ツアーで立ち寄ったパナマ第二の都市コロン【パナマ旅行記 #5】

パナマ運河のガトゥン閘門と世界遺産のサン・ロレンソ要塞をめぐるプライベートツアー。

このツアーの美味しいところは、帰途にパナマ第二の都市コロンを瞥見させてくれるところだ。

第二の都市といっても、人口は約24万人。

パナマシティのように、高層ビルが林立するような街ではない。

それどころか、近年では麻薬密売や不法移民がからむ犯罪が多発し、「中米一の治安の悪さ」とも呼ばれる街。

日本人旅行者が犯罪に巻き込まれた事例もあり、油断はできない。

というわけで、パナマ運河見学ツアーの帰りに1時間程度立ち寄ってくれるトリップアドバイザーのプライベートツアーが重宝したというわけです。

サンロレンソ要塞からコロンの街へ

サンロレンソ要塞の見学を終えて、プライベートツアーのヒュンダイに乗り込むと、またまた突然のスコール。

突然というより、パナマでは、しごく当たり前の気象。

しかし、熱帯のそれは、ふつうの雨足ではない。

本当に前が見えないほど、そして会話ができないほどの豪雨である。

そして、来る時にも渡ったアトランティコ橋を逆に渡る。

コロンが近づくと、スコールが止む。

すごく、運のいい循環だ。

コロンの街に入る前に、鉄道線路を横断。

これはパナマ運河鉄道。旅客へは1日1往復しか運転されないけど、貨物便は頻繁に運転される。

パナマ運河の補完といったところだろうか。

カリブの港町コロンの治安

さて、まだパナマシティすらも満足に歩かないうちに、第二の都市コロンへやって来た。

第二の都市といっても、歴史的には、はるかにパナマシティを凌ぐ。

植民地時代、スペイン人たちは南米から略奪した黄金や銀を運ぶルートとしてパナマ地峡を利用した。

ここコロンは、スペイン本土へ財宝を運び出すためのハブとなった港町である。

そういう目で見ると、街中にある廃墟のような建物は、いつごろ建造されたものなのか興味を引く。

でも昨今は、経済格差などから本当に治安が悪いらしい。

麻薬密売を取り締まる警官の姿も目につく。

コロンからはパナマシティに通勤に出ている人も多いそう。

そういうことを、隣にいるガイドさんが教えてくれるから知識的にもボディガード的にも助かる。

なかなか高級車を路上にとめるのは勇気がいるそうだ。

たしかに、裏通りは人通りも少なく不気味な雰囲気。

でも、旅人としてはこうした歴史ある古い街を歩いてみたいもの。

たった1時間とはいえ、この街を歩けてよかったと思う。

コロン沖合に停泊する自由貿易船

海岸に出てみました。

出迎えてくれたのは、コルコバード風のキリスト像。

その向こうに広がるカリブ海には、所狭しと停泊する自由貿易船。

船が多いのは当たり前で、コロンは開拓時代からの重要な自由貿易港。

見れば、さっきパナマ運河を通過したギリシアの船がいます。

この海が見える公園の名前は「フベントゥー公園」。

様々なイベントが開かれる、コロン市民の憩いの場のようでした。

さて、ふたたびストリートを引き返します。

それにしても、第二の都市といいつつ、荒れ果てた建物が多い。

そのあたりをガイドさんに聞いても、笑って答えない。

でも、デンジャラス?と聞くと、「ノー、セーフティ」と言う。

改修中のカトリック教会に出会いました。

正面だけでなく側面も修復が必要なほど荒れてしまってます。

歩いているのが小学生らしい女の子だけ、というのも不思議な光景。

1時間の瞥見では、アメリカ統治時代の建物群に触れることはできなかった。

でも、こうして、誰もいないストリートをゆっくり歩いてみると、街が持つ複雑な背景が目に浮かんでくる。

そしてそれは、今まで旅していて、あまり味わったことのない雰囲気。

中米には、このコロンのような栄枯盛衰を絵に描いたような街が、ほかにもいっぱいあるのだろうか。

ヒュンダイに乗ってパナマシティに帰ります。

本当にわずか1時間だけだったけど、こんな街も歩いてみたかった。

思い出に残ったコロンの街だった。