機関車が引っ張る客車だから、よりねじれを感じるポイント上の通過。
ガチャガチャとこきざみに車体を揺らしながら「ゴルナ・オリャホヴィッツァ」駅に到着です。
さて、この「ゴルナ・オリャホヴィッツァ」駅。
チケットでは列車番号が変わっています。乗り換えが必要なのか、それとも単に列車番号が変わるだけなのか、ちょっと注意を要します。
「ゴルナ・オリャホヴィッツァ」駅での車両切り離し
半信半疑のまま・・とはいえ、20分以上もあるので、ゆとりをもってホームに降ります。
なんか、下でガチャガチャやってるぞ。ひょっとして、車両の切り離し?
駅員さんに聞くと、ルセ行きは後部3両。前方の車両は、どこか違うほうへ進むとのこと。
「違うほう」がどこなのかは、聞き取れませんでしたがw
すなわち、最後尾車両に乗っていた私は、乗ったままでよかったわけだ。
安心して、切り離し作業を見学します。
サンライズの連結作業より、こちらのほうが数倍面白いと思うが・・
※サンライズのチケットを確保できなかった負け犬の遠吠えです(^^)
切り離された前方の車両が別の土地に旅立っていきます。
客車の切り離しって、旅情がわくよなあ。
私が乗るのは、ルーマニアとの国境の町ルセ行き。ここから約2時間の旅です。
発車までホームを散歩。
ルセ行きの発車を待つ人たち。
隣の列車。機関車が客車を引っ張るって、鉄道の原点のような気がする。
なんか、すごくカッコいい。
おや、わが列車をけん引する機関車が近寄ってきました。
機関車の付け替え作業があるから、機関車の必要のない電車のほうが効率はいいはず。
でも、私の旅履歴だと、欧州、中国、台湾など、基本的に機関車がひっぱる形式。
なぜだろう?
でも、そのほうがカッコいい(^^)
機関車の武骨な機械美には、エクスタシーを感じるw
ふたたび連結作業。
日本では、こんなシーンはほぼみられない。
効率性を優先するあまり、日本のGDPが上がらないのは、それが理由のような気がする。
機関車がついて完成したルセ行きの462列車。
引っ張る車両が、たった3両じゃ、力を持て余しちゃうだろう。
さて、まだ時間があるので、もう少しホームを散歩。
ここ「ゴルナ・オリャホヴィッツァ」駅は、いわゆるジャンクション駅で、駅は大きいけど町があるわけではない。
ヴェリコ・タルノヴォなどの観光地へ行く場合も、ここが乗換駅になるみたいです。
だから、構内には側線がいっぱいあるけど、人はいません。
私が乗ってる最後尾の車両。
線路上を自由に歩き回れるのも、諸外国らしいところ。当然自己責任が問われます。
製造してから一度も洗車機にかかったことがないような外観。
それでも、丸みをおびた屋根が美しいな。
では、発車時刻が近づいてきたので、乗り込むとしましょう。
同室だった男女はここで降りたのかな。
コンパートメントを独り占めです。
8人を収容するコンパートメント。
ひとめで欧州の車両ということがわかりますが、この構造は、家族や親類での移動が基本という文化から成り立ったのかな。
通路側の窓を降ろして外気を取り込みます。
発車するルセ行き3両の客車
ブルガリアは大陸性気候。2月のこの時期、朝晩は氷点下まで冷え込みますが、日中は15度くらいまであがります。
だから、風がない穏やかな今日のような日は、暑いくらいに感じます。
窓を開けたまま列車は発車しました。野良犬にさよなら。
長大な貨物列車にもさよなら。
窓から吹き込む風が気持ちいい。
まさか2月のブルガリアで、窓を開けて日光浴を楽しむとは思わなかった。
列車は北へ進路をとり、国境の町ルセに向けて進んでいきます。
ガラガラな列車ですが、いちおうほかにも乗客はいる。
こういう列車に乗ってトイレや食堂車に行くときは、キャリーは鉄骨に南京錠で結びつけ、貴重品バッグは常に携帯して行動。
海外の列車旅では基本ですが、ひとり旅の唯一不便なところかな。
清潔なトイレでした。
最後尾車両なので、しばらく後方に流れ去っていく景色を楽しみます。
このあたりの様子はこちらです。
ルセ行きタイムスケジュール
駅 | 時刻 |
---|---|
Gorna Oryahovitsa(462) | 11:25発 |
Polski Trambesh | 11:55 |
Byala | 12:09 |
Borovo | 12:28 |
Dve Mogili | 12:42 |
Ivanovo | 12:58 |
Rousse | 13:20 |
ルセまでは、約2時間。
貸し切りのコンパートメントで、ドナウ平原の景色をたっぷり楽しむとしましょう。
ドナウ平原を快走する列車
列車は快い速度で、北へ走ります。
窓外は基本的に平原が広がりますが、ときおり集落が現れたり、
農村が現れたりします。
牧畜でもしてるのかな。ヨーグルトの国ブルガリアですからね。
窓が開くので気持ちいい。しかし、手で押さえないとしまってしまう。疲れるw
おお、サイロが現れました。
やっぱりブルガリア。農業王国ですね。
側線が広がると、
駅が近づきます。
ポルスキ・トルンベシュ駅。人口わずか5千人の小さな町。
でも町に温泉が湧いているそう。
それにしても、素敵な景色だ・・
この広々とした感覚。いつ以来だろう・・・
ふたたび現れた農村。
やっぱり牧畜のようです。
のどかな列車旅。コンパートメントを一室借り切って、心は豊。
日本での忌まわしい出来事など、忘却の彼方へかすみ飛ぶ(^^)
日本が忌まわしいんじゃなくて、日常生活がうっとおしいんだよなw
はやく、そんな日常から解き放たれたい・・
おそらく農作物を運ぶ貨物列車。
また小さい町、ブヤラ駅。
人工芝じゃあるまいし、よくぞこんなにきれいに手入れができるものです。
土壌部分も、まるでグラウンドのように整備されてます。
ソフィアからルセへの移動。
直前まで、鉄道にしようかバスにしようか迷ってたけど、鉄道にして正解だった。
バスのほうが1時間ほど早く着けるんだけど、コンパートメントを借り切って、こんな雄大な景色を眺められるなんて、めったに経験できることではないです。
気分がいいのは、私だけではないらしい。
窓が開く列車は最高だ。
おや、対向列車。ソフィア行きかな。
わが列車と同じく3両編成のようです。
ボロボという駅でした。やっぱり駅員さんは女性だね。
ふたたび広がる穀倉地帯。土の色が農業国を物語ってる、そんな気がする。
地平線が見える景色も久しぶりだ。
方角からいって、この先には黒海があるはず。200㎞以上先でしょうけど。
19年前にはじめて海外をひとりで旅した、シベリア鉄道の景色を鮮明に思い出しました。
旅って、しておくものだよな・・
ふたたび駅。
ドゥベ・モギリ駅。人口4千人の町。
ドゥベ・モギリの町並みでしょうか。
箱庭といった感じです。
ルセが近づいてきました。
ルセの滞在は半日。小さな町ですが、その間に町らしいところをひと通り歩きたい。
貸し切りコンパートメントの中で、ルセの町の予習です。
このあたりの様子はこちらです。