2位 シベリア鉄道全線9,288kmの乗り通し
私を、旅に駆り立てるきっかけとなった旅。
この旅がきっかけで、旅が好きになったというわけではありませんよ。
旅は、子供の頃から好きでしたから。
この旅が、私に教えてくれたことは、サラリーマンでも工夫次第でバックパッカーのような旅ができるんだということ。
もっと飛躍して言えば、「夢というのは本気で願い続ければ必ずかなう」ということ。
この旅に出るまでは、2週間ほどの旅でも、「旅は老後にしかできないもの」と決め込んでいる自分がいました。
私はサラリーマン。
当時は、2人の娘も3歳。
そこに、15年ほど勤めたご褒美に、会社からいただいた特別有給休暇。
妻には手をついて、自由に使わせて欲しいと同意を取得。
一世一代の自由時間を手に入れた私がまず考えたのは、大陸を横断したいということ。
でも、「深夜特急」のように、あちこち街を訪れながら進むことはできない。
なので、なかば必然的に、「シベリア鉄道の旅」に落ち着きました。
「シベリア鉄道の旅」は、旅人なら興味のあるイベントの一つになるでしょう。
もちろん、私もその一人でしたが、会社勤務中に、それも30代で実現できるとは夢にも思わなかった。
この旅は、2つの「教え」を私にもたらしました。
- 一つは、旅は感受性豊かで体力もある若いうちにやったほうがいいこと。
- 二つ目は、実現不可能なものとの切り分けを行ったほうが、夢は実現しやすいこと。
一つ目はよしとして、二つ目は要するに、
- ユーラシア大陸を旅するなら、西の果てリスボンまで、空に舞い上がらずにたどり着くんだ。
- インドに行くときは、チベットのラサからヒマラヤを越えて行くんだ。
こんなふうなこだわりがあると、確実に、老後まで旅ができなくなるんです。
だから、無理してでも、シベリア鉄道の旅に出てよかった。
結果的に、この旅を皮切りに、老後まで我慢しようと考えていた一人旅を、若いうちに敢行しはじめたのですから。
シベリア鉄道の旅は楽しかった。
一週間乗ってるだけで何が楽しいの?と、思う方もいらっしゃるとは思いますが、とにかく楽しい。
一週間列車が走り続ければ、景色も文化も、人の流れも変わるんです。
たとえ、それがロシアという一つの国であったとしても。
長い時間、空間を共有する、動くドミトリーのような旅。宴会もはじまります。
異国の人と、こんなに長い時間話したことはなかった。
話をするのに、語学なんていらないんだな、と思った瞬間でもあった。
日本のサラリーマンで、シベリア鉄道全線を乗り通した人って、どのくらいいるのだろう。
この旅は、間違いなく私の旅歴において誇れるイベントの一つである。
シベリア鉄道全線乗車記のまとめ記事はこちらです。
1位 旅が理由の無断欠勤&遅刻がゼロ 病気もなし
こうして並べてみると、旅は冒険ですね。
サラリーマンにとって、命や家族の次に貴重ともいえる「時間」。
「時間」に対するシビアさなら、ビジネスマンは誰にも負けないと思います。
「自分の世界」を持っているビジネスマンは、そのシビアさがさらに深い。
そうしないと、自分の時間作れませんから。
だから旅は冒険なんです。
ところで、その、サラリーマンにとっての貴重な時間は、どのように生み出すのか。
これは「信頼」しかありません。
では、その「信頼」はどう作るのか。
地道に真面目に仕事をこなしていくしかないんです。
サラリーマンにとって貴重な「時間」。
これは端的に言えば「有給休暇」です。
この「有給休暇」を予定通りに取得できる。
そんなことは、ブラック企業でもなければ当たり前かもしれませんが、数ヵ月後に組み込んだ「有給休暇」スケジュールなんです。
ビジネスには突発的なことが往々にしてあり、「来週までに経営会議の承認をもらうことが必要になった」とか、「今週中に取引先と再交渉せざるを得なくなった」なんてことは、日常茶飯事です。
そんなときに、旅の予定が入っていた場合どうするか。
こころよく仲間や上司が私を旅に送り出してくれるか否かは、結局蓄積してきた「信頼」によるんです。
そして、この「信頼」は、弾丸旅行を何回も繰り返しても、ビジネスに何の影響も与えなかったからこそ生まれているんです。
わかりやすく言えば、旅行が好きだといっても、しょっちゅう旅帰りには遅刻したり欠勤したり、病気になって休んでいるようでは、信頼されません。
社会というのはそういうものです。
この考え方は、ビジネスの形態が変わっていっても、普遍的なものだと思います。
だから、この4年間で通算179日の異国生活ができたというのは、私の社会人生活に粗相がなかったという証。
やるべきことをしっかりやって「信頼」をつくり、そして「自由」を得る。
なんだか、申し訳ありません(*^_^*)
サラリーマンの苦労をエゴのように吐き出してしまいました。
でも私は、今まで、そうやって人生の履歴書ともいえる旅をしてきました。
これからも、「自由」と「時間」を得るために精進し、その旅の記録をこのブログに書き綴っていくつもりです。
最後までお読みいただきありがとうございました。