夕日に染まるビクトリア湖を眺めて終わるムワンザの1日【タンザニア一人旅】

東京を出てから5日目。

東アフリカのバス旅は、まだ先があるけど、日程的にはちょうどこのムワンザで折り返し。

インド洋の港町モンバサから、バスを乗り継いでビクトリア湖へ。

そして私は、ムワンザの街を半日歩き倒して、足はそのままビクトリア湖の湖岸に向かいました。

ムワンザの食を支えるフィッシュマーケット

まだ夕日には若干早い気もしたので、湖岸に向かって適当に路地に踏み入れると、この場所がなんであるのかすぐにわかる生臭い香り。

フィッシュマーケットのようです。

こんな場所に東洋人がひとりで迷い込めば、そりゃ注目の的になります。

「チーノ!買ってけ!」は本気で言ってるのか社交辞令なのかわからないけど、撮らせてもらった巨大な魚はサンガラ。

英語読みではナイルパーチと呼ばれる、成長すると全長2m、重さ200kgにも達するという肉食魚。

そのままさばいているところを見ると、この街のレストランへ直送かな。

ナイルパーチが並ぶタライのすぐ傍らを、我が物顔でのしのしと歩く鳥。

この鳥の正体は、ムワンザの名物キャラである怪鳥アフリカハゲコウ。

剥き出しのピンク色の首元に、異様に太く鋭いくちばし。

動物の死骸や生ごみを糧にしているので、フィッシュマーケットは絶好のレストランなんでしょう。

こっちにもいた(笑)

赤道に近い高地 標高1,134mのビクトリア湖の夕日

魚市場を歩いていると、ビクトリア湖が単なる風景ではなく、この街の胃袋そのものなのだと感じました。

そして、その湖の向こうへ、太陽が傾きはじめています。

場所を変えて、湖面に夕陽が沈んでいく様を鑑賞しましょう。

どうでもいいことだけど、あのトラック転倒しそう。

こちらはマーケットというより、野暮ったいけどリゾートっぽい。

湖岸に近づくと、驚いたのが、岸ぎりぎりまで敷かれたレール。

半ば土に埋もれているので、当然これはかつての輸送路だろうと、後で調べてみると、なんとすぐ手前までは現役で稼働しているらしい。

もちろん、この場所は使命を終えているが、かつてはインド洋の港からやってきた貨物列車が、このレールの先でそのまま大型船へと乗り込み、湖の対岸へ渡っていったという。

つまり、ここはかつてのアフリカの大動脈の終着点だ。

夕日を浴びて停泊している客船らしき白い船。

これも調べてみると、現役どころか、毎晩運航されている夜行客船「MVビクトリア」。

対岸のブコバへ向けて、毎夜21時ごろに出航し、翌朝到着するスケジュールらしい。

ブコバというのは、ビクトリア湖西岸のウガンダに近い街で、湖の南岸を回って陸路で行こうとすれば距離は400km以上。

8時間はかかる道のりなので、現在も深く頼りにされている重要な交通インフラだ。

 

そんなことを考えていると、夕陽がますますオレンジ色に輝いてきました。

赤道直下の光の芸術です。

赤道地域は太陽が地平線に対してほぼ垂直に沈むため、日没のスピードが非常に早い。

この急激な光量の変化に、標高1,134mという高地の澄んだ空気が組み合わさる。

それが、空の色をイエローから燃えるようなオレンジ、そして紫へと、目まぐるしく変化させるグラデーションを生み出します。

たしかにこれは、世界三大夕日のひとつとされるマニラ湾で見たものよりも透明感がある。

その光の変化を見ていると、写真を撮らなければと思う気持ちと、ただ黙って眺めていたい気持ちがせめぎ合う。

旅人としては、こういう瞬間がいちばん困る。

残したい。でも、見逃したくない。

ところで、ムワンザの象徴であるビスマルク・ロックのまわりからは、「チーノ!チーノ!」と、サンセットクルーズを呼びかける勧誘の声が、容赦なく飛んでくる。

この旅では「チーノ!」という呼びかけが、すっかりお馴染みになってしまった。

その勧誘をいちいち断りながら湖面を見渡すと、ほかにも無数の巨岩が、そのまま湖底から突き出ている。

花崗岩とのことだけど、まさにムワンザでしか見られない自然の造形美。

巨大な花崗岩をバックに、小さな即席ボートを操る少年の姿。

私は観光客向けのクルーズ船より、こうした「湖とともに生きる人々の日常」のほうが好きだ。

ビクトリア湖に沈む夕日の鑑賞が終わりました。

みなさんも撤収の雰囲気。

ホテルの戻ると、通勤帰りか、ミニバスがひっきりなしに発着してました。

ここはムワンザの中心部。みなさんは郊外に帰るんですね。

夜のムワンザで最後の乾杯

昼にティラピアを食べたレストランは、夜はバーに変貌します。

タンザニアのいいところは、ふつうに、安く、お酒が飲めるところ。

今は気温も25度くらいまで下がってるけど、歩き続けた日中は30度近かった。

汗をとっぷりと流したので、ハイネケンで、ムワンザの最後に乾杯です。

たった1日の滞在だったけど、街を歩いて、ムワンザの日常を垣間見れて満足な1日。

バス旅で立ち寄っただけの街だけど、この旅においても記憶に残った1日になりました。

すっかりいい気分になってホテルに戻ります。

これは、今朝、迷いに迷ったホテルの入り口。

渡された鍵の一つを使って、南京錠を解錠します。

明日は、ふたたびバス旅の1日。

起床は5時前。そしてルワンダへの国境越え。長い1日になりそうです。