【ノルウェイ】4日目(その1) 北極圏を走る列車の車窓から

列車は、北を目指して心地よく走っています。

へんな話ですが、本当に夜があるのか見たくて、夜中の1時に起きました。

というのも、北欧に来てから、まだ暗い夜を見てないから。

一昨夜のホテルもベッドに入ったのが22時過ぎ、まだ明るかったし、目を覚ました5時過ぎには、とっくに日が昇ってました。

それで、深夜1時に目を覚ましたのですが、漆黒の闇の中を列車が走り続けていて、なんとなくホッとしたのを覚えています。

 

そして、これは、午前3時の車窓です。

日照時間が長いというのは、私のような外の景色を見たがる旅人を誘惑する、悪友のようなもの。

睡眠不足になることはわかっていても、景色を見れるのに見ないのは、罪悪感をともなうんです(笑)

スウェーデン北部の美しき車窓  

本格的に日も昇ってきました。これが、午前5時ごろの景色。

シベリア鉄道に乗ったときを思い出すような、北の平原です。北緯も60度を超えています。

空と雲が近い。パープル色の雲が、なんともいえない美しさ。

地面と空気中の気温差があるんでしょうか。湖沼からは、水蒸気があがっています。

窓から吹き込む風は冷たいですが、周囲のコンパートメントは、みんな扉を閉めて眠っているので、遠慮は要りません。

窓から顔を出して、絶景を楽しみます。列車の旅というのは楽しいですね。

目が覚めてから、ずっとこんな感じの景色が続いてます。野生動物なんかも見えるのかな。

 

久しぶりに現れた町。mapsmeで見ると、ボーデンのようです。

列車はスピードを落として、駅の構内に入ります。

ボーデン・セントラル駅です。

ボーデンは、この列車のようにここから北西に進路をとり、ノルウェイとの国境を目指すルートと、東に向かいボスニア湾に面したルレオに向かうルートの分岐点。

したがって、交通の要衝ではありますが、町の規模は小さく、人口3万人もいない小さな町です。

駅も小さくかわいらしいですね。

ここは北緯65度。まさに北極圏(北緯66度33分)の手前の町でもあります。

現在、午前6時半。列車はここで10分以上停車しています。

ガクンと揺れたりしてるので、ひょっとして、列車を切り離しているとか。

ルレオ行きの車両がつながっていたのかも知れません。

ボーデンを発車した列車は、北西へ向かって走ります。

たぶん、すぐに北極圏に入ったことでしょう。

なにか、オベリスクのようなものあるかな、と期待してましたが、見当たりませんでした。

見逃しただけかもしれないけどね。

はじめて見る北極圏の大地

北極圏に入るのは、生まれてはじめて。大感激ですが、特に線が引いてあるわけでもなく、観念だけで感動しています!(^^)!

北極圏ということは、真冬は、ずっと太陽が出ないんだよね。

この景色を見てると、とてもそんな風には思えないんですが。

 

列車が速度を落とし、イェリバレという駅に到着。午前9時少し前です。

けっこう乗客も降りていきました。

列車は北の果てを走っているはずなんですが、景色は目まぐるしく変わります。

湖沼が現れたり、

針葉樹林のまじった平原になったり、

 

また、湖沼が現れます。

その湖沼を隠すように、大規模な操車場が登場。

 

鉄鉱石を積み込むような貨車も登場。

ここが、スウェーデンの北の果て、キルナ鉄山のあるキルナです。

中学の地理の授業で習いますね。

キルナ鉄山で採掘された鉄鉱石は、冬は不凍港のナルヴィクから積み出されると。

その、キルナに到着です。意外でしたが、乗客はかなり降ります。

 

停車時間が何分なのかわかりませんが、私もホームに降りてみました。

ここが、本当に北極圏なのかと疑いたくなるような爽やかさ。

でも、紛れもなく北緯67度80分の北極圏です。

私は、Tシャツ1枚にブルゾンを羽織ってホームに降りましたが、日差しがまぶしいくらい。

思いっきり、北極圏の空気を吸います。

 

駅のすぐ裏手には、あれはスキー場でしょうか。

キルナ駅を発車。

びっくりしたことに、この駅から、列車の進行方向が変わりました。

つまり、窓の開く通路側が進行方向右側。ノルウェイのフィヨルドの見える側です。

これはサプライズ! ラッキーです。

通り過ぎるキルナ駅のホーム。

キルナを発車した列車は、大きく弧を描きながら、北極圏をナルヴィクに向けて走ります。

このあたりから湖沼が連続します。

 

道路も平行しています。気持ちのいいドライブでしょう。

進行方向右側に広がるトーネ湖。対岸の山肌には雪も少し残ってますね。

 

贅沢を言うようですが、5月か6月ごろ来れば、もっとインパクトのある景色だったのかもしれません。

晴れ渡る空に照らされる森と湖。

冬季には、太陽が出ない闇に包まれるなんて、とても信じられません。

しばらく、窓からアタマ半分出して、絶景を楽しみます。

 

冷たい風が吹き込んできますが、なんと、私の車両には、もう誰も乗っていません。

 

水も透き通ってるのがわかります。

  

午前11時20分。アビスコ国立公園の入り口になるアビスコ駅に停車。

アビスコ国立公園は、北スウェーデンの国立公園で、夏はトレッキング、冬はオーロラ鑑賞を楽しめる、アウトドア派に人気のある公園です。

乗客もかなり降ります。

 

少し移動して、アビスコ・ツーリストステーション駅に停車。

ここは、文字通りの公園内の駅で、すぐにでもトレッキングにかかる乗客は、ここで降りるようです。

  

アビスコ駅を発車した列車は、またしばらくトーネ湖に沿って走ります。

 

トーネ湖が消えると、今度は湿地帯を走ります。

登場する景色が素晴らしすぎるので、朝起きてから、通路に立ちっぱなしです(笑)

1人用コンパートメントはもったいなかったな・・・

国境を越えてノルウェイへ

地図によると、カッタリヨックの町。もう、ほんとにスウェーデンの北の果て、ノルウェイとの国境ももうすぐです。

そして、少し走って、リクスグレンセンという駅に停車。

スウェーデンとノルウェイの国境。スウェーデン最北端のスキーリゾート地だそうです。

冬は、どんな感じになるのかな。 箱庭のようなリゾート地です。

この駅で、スタッフが乗り込んできました。

この駅を出るとノルウェイに入るので、国境の管理官かなと思ったんですが、寝台の片付け係りでした。

入出国手続き等も何もないまま、列車は国境を越えます。

列車での国境越えは初めての経験ですが、何のチェックもない国境越えも初めての体験。

国境にオベリスクのようなものがあるかなと、目を凝らしていたんですが、見つけられず。

 

ノルウェイに入ってすぐ、ビョルンフィエルという駅に停車。男が一人、所在なげにしています。

車窓から眺めるフィヨルド

ノルウェイに入って、心なしか、岩肌が多くなったような気がします。

とにかく、これでノルウェイ入国。海外渡航34カ国目です。

時刻は12時を回りました。終点のナルヴィクまで、あと1時間足らずです。

 

この、ストックホルムからはるばる20時間走り続けてきた列車。ハイライトは、ナルヴィクに到着する直前にあります。

ノルウェイといえば入りくんだ入り江にフィヨルド。

そのフィヨルドを眼下に見下ろせるんです。

なんか、フィヨルド出現を思わせる景色になってきたな。

 

列車が、ただ岩を掘り抜いただけのトンネルに入っていきます。

そろそろかな。

お、少し見えました。あれがフィヨルドでしょう。

 

入り江の水が、少しづつ、現れます。

 

これは絶景です。

切り立った崖と水の見事なハーモニーです。

  

水深の深さを感じさせる濃い水の色が際立ちますね。

列車は、崖の上を駆け下りています。この、オフォトフィヨルドの付け根に、ナルヴィクの町があります。

 

北極圏の大地にフィヨルド。

いろんな旅行記を読むうち、自分はいつ、そういう場所に行くことができるんだろうか、などと考え込んでしまう時期もありましたが、結局は、自分がそういう行動をいつするか、ですね。

ほんとに、現役サラリーマンのうちに、ノルウェイのフィヨルドを見下ろすことができて感無量。

はるばる、こんな遠くまで来ることができて、哲学的になってしまいました。

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