ホテルの朝食&世界遺産遺跡の丘から眺めるペンジケントの街並み

そういえば、タジキスタンはイスラム教国家なのに、昨日から一度も町に響き渡るアザーンを聞いてないな・・・

なんて考えながら目を覚ましました。

昨夜は疲労でぐっすり眠り、そして爽やかな目覚め。

散らかったテーブルの上に目がとまり、昨夜は食事の代わりにチョコパイですませたことを思い出しました。

午前6時のペンジケントは夜が明けてます。

そして気温は20度。

うわー、昨日の日中は35度くらいまで上がってたのに、朝晩はこのくらいまで下がるんだ^ ^

さすが大陸性気候。すぐに出かけたくなりました。

「ウマリヨンホテル」の朝食

さて、出かける前に朝食です。素敵なカーペットの上を歩いて上階へ。

厨房をのぞくと、フロントの少年の母親のような方が、宿泊客の朝食を調理してました。

まだ、朝食開始の時間には早かったのに、愛想よく向かい入れられ、コーヒーをご馳走になります。

ありがとう!

そして、運ばれてきた朝食。

うわ、豪華な朝食ですね。

1泊4,000円で朝食付き、の朝食とは思えない。

こういう素朴な朝食が私は大好きだ。

昨日バザールで見かけて、美味しそうなブドウだな、と思ってたら、まさか翌日の朝食で再会。

美味しすぎて、あっさり完食。ブドウのファンになりそうです。

まあ私は赤ワイン派だから、ブドウは体質に合ってるのかも。

美味しい朝食ごちそうさまでした。

あれ?昨夜食べたチョコパイもでてきたね・・・偶然?

部屋に帰ってきて、何してるのかというと、足をケガしました。

サンダルのかかとを擦りながら歩いてたんだけど、なにかヌルヌルするな、と思ったら、私の血でした・・・

とりあえず、日本から持ってきたありったけの絆創膏をはって応急処置。

サマルカンドに着いたら、病院探したほうがいいかな・・・

徒歩でペンジケント遺跡へ

では、少々足に気を遣いながら、遺跡に向かいます。

ペンジケントの遺跡は町の南側にあり、歩くと40分くらい。

平日の朝だから、学校が始まってました。

露店も準備中。

オフラインモードのGoogleマップをたよりに歩いてます。

あの丘の上が遺跡みたいですね。

私のカメラをみて、「撮って!撮って!」とせがんできた少年。

UPするのどうかな、と考えたんだけど、あまりにも美しい表情だったので掲載させていただきます。

良い人生を!

さて、途中から道がなくなります。

人もいなくなるので、ほんとにここでいいのか、道を間違ってないか、ちょっと不安。

ありがたいのは、日差しは強いんだけど、そんなに暑くないこと。

着きました。世界遺産の入り口なのに、すごく単純なゲート。

「中央アジアのポンペイ」アンシャント・ペンジケント

まったく人気がありませんでしたが、中をのぞくと女性とおじいさんがいました。

30ソモニ払って、中に入ります。

この世界遺産。情報に乏しく7〜8世紀ごろまで栄えていたソグド人の都市国家遺跡。

それが20世紀に入って農民に発見され、1300年もの間、地中に埋まっていた遺跡として「中央アジアのポンペイ」などと言われてるみたいです。

だから、この展示物は、その出土品ということなんでしょう。

これは、何を表してるのでしょう?

地中に埋まっていたとはいえ、よくぞ、こんなに状態が良く保存されていたものです。

逆に、地中に埋もれてたからこそ、当時のまま残っているのかもしれないね。

町として生きながらえていたら、おそらくモンゴル帝国に絶滅されていたことでしょう。

ここから50キロ程度のサマルカンドなどは、チンギスハンに壊滅状態に追い込まれたそうですから。

館内はとても小さいですが、周囲の壁には壁画が飾ってあります。

8世紀だから、古代ではなく、ある程度文明も進んだ時代のものだから、かえって興味深く感じる。

これなんかは祭りのシーンのように見えます。ソグド人は宴会が好きだったのかな。

ヒゲがあるから男でしょうけど、あご髭までつければ聖徳太子に見えないこともない^ ^

この地図も当時の??

私がドウシャンべから通ってきた道が、くっきりと記されてました。

帰国後に調べたら、ここにあるのはほとんどレプリカで、本物はロシアのサンクトペテルブルクの博物館に展示されているそうです(^ ^)

へへへ・・・素人に見わけがつくはずもないです

遺跡の丘から眺めるゼラフシャン山脈&ペンジケントの町

では、丘の上に登ってみましょう。

掘り起こされたとはいっても、ペルセポリスのようにきっちりと遺構が残っているわけではないです。

だから素人目には、ただの原野のように見えますが、

たしかに、都市を構成していたような土壁が。

722年にアラブ人が攻めてきて、ソグド人は町を捨てて逃げたそうです。

そして、この遺跡の下には、さらに古い5世紀ごろの遺跡があるとか。

学者の方々なのか、遺跡を傷めないよう、ていねいに掘り起こしている姿がありました。

その遺跡の丘から北の方角を眺めると、

ペンジケントの町が広がります。

実は、ここに来たかったんです。

私は世界遺産の遺跡よりも、こちらのほうに感動してしまった。

ドウシャンべからペンジケントまで、いくつかの集落を見かけたけど、家の作りがまったくそっくり。

スレート葺っぽい屋根が並び、そして民家には3階立て以上の高い建物がない。

ゼラフシャン山脈にゼラフシャン川もくっきり拝めます。

風もなく物音ひとつしない、時が止まった感覚。

悠々何千年のシルクロードの町を見下ろして、自分の存在がまことに小さく見えます。

まったく雨が降らないのに、緑が多いというのも不思議だな・・・

実は、この丘、昨日の夕方に来ようとしていたんです。

ところが、さきほどのミュージアムが18時で閉館だったので、予定を変えて、本日の早朝に来ました。

光が背中から照らしてくれるから、結果的によかったのかも。

本日の予定は、あの川の流れとともに西へ向かい、国境を越えてサマルカンドに行きます。

シルクロードの旅が、まだ続くことに幸せを感じる。

三蔵法師はサマルカンドにも立ち寄ったというから、あのあたりも通ったのかな・・・

それにしても、自分の部屋の窓の眺めにしたくなるようなペンジケントの町並みでした。

では、遺跡にさようなら。