火の神の住む聖なる山ブロモ山 午前0時発日の出鑑賞ツアースタート

今まで、何度か現地のオプショナルツアーに参加したことがあるけど、午前0時発というのははじめてだ。

というのも、東ジャワ随一の景勝地「ブロモ山」の日の出を見にいくツアーだから。

スラバヤからブロモ山の起点となるスカプラ村までクルマで2時間。

そこから4WDに乗り換えて小1時間。

コーヒーブレイクの後、徒歩でキングコングヒルと呼ばれるサンライズビューポイントに出向くので、そういったスケジュールになるらしい。

とはいえ、すごく楽しみな日程。

なんだかんだで、昨夜はANAビジネスクラス祭りで勝手に徹夜^ ^

疲れた身体にムチ打って、ホテルの部屋でひたすら目を開け続ける夜・・・

事故で遅れたプライベートツアー

というわけで、午前0時でも人がいるロビーで待つも、なんと待ち人来たらず・・・

外国では、ツアーのピックアップが時間通りに来ないことは珍しくない。

キューバでは40分待ったこともあった。

だから、つとめて冷静に達観して30分待つも音沙汰なし・・・

1時間たつも音沙汰なし・・・

いちおうメールを送ってみる、が返信なし・・・

そして、私のSIMは電話は使えない。

ホテルに頼んで、電話してもらうか・・・・まいったな、こりゃ・・・

と、途方に暮れかけた午前1時10分、ようやくドライバー兼ガイドがロビーに走りこんできた。

ソーリーを繰り返す若いインドネシア人とともにクルマに乗り込んで、1時間10分遅れで日の出鑑賞ツアースタートです。

やれやれ・・・

でも、こういうときは、短絡的に怒っちゃいけないんだよ

先方さんにも、なにかしら事情があるんだから

 

それで、「ワットハプン?」と聞くと、本来私をピックアップするはずのクルマが交通事故に巻き込まれ、ドライバーは重体とのこと。

寝ていたところ、ツアー会社から連絡があり、代わりにやってきたらしい。

あらら、そんな大変な事情でしたか・・・

「ところで1時間10分遅れちゃって、ツアースケジュール問題ない?」と聞くと、「ノーブロブレム」。

このあとクルマを4WDに乗り換えて、日の出スポットの待機拠点に向かうけど、そこでの待機時間を2時間ほどとっているらしい。なるほど。

予定通りならば、このツアーのスケジュールはこの通り。

それなりに余裕のあるスケジュールみたい。

そんな会話を交わしながら、クルマは夜のスラバヤの街を抜け、ブロモ山へのワインディングロードを快走します。

4WDに乗り換えてキングコングヒルへ

眠いはずなのに、なんとなく神経が高ぶって眠らないまま、クルマはブロモ山ふもとの村に到着。

ここでスケジュールにあったように4WDに乗り換え。

ここが乗り換え拠点の村らしく、両サイドに4WDが並ぶ道を駆け上っていきます。

ちなみに、この時点では、なぜ4WDに乗り換えるのか意味がわからず・・・

ちょっと、坂道が急になっただけじゃん・・

なんとマシンはダートコースを走りはじめました(^ ^)

しかも、飛ばす、飛ばす。

同じような4WDが何台もいるので、なかなか楽しいデッドヒート。

ていうか、事故は起こさないでよ。

そして、舗装道路に戻って、ひときわきつくなった坂道を登ること20分。

なにかのゲートを通過。

そして、ここからは歩くらしい。

ピンチヒッターのお兄さんについていきます。

時計を見れば、時刻は午前3時30分。

キングコングヒルでジャケットを借りる

さて、歩くこと15分ほど。

日の出鑑賞ツアー、共同待合所、みたいなところに出ました。

路肩に停められていた4WDの数から、かなりの観光客の数を想像してましたが、想像通り。

すごいね、ブロモ山って、こんなに人気があるんだ。

ここまで運転してきてくれたドライバーもなじみらしく、店の主人と楽しそうに会話。

私も会話に加わってみる。

「ここは、1年中観光客が多いのかい?」「YES」

「日本人は?」「レア」

レアとは直接的な表現だけど、日本人はブロモ山、ほとんど来ないそうです(^ ^)

そして、主人からコーヒーをおごっていただきました。

ドライバーのお兄さんは、ラーメンを食べはじめます。

と、ここで、コートを着てくるのを忘れたのを思い出した!

なんてこった、日本を出る時は寒かったけど、がんばってスラバヤまで着てきたのに・・・

しかし、案ずることもなく、ジャケットを貸してくれました。

ジャケットを着て人心地ついてると、ガイドのお兄さんが、ガイドらしくわかりやすい英語で、

「少し早めに出よう。特等席を案内する。日の出まで30分ほど待つけどOKか?」

というので、私はコーヒーをおいて立ち上がりました。

夜明けを待つ南半球の満天の星空

キングコングヒルの待合所から展望台の「特等席」までの道中。

それは、すごい光景だった。

足元はまったく見えないので、日本から持ってきたミニ懐中電灯が活躍。

ていうか、ツアー参加の必需品ということにはなっていた。

そんな、ほんの数十センチ先も見えない、文字通りの真っ暗な中、見上げれば満天の星空。

三脚持ってくればよかった・・・

こんな星空、いつ以来だろう・・・

キャノンR10では、暗すぎてピントが合わない。

そして、iphoneのナイトモードで、なんとか撮った力作。

お兄さんに「南十字星はどこかな?」と聞くと、知らないとのこと。

今まで旅してて、南十字星を見たことがない^ ^

そして「特等席」に落ち着きました。

「特等席」とは、少し崖を歩いて、さえぎるものがなく日の出を見れるスポット。

目の前には、金星が輝いてました。

そして、この右下の方角には、夜明けとともに、ブロモ山のクレーターとプナンジャカン山が拝めるはずです。

幻想的なプナンジャカンの光景

夜明け前。幻想的な光景に、寒さを忘れます。

標高は2500mくらい。2月のブロモ山は気温8度。

ジャケット借りれてよかった^ ^

明るくなるにつれ、さらに幻想的な光景が。

これはすごい・・・あさもやのように見えて、実は火山灰です。

ガイドのお兄さん曰く、灰が吹き出しすぎていてもダメ。

天候が悪くてもダメ。

雨季の2月に、こんなにはっきり見れるのは非常に幸運だ、とのこと。

実際、昨日まで、東ジャワは大雨だったらしい。

ツアーも案内したが、濃霧で何も見えなかったという。

昨日の飛行機から見下ろした泥土を思い出す。

眼下の雲海が流れて消えたり。ふたたび現れたり。

水墨画のよう。

ここは霊峰。ヒンズー教の山。火の神に手を合わせます。

あちらこちらから噴き上がる噴煙を見ていると、火の神が住んでいるということにうなずける。

スラバヤに来たのは、インドネシアのブルートレインに乗るため。

そのあと、後づけで、スラバヤの観光スポットを探して見つかったのがここ。

そんな、いい加減な旅動機で来てしまっていいのだろうか。

あまりに美しすぎた大自然にたいして申し訳ない。

罪滅ぼしに、ガイドのお兄さんに記念に撮ってもらいました。

そして、お兄さんに「さっきのダートコースがあそこなんだよ」と教えられる。

幻想的なクレーターを眺めていたら、東の空から太陽が。

明るくなって、あらためてみると、とても不思議な地形。

私は、こういう特等席にいたんです。

展望台まで戻りました。

暗くてまったくわからなかったけど、下界が見えてしまうと、さっきのスポットまで歩いていくのはコワイ。

こんな素晴らしい風景に出会えたことに感謝。

地球は奥が深い(^ ^)