成田から5時間35分。
ミアットモンゴル航空の直行便から降り立ったチンギスハーン国際空港。
時刻は2024年5月3日19時。

東京の自宅を今朝出発して、その日のうちにウランバートル。
チンギスハーンもびっくりでしょう。
そして、空港のコンコースから見える景色がこれです。

私もびっくりしています。
いや、予想はしてたけど、ほんとに草原の中の国なんだよね。
動画はこちらです。
モンゴルの通貨「トゥグルグ」を手にいれる

さて、イミグレはあっさり。
30日以内の滞在はビザもいらないので、あっという間にモンゴル入国できました。
しかも、このスタンプの押し方。
帰国時も含めてこんなに律儀に押してくれた国は、渡航国48カ国目にして今だかつてない。

開港されて、まだ3年もたってないチンギスハーン国際空港。

清潔感がぐっとただよいます。

そして、軍資金を調達。

2日の滞在で、どのくらい手に入れるべきか悩んだけど、30万トゥグルグほどおろしました。

レートは、1円が23トゥグルグ。
だと、わかりにくいので、10,000トゥグルグが430円くらい。
すこし計算しづらいけど、大量に手に入れた20,000トゥグルグ紙幣が、だいたい1,000円弱と思っておけばいいでしょう。
2泊3日の旅でケチってもしかたがない。

ところで、チンギスハーン以外の下の2枚の紙幣の肖像画の人物は「ダムディン・スフバートル」。
清からの独立の際、革命の功労者として活躍された人物だそうです。
バス&タクシーが拾えずヒッチハイクでウランバートルへ

さて、実はある程度覚悟はしていたんだけど、いきなり障害にぶつかりました。
ウランバートル市街までの足です。
まずバスは乗合バスで、いる場合といない場合がある。
つまり、客が集まらないと運転されない。
国際空港なのに信じられないかも知れないけど、本当にそうなんです^ ^
そして、その余波でタクシーは全車出払ってました。
したがって、50kmも離れたウランバートル市街までの足がない状況です。
モンゴル人の人たちは、空港に迎えが来るから、タクシーなんかに乗らないということなんでしょう。
止まってる車は、すべてモンゴル人のマイカーか、予約送迎のタクシー。

かるく途方に暮れかけたけど、ひとり旅を長くやってると、こういうときでもあわてない根性だけはつくらしい。
パーキングに止まってるクルマを物色し、優しそうな顔つきのドライバーを探します。

で、話しかけたのがこのおじさん。
「ウランバートルのホテルまで送ってくれないかな?」
英語も通じなかったけど、翻訳アプリで会話。
家族を空港まで送り届けて帰るところだったらしく、ひとつ返事で話がまとまりました。

ヒッチハイク料は50,000トゥグルグ(2,200円)。
「タクシーなら100,000トゥグルグだぞ」と、ニヤッと笑うおじさん。

こうして、モンゴルおじさんとのドライブがはじまりました。

いままで弾丸ひとり旅を繰り返してきて、身についたのは「人を見る目」かな(^^)
「いい人」か「悪い人」か、短時間で見分けるのって、それなりに技術がいる。
日本人そっくりのこのおじさんの目は善人の目でした。

では、タクシーレーンにタクシーが1台もいないチンギスハーン国際空港にさようなら。

大草原のドライブ

空港の敷地を出ると、ハイウエイに入るゲート。
ていうか、ハイウエイなのか一般道なのかわからないけど。
19時過ぎでまだ高い西日がもろに逆光です。

周囲は見渡す限りの大平原。

チンギスハーン国際空港。
なんで、ウランバートルから50kmも離れた場所に作ったんだろ?
こんなに土地があるのに、ふつうに不思議に思う。

でも、GWを利用したわずか2泊3日の旅。
こんなプチハプニングがあったからこそのイベント。
砂漠?草原?
そんなところをドライブなんて、いつ以来だろう^ ^

おや、羊の放牧かな?
やっぱり来てよかった。
まったくもって仕事がうまくいかず、実はGWを自宅にこもってようかなどと、考えていた自分が恥ずかしい。

素晴らしく非現実的な世界を、おじさんがハンドルを握るクルマは軽快に走ります。

おじさんとは翻訳アプリで会話を楽しみながらのドライブ。

モンゴル語には音声変換できないので、単純な会話しかできない。
しかし、YESと答えるとき「ダー」と聞こえた。

正確には「ザ」らしいんだけど、シベリア鉄道に乗ったとき「ダー(YES)」をしょっちゅう使った20年前の懐かしい記憶を思い出した。

キリル文字がなまった発音なんだろうか。
やっぱり旅はしておくものだ(^ ^)

砂漠の中に、こつぜんとビル群が現れた。
私が指差して「ウランバートル?」「ダー」

ところで、差し当たっての心配事は2つ。
明日の朝、氷点下らしい。
革のコート着込んできてよかった。

もうひとつは、渋滞。
ウランバートル市街は、慢性的な大渋滞で、移動にとんでもなく時間がかかるらしい。

50kmを1時間半ならなんとか耐えれるレベルだけど、おじさん曰く、ウランバートルの渋滞は想像を絶するとのこと。
草原の中の大渋滞

さて、ビル群の文明が前方に立ちはだかると、申し合わせたようにクルマの流れもゆるやかに。
そして、まったく動かなくなりました。

これですか・・・ウランバートル名物の大渋滞。
しろうと的には、こんな広大な国土があるんだから、道路ぐらいたくさん作れるんじゃないの???
それにしても、ここは日本かと思うほど、プリウスが多い。

そうこうしているうちに、日没の遅いウランバートルにも夕暮れが。

まもなく20時になりますが、見事なほど動きません。

あらためて非現実的な光景だな、と思う。
大渋滞でクルマが動かない。でも、周囲は大草原。

あと24kmを1時間21分かかるそうです^ ^
時速17.7km・・・自転車の方がマシw

剛を煮やしたおじさん。
気分転換にガソリンスタンドに入りました。

レギュラーガソリンが1リッター2,390トゥグルグ。
つまり、日本円で100円。
モンゴルって、資源国だったかな。
たしか鉱物資源は豊富だけど、石油はロシアあたりから買ってるのかな・・・

さて、ふたたび市街へ向かう一本道へ。

そう、一本道だから大渋滞になるんだよね。こんな具合に。
なんと、渋滞ますますひどくなってる。

でもね、達観。
ホテルは確保してあるから泊まりあぶれるわけでないし、このヒッチハイクのおじさんがいなかったら、どうなっていたかわからない。

キリル文字で、ロシアにいる感覚を感じながら、ドライバーのおじさんに感謝。

時刻はまもなく22時になろうというところ。
大渋滞の中に、路線バスが混じっているのがスゴイ。

たぶん通勤帰りなんだろうけど、毎日こんな苦行に耐えているのかな。
歩いた方が早いくらいだから、ほんとにかわいそう。

幸いだったのは、私の予約したホテルが、おじさんの家と同じ方角だったこと。
だから、おじさんの家に帰る途中で、私をドロップアウトできたって感じ。
なにわともあれ、空港から3時間半かかってようやくウランバートルの中心に近い「ベスト・ウエスタン・プレミア・ツーシン・ホテル」に到着しました。
50,000トゥグルグでここまで送ってくれたおじさん、本当にありがとう(^^)

時計を見れば22時30分。
長かった1日が終わりますが、モンゴルの旅は明日から。
今夜はドロのように眠ってしまいましょう。
