待つこともなくタクシーが来てくれて、ほっと胸をなでおろします。
せっかく、アテネで際どい飛行機とバスの乗り継ぎを成功させたのに、デルフィ見学の時間がありませんでした、では、何やってるんだかわかりません。
世界遺産デルフィ 弾丸見学
クロアチア人とバンガロースタッフに手を振って別れます。
タクシーは、デルフィの小さな町を横切り、反対側まで行ってクルマを止めました。
ここが遺跡の入り口。
バスが止まった場所から、ちょこっと反対に歩けばすぐ着いたものを、私は、必死になって、町を横切って向こう側まで行ってしまったんだね。まったくもって、間抜けなハナシです(笑)
タクシー代は5ユーロ。運転手も、ここから登って、あちらへ行くと、一番ラクだぞ、とか、親切な町です。
チケットを仕入れます。時刻は14:20。あと1時間40分あるから、なんとか遺跡の見学はできそう。
12ユーロでした。窓口のお姉さんは、「コンバイン ミュージアム」と繰り返します。
博物館入場料も含まれてるということね。ありがとさんです。
さあ、いよいよ世界遺産のデルフィ遺跡。
ローマ時代のアゴラ
この辺は、ローマ時代のアゴラ。
交易や商業の中心地だったらしい。
どんどん登ります。
眼下にピンドス山脈の山並みが広がります。
とにかく登る。けっこう疲れます。
アテネ人の宝庫
途中にあるのが、アテネ人の宝庫。
マラトンの戦いで、アテネ軍がペルシャ軍に勝った、その感謝のしるしとしてアポロン神に捧げた宝庫とのこと。
「マラトンの戦い」懐かしい! 学校で習ったよなぁ。
それにしても、復元とかしてないんだろうか?
だとすると、ペルシャ戦争のマラトンの戦いって、紀元前490年だから、2500年も前の建物?!
(再建だよね)
さて、アテネ人の宝庫を過ぎて、さらに上に登ります。
アポロン神殿が、少し姿を見せています。
こういうの、触ってもいいのかな?
まだまだ登ります。
神殿の手前の祭壇かな。
これは、何だろう??
踏み絵のような石版。
アポロン神殿
アポロン神殿は、こんな感じだったんだろうね。
当時のギリシアの人たちは、自分たちの住むこの地を世界の中心として疑わなかったらしい。
それも、平らな地球の。
その後のヘレニズム時代のアルキメデスが地球球体説を唱えている。
なんか、スケールが大きいよな・・・ やっぱり、来てよかった。
アポロンとは、ゼウスの息子の名前。
これも、すごい話。ゼウスなんて、本当にいたの???
なんか、原型的なものを残してる建物もあるし、すごい世界。
神のお告げで、生贄になった人も多数いるんだろうな。
さらに上に上がります。
神のお告げで、国の政治をも決定していたといいます。
疲れを忘れさせる絶景。
実際、このあたりで引き返す観光客も、けっこういます。
やっぱり、旅は、体力のあるうちにするものです。
古代劇場
そして、アポロン神殿の上にあるのが古代劇場。
この円形型劇場を、私がはじめてみたのは、3年前のトルコ・エフェソスのものでしたが、起源的にはこちらの方が古いでしょう。
基本的に、演劇場だったようですが。
さらに上に登り、古代劇場を見下ろします。
これまた絶景!
それにしても、美しく円を描けるものです。
2500年前の建造物。日本が、まだ稲作もはじまってない頃ですよ。
ほんとにすごい遺跡だ・・・
この山々は、冬は雪化粧するのかな。
吹いてくる風は、涼しく爽やかなんだけど、一生懸命歩いてるから汗びっしょりです。
さらに上へ。
このあたりまで来ると、健脚組みだけで、引き返す人も多数。
でも、この上にはスタジアムがあります。
つかのまの下り坂。もう、足がガクガクです(笑)
遺跡の頂上 スタジアム
そして、遺跡の頂上に。
おお、スタジアム。
どんなスポーツが行われていたんだろう? タイムマシンがあったら見てみたいね。
神秘さを感じさせる観客席。
席というより、立つ場所?
座るとしたら、お尻が窮屈に見えるけど。
でも、こんな古い遺跡。よく残っていたものです。
あの洞窟みたいな入り口は、何だったんだろう?
10分で駆け下ったデルフィ遺跡
時計を見ると15:20。
バスの出発まで、あと40分。
偉大な歴史を刻んだギリシア帝国に申し訳ないけど、ほんとに私は弾丸で風のように去ります。
それでも、やっぱり、古代遺跡めぐりは楽しい。
さて、下りますか。ふもとまで10分で行けるかな?急いで下りましょう。
バスの出発まで、あと40分。目標は、ふもとまで10分。
それにしても、永年の世界遺産を前に、何やってんだか(笑)
そして暑い! のども渇いた!
しかし、飲料水を持たずに上に上がりました。
これも毎度のこと。何やってんだか(^^)v
急いで下るとはいっても、石畳はけっこう滑るんだよね。
気をつけて歩くので、足の筋肉が痛い。靴もボロボロです。
アテネ人の宝庫まで降りてきました。
そしてふもとへ。駆け足だったので、けっこう疲れた~・・
本来なら、こういう案内図とともに、のんびり回るべきなんだろうけど。
たった1時間の、デルフィ遺跡弾丸観光でした。
チケットオフィス横の自販機で喉を潤します。生き返ります。
そして、ミュージアムへ通じる遊歩道をたらたら。ようやく汗も引きました。
ミュージアムですね。今回は、時間もないので割愛。
ミュージアムの前にいたネコ。
微笑ましい家族連れ。
ところで、私には、ギリシア人とその他のヨーロッパ人の区別がまったくつきません。
だから、遺跡にいた観光客も、どこの人たちなのかさっぱり。
でも、さっきのクロアチア人も、遺跡にいた人たちも、グーグルマップを操ってた。
空港で、シムでも入れ替えてるんだろうか?
デルフィの町から眺める絶景
デルフィの町に通じる道路に出ました。これは、アテネ方面を向いています。
デルフィの町に戻ります。少しくらいは、町を歩く時間あるかな。
おーッと、ここでも絶景!
こんな高いところに町を作って、不便じゃないかなとおもうのは浅はかかな。
おかげで、城壁を作らなくても、外敵を気にする必要がなくなるということなんでしょう。
でも、クルマのない時代の苦労が偲ばれます。
なんのモニュメントだかわからず。
コリンティアコス湾を臨みます。
荒々しい地形です。その中でも緑の部分は、オリーブ畑でしょうか。
町の入り口に到着。
しかし、ほんとにすごいとこだよね。
空港に朝着いて、午前中のバスに乗れて本当によかった。
楽しそうに談笑する観光客。
町歩きに行こうと思ったけど、時間もないし、背中の荷物も重いし、どこかでお茶でも飲めればいいかな。
バスストップの反対側にあるCafeに入りました。
お茶、なんて言ったけど、この暑さはやっぱりビールでしょう。
周りのテーブルでも、みんな飲んでるし。
私と違うのは、私はビールだけだけど、欧米観光客は、ポテトフライとか、イカのリングフライとか、揚げ物が大量に盛られた皿を真ん中において、みんなでつまみあってる。
まあ、町とはいっても小さいし、お土産屋さんめぐりみたくなってしまうでしょう。
ここで、ビールを飲みながら、道行く人を眺めてるのも楽しいです。