バーレーンは島国。
首都マナーナのあるバーレーン島が最も大きい島であるが、その北東にある国際空港がある島。
いわばバーレーンの玄関口にあたるのがムハッラク島。
そして、ムハッラクという町は1923年まではバーレーンの首都だったところで、古い町並みが残っている趣のある場所。
それを生成AIが教えてくれたので、日が暮れる前にひと歩きしてみようと、Uberを呼んで空港に戻る形でムハッラクの中心に降り立ちました。
アザーンが鳴り響いたバーレーンの歴史地区ムハッラク

さて、適当なところでUberを降ろしてもらい、ぶらぶらとあてもなく散歩しながら、海岸の方に歩いていこうと思います。

歩きはじめて、ちょうど町じゅうに鳴り響きはじめたアザーン。

近くにミナレットがあるので、その音はとてつもなく大きい。

細い路地から大通りへ出ても、この礼拝の呼びかけが大きく響き渡ってます。

夕暮れの町にこだまするアザーンは、イスラム文化の風物詩。

2ヶ月前に訪れたウズベキスタンもイスラム国家だったけど、国情の違いから、あちらではアザーンを聞くことができなかった。
ということは、アザーンを聞くのは、2年前訪れたサウジアラビア以来。
中東の街こそ、夕暮れにアザーンがとてもよく調和すると感じるのは私だけだろうか。

アザーンの音にまじって、子供たちの元気な騒ぎ声が。

私はスポーツ音痴なのでサッカーのことは知らない。
でもこの子供たちはサッカー少年だろう。
バーレーンの平均年齢は、中央値が33.4歳。
日本の中央値は約50歳。バーレーンがうらやましくなる数字だ。
そう思うと、看板をつかさどるアラビア文字も、とても誇り高く見えてくる。

アラビア文字。よくあれで、表現できていると思う。
まさにアートを感じる芸術の域。

ムハッラク地区に太陽が落ちていきました。

とたんに涼しさを取り戻す街並み。こちらのスークもこれから賑わいだすのでしょう。

真珠採りの小舟とおじさんのお祈り

日が落ちたのをしおに海岸へ出てみると、暮れなずむバーレーン・ファイナンシャルハーバーが淡いパープルの空に浮かんでいた。
そして、小さく揺れる真珠採りの小舟。

先ほど歩いた歴史地区では、往時の面影はつかみとれなかったけど、この光景はまさに、国の近代化よりずっと前から、海の民が暮らしてきた図だ。

おそらく、真珠に限らず、海の幸を糧にしている漁民が朝晩活動しているに違いない。
ペルシャ湾では、どんな魚が獲れるのだろうか。

薄暮にかげりゆく摩天楼のライトに見とれていると、お父さんと小さな子が近づいてきて、海を前に静かに過ごしていた。
やがて男性は街の向こうに顔を向け、ゆっくりとお祈りを始めました。

その姿は、とても敬虔で美しかった。
私の目にはビルの光が映っていても、彼の目にはその延長線上にあるメッカのカーバ神殿が、きっとはっきりと浮かんでいるのだろう。
ひさしぶりに、けがれのないきれいな光景に出会えた気がする。

ひとり旅をしていると、ガイドブックにもSNSにも載っていない、こうした瞬間に出会うことがある。

そして、それは誰かに用意された観光名所ではなく、その土地に息づく「暮らしの断面」。

夜までの時間調整で訪れたムハッラクであったが、旅の序盤でもっとも胸を打つシーンのひとつになった。

さて、完全に日が落ちました。
賑わいはじめてるスークに足を向けましょう。
バーレーンの旅は、まだ続きます。
