ポーランド・クラクフには、「カジミエシュ地区」という、14世紀に国王カジミエシュ大王によって開かれたユダヤ人地区があります。
古都クラクフの雰囲気を旧市街散策で味わった私は、クラクフの別の表情もみたくて足を運んでみました。

ユダヤ人街「カジミエシュ地区」を歩いてみる

カジミエシュ地区へはトラムで簡単に行けますが、歩いても旧市街広場から2キロ程度。

さっそく、カジミエシュ地区の一角に足を踏み入れましたが、

今のところ、雰囲気が変わった感じはない。

こちらの建物は、カジミエシュ地区の中心近くにそびえ立つコーパス・クリスティ大聖堂。
ユダヤ人街にありながら、クラクフ最大級の美しいキリスト教建築物として、強い存在感を放っています。

なんとなく、壁の雰囲気がひかえめになり、

観念で「ユダヤ人街を歩いてるんだ」みたいに散策するカジミエシュ地区。
ま、落書きはすごいけど。

と思ってたら、壁にヘブライ文字を見つけて嬉しくなりました。
イスラエル国旗のマーク「ダビデの星」も掲げられてます。やっぱりここはユダヤ人街。
この建物は、ユダヤ教礼拝堂旧コヴェア・イティム・レ・トラ・シナゴーグでした。

ここもカジミエシュ地区の中心、新広場(プラツ・ノヴィ)。

レンガ造りの十二角形の建物(オクラングラク)が広場のシンボル。
かつては屠畜場だったそうですが、現在はカジミエシュ地区の名物グルメ「ポーランド風ピザトースト・ザピェカンカ」のお店が並んでいるらしい。

そんな話を聞いたら、遅いランチを食べたくなりました。

カジミエシュ地区で食べるポーランド料理「コトレット・スハボヴィ」

実はユダヤ人街にも、おしゃれなレストランが多々あります。

カジミエシュ地区を南へ歩き、それこそビスワ川を渡ろうか、という通り沿いのレストランに入ってみました。
昼前に飲んだのはビールなので、今度は赤ワイン。
というのはこじつけで、私は汗をかくほど暑くても赤ワイン党。

ピエロギを食べたのは、すでに3時間も前。
十分にお腹は空いています。
なので、「シュニッツェル」をオーダー。
ウエイターさんに、なにやら言い直されたけど、了解して下がっていったので、私としては「シュニッツェル」をオーダーしたつもり。
私の理解では「シュニッツェル」は東欧風のカツレツ。

はい「シュニッツェル」が運ばれてきました。

でも、なんだかウエイターさんが言い直してる。
これはポーランドでは「コトレット・スハボヴィ」と呼ぶそう。覚えにくい^ ^
ヒゲをたくわえたウエイターさんは、ニヤリとしながら下がっていきました。
日本の「とんかつ」そのもののように見えるけど、衣をつける前にお肉を叩いて薄く伸ばし、ラードをひいたフライパンで黄金色になるまで揚げ焼きにする、手の込んだ調理法が特徴です。

それと、後で知ったんだけど、「シュニッツェル」はオーストリア料理でした。
全然、東欧じゃない(^ ^)

そして、この白いペースト状のソースはキャベツ。
カプスタ・ザスマジャナと呼ばれる家庭でも用意されるポーランドの定番付け合わせ。

薄い生地のトンカツが、とてつもなく美味しい。

キャベツペーストと一緒に食べると、独特の爽やかな香りと濃厚なコクが同時に味わえる。

ライスの代わりかな、茹でられたじゃがいもも豚肉料理にはぴったりでした。

赤ワインと「コトレット・スハボヴィ」で53ズウォティ(2,300円)でした。
昨夜のバーのワイン1杯1,000円には驚いたけど、お値段は日本を少しインフレにしたぐらいのようです。

腹ごなしに、ビスワ川を渡ってみました。

ビスワ川は、クラクフの街を潤した後、ワルシャワ市街も流れ、最後はバルト海へ注ぎ込む、全長1,047kmポーランド最長の川。

トラム併用橋もあれば、サイクリング橋もあり。

うわ、ほんとに人が座ってるのかと思った。

川を渡ると、こんな街の名前、読めない。

異国を旅している気分。

プラハの時はほんとにとまどったけど、欧州の街歩きの楽しさが回復してきた。

地図も時計も見ずに、ひたすらあてもなく街を歩き続ける。

私にとって、こんな贅沢はない。

さっきの「コトレット・スハボヴィ」美味しかったな。

赤ワインも美味しかった。

夜も赤ワインにしよう。そんなことを考えながら、ビスワ川の遊歩道を散歩します。

行き交うトラムを眺めるだけのクラクフの午後

ストリートに立っていれば、どこにでも目に入るクラクフのトラム。

見ていると、プラハのような、レトロ感覚な車両は少なく、どれも車高が低めで精悍なスタイル。

この洗練された車両は、ポーランドが誇る鉄道メーカー「PESA社」製の「クラコヴィアク」と呼ばれるフラッグシップモデルだそう。

「クラコヴィアク」とは、「クラクフの人」という意味のようで、ほんとに、トラムさえ乗りこなせれば、クラクフのどこにでもいけるという感じ。

さすが、1882年に馬車鉄道として開業して以来、140年以上の歴史を紡ぎながら街の成長を支え続けてきた「動く文化遺産」です。

ブルーだけでなく、実は様々なカラーリングが施されたクラクフのトラム。

そんな、トラムに感心しながら道を歩いていると、おや?
これはサクラですか?

へえ、まさか、ポーランドでサクラに出会えるなんて、と思ったら日本料理店でした^ ^

回廊のような鋪道。

どこにでもトラムが登場します。

クラクフにおいて、トラムは市民生活において、切っても切れない歴史背景もあります。

第二次対戦中のナチス・ドイツの占領下において、一般のバスや自家用車はすべて軍に徴用されてしまいました。

そのため、トラムは市民にとって「唯一の移動手段」。
大切な市民の足として、トラムがフル稼働するストーリー。

クラクフには地下鉄がありませんが、これはあえて選択された歴史。
1990年代、急増する交通需要に対応するため地下鉄の建設が計画されましたが、莫大な資金難に直面し、地下鉄計画は中止されたという経緯がある。

そこで、クラクフ市は、既存のトラムを徹底的にアップグレードする「クラクフ・ファースト・トラム」を計画。

クラクフ中央駅の地下など、大混雑する中心部だけを部分的に地下トンネル化し、地上では信号優先システムを駆使。

低コストながら、地下鉄並みに速い超効率的なトラム網を作り上げたという、トラムはクラクフの誇りだそうです。
見てると、たしかに、誰がどうやってポイントを操作しているんだろ?
と思うシーンがたびたびあります。よくぶつからないもんだ。

そして、この低い車高。雪の季節に来たら、ラッセル車みたいになりそうだ。
冬にも来てみたいね。

ヴァヴェル城のふもとまで戻ってきました。

時計を見れば18時。日没は20時過ぎなので、夜まで少しホテルで休みますか。

水はサイダーかそうでないかを選ばなくてはならない。
そして、ラズベリー&ミントのジュースは常温で売られていて、氷も買う必要がある。

そして、クラクフのホテルにはエアコンがありません。
いろんなことを考えながら行動する必要があり、それがまた旅を楽しませる。
これが最高に楽しい異国の旅。
