求められたところをみると、
「5人目を待たずに4人で行こう。だけど、料金は25ソモニにね。」
ということのよう。
めいめいが5ソモニ紙幣をおじいさんに差し出して出発です。
シェアタクシーって、初めて乗ったけど、こういうシステムなんだ・・・
ロータリーの真ん中に建てられたランドマークを通り過ぎて、いよいよペンジケントともお別れ。
ところで、ペンジケントからサマルカンドまではこんな感じの道のり。
国境を考慮しなければ60キロ程度なので、1時間半もあれば着くでしょう。
では、「地球の歩き方」にも書かれてるし、いろんな旅人のブログでも記されている、いわゆる「面倒くさいウズベキスタン入国」とは、どんなイメージなんでしょうか^ ^
郊外の道に出て、おじいさん一気にスピードを上げました。
このとき、初めて気づきました「シートベルトがない・・・」
それで、助手席に座って、時速120kmです・・・アシストグリップを握りしめます
カゲロウがゆらめく国境への道。
ペンジケントも暑かったけど、サマルカンドはもっと暑いのだろうか。
でも、このオンボロシェアタクシーの中はもっと暑い。エアコンが壊れてるみたい^ ^
ソグド人は、シルクロードにおいて中国とペルシャの橋渡しを担った交易民族だったそうです。
私も、キャラバンの一員になったつもりで、シルクロードの旅に浸ります。
国境が近づいたところで、右窓に現れた建物。
サラズム遺跡と呼ばれる、いまから5,000年ほど前の中央アジア最古の古代遺跡です。
タジキスタン初の世界遺産というから、さっき私が見学したアンシャント・ペンジケントよりも圧倒的に古い。
今回は、訪れる術がなかったけど、いずれ「世界一周」でもするようになったら、立ち寄らせていただこう。
このお姉さんは、自転車で国境を越えてきたのだろうか。
サラズム遺跡を過ぎて、5分もしないうちに見えてきたいかめしいゲート。
タジキスタン側の国境に到着ですね。
陸路国境越えって、幾度繰り返しても、ドキドキするものです(^ ^)
その精神年齢の低さが、旅人としていつまでも旅を楽しませてくれる。
私はあっさり でも現地人は時間のかかるタジキ・ウズベク国境越え
これは、門をくぐったあとの写真。
私の指が入っちゃってるのは、慌ててるから^ ^
古今東西、国境であからさまに写真を撮っていい場所はないでしょう。
それも、タジキスタンとウズベキスタンの国境です。
旅行記やブログを読んでも、写真撮影を咎められ、消去させられたという話がいっぱいあります。
でも、まだタジキスタンを出国していません。
あれが国境の門なんでしょうね。
その手前にイミグレがありました。
並んでるのは、旅行者というより、タジキあるいはウズベクの人たち?
うわさ通り、けっこう時間がかかってます。
時間がかかることを前提に、待合所なんてのも設けられてます。
現地の人たちは、様々な身分証やら書類やらを提出して本当に大変そう。
それを眺めてたら、隣の窓口がガラッと開いて手招きされました。
外国人は、出国カードもなく、ふつうにパスポートチェックだけで終了です。
それで、あのゲートがウズベキスタンのイミグレかな、と思って近づいていくと、まだタジキスタンで、荷物や税関のチェックでした。
そして、そのゲートを通って、振り向いた図。
つまり、ここがいわゆる緩衝地帯です。
そして、ウズベキスタン側に近づくにつれ、警官の数がハンパなく増えました。
カメラなんか出してたら、間違いなくきな臭くなりそうなので、しまいます。
といいつつ、ウズベキスタン側も、手荷物検査があって、そのあとイミグレがあって、イミグレでは「日本人デスカ? コンニチハ!」などとふるまうお茶目な入国審査官。
なにも質問されずに、持ち物もなにも検査されずに、あっさり通過です。
この両国は、必要に迫られて行き来する人も多いのか、管理官の心遣いか、ていねいに並べてスタンプを押してくれます。
ウズベキスタンの入国は、かつては、パソコンやらスマホやらすべて提出させられ、画像や映像などを入念に調べられたらしいですが、ほんとにコロナを挟んで変わったようですね。
ただし、警官や入国管理官が治安維持に厳しく姿勢であるのは今もそうらしく、イミグレから出てきた私をシェアタクシーの運転手が取り囲もうとすると「お前らはここに入るな!」みたいに怒鳴ってました(^ ^)
シェアタクシーからカネを払わず逃げ出す女
さて、そんなに緊張する必要もなかった国境越えのイベントが終わり、そしてあっさり今度はウズベキスタン側のシェアタクシーにおさまって、サマルカンドへの出発を待ってます。
サマルカンド行きシェアタクシーは計40万スムが相場らしい。
4人乗車なので、1人10万スム(1,150円)。
ソモニからスム、急にケタ数が増えるから注意しないと。
100,000スムは75ソモニ、現地の人たちって、アタマいいね(^^)
待つほどもなく4人揃って、タクシーはスタートしました。
スタート直前にドライバーが代わりました。
なるほど、実際の走り屋と、ブローカーで役割が決まってるみたいですね。
しかし、この助手席の女がくせ者でした。
4人を乗せたシェアタクシーは、サマルカンドへの道を快調に飛ばします。
タジキスタンのシェアタクシーと違って、こちらは高級車でエアコン完備。
乗り心地もいいので、ついうとうと・・・
小一時間ほどで、サマルカンドに到着です。
一人づつ降りたい場所を告げて、降りていく仕組み。
私はレギスタン広場の手前で降りました。
その時残ってたのは、助手席の女のみ・・・
目的地に着いたんだから、運転手はトランクからバッグを下ろします。
すると、なんとしたことか、この女、6万スムしかないと言って逃げ出しました。
運転手も私もぼうぜん・・・
食い逃げならぬ乗り逃げ。私の旅歴では、はじめて目にしたわ。
運転手が困った様子・・・たぶん、さっきのブローカーに支払わなくてはならないんでしょう。
私はポケットに、国境で両替し損ねた20ソモニ紙幣が1枚あったので、チップのつもりで運転手に献上しました。
このところ、私はいろんな国でヒッチハイクやらでクルマでの移動がらみで親切にされ続けてきたので、お返しのつもり。
運転手が喜んでくれたのが幸いでした。
それにしてもなにあいつ・・・最低の女・・・あれでも旅行者??
せめて国籍を宣言してから逃亡してくれ。
いきなり、プチハプニングですが、ウズベキスタンの旅がはじまりました。