さて、バーレーンの首都マナーナ街歩き。
ホテルがマナーナスークの近くにあるので、歩き出すといきなり下町ムード満点ですが、スークが本領を発揮するのは日が沈んでから。

なので、16時にはクローズしてしまうモスクに向かってUberを呼びます。

バーレーン最大「アル・ファテ・グランド・モスク」

ダウンタウンからクルマで10分ほどで着いた「アル・ファテ・グランド・モスク」。

金曜は礼拝者で混雑するとのことでしたが、今日は木曜日。

とても、ひっそり。ゴミゴミしてたダウンタウンとはまったく違う雰囲気です。

8月のウズベキスタン旅で、モスクとは数多く出会ったけど、あちらは壁面に青の塗装やモザイクがふんだんに彩られてましたが、中東のモスクは基本的にシンプル。
中東を訪れた実感があらためて湧き上がります。

広い駐車場も本日はガラガラ。

では中に入ってみましょう。

入場料は無料なはず。そして、モスク入場の際のドレスコードです。

見事な回廊。

靴を脱いであがります。

と、ここで、守衛に呼び止められる。
あれ、なんかやっちゃったかな・・・と思ったら、ちょうど今、英語のガイドが始まったばかりだからジョイントさせてもらいなさい、とのこと。

モスクの中をのぞくと、あ、ほんとだ。

ガイドさんに、「日本人です、よろしく」と挨拶して、解説の続きが始まりました。

来るタイミングがピッタリでした。ラッキー。

ガイドさんの英語はネイティブそのものだったので、半分は聞き取れなかったですが、予備知識と合わせると、なんとなく言ってることは理解できます。

1988年完成の「アル・ファテ・グランド・モスク」はバーレーン最大。
7,000人以上が礼拝可能という、中東でも有数の大きさです。

2万人を収容できるというマスカットの「スルタン・カブース・グランド・モスク」よりは小さいけど、天井の高さがあるので、威圧感たっぷり。

ドームの重さは60トンもあるとのこと。
美しいだけでなく、相当緻密な建築学に基づいて設計されたのでしょう。
建設を指揮したのは当時の国王 シェイク・イサ・ビン・サルマン・アル=ハリーファ。
「民族の結束を象徴する拠点」として、王家によって建てられた場所です。

白い石造りのドームの下は、光を柔らかく落とす内部空間設計。
カーペット、シャンデリア、装飾はトルコ、イタリア、インドなど 湾岸を超えた複合的文化の結晶だそうです。
カーペットがトルコだったかな、さすがに、何がどこから、までは聞き取れませんでした^ ^

ドームの真下に立って、礼拝堂の正面を向きます。

そこに必ずあるのが、礼拝堂の壁のへこみ「ミフラーブ」。
メッカのカーバ神殿の方向を示しています。

この一点に向かって 世界中のムスリムと同じ方向へ祈るという行為が、バーレーンの宗教的アイデンティティを支えているんですね。

ひととおり解説が終わったところで、なんと映像による補足がなされました。

バーレーンのモスクは「イスラム教について知らない旅行者にも開かれた場所」。
それは、日常的にガイドツアーが実施されているからかもしれません。
ひょっとしたら、ガイドなしでの見学はできなかったのかも。

ドームの下にはコーランが7,000冊も保存されているそうです。
ただし手触り厳禁。ムスリムの方もそうなのかな・・・

物音ひとつしないモスクの中。
街の喧騒とは別の時間の中にあることを実感しました。
ムスリムでない私には、宗教的厳粛さもさることながら、人が「心を整えるための場所」としての重さが胸に広がるようでした。

外に出て振り返れば、ドームにミナレットが美しい。
まだバーレーン到着から3時間ですが、中東の旅がはじまった気がします。
