長野選手の広島カープ移籍に隔世の感

株式市場などの相場の格言に、

「強気相場は、悲観の中に生まれ、懐疑の中に育ち、楽観の中で成熟し、幸福感の中で消えていく。」

というのが、あります。

アメリカの著名な投資家の言葉らしいですが、私も個人投資家の一人ですので、この格言には、本当にうなずける。

直近では、リーマンショック後の数年が「悲観」にあたり、アベノミクスの初期が「懐疑」にあたるといえるでしょう。

すでに、私の相場観では、幸福感を強制終了させているので、ほぼ、ノーポジション状態。

現在は、遊びでやってるロボアドバイザー投資ぐらいが、相場との付き合いです。

 

 

いきなり相場の話になりましたが、世の中のすべての物事には、初めと終わりがあり、それらにはすべてバイオリズム的な流れがある。そして、人間の関わり度が強ければ強いほど、深い世界観となる。

私は、そう思います。

 

ところで、私の応援する「広島カープ」。

今思えば、暗黒のゼロ年代は「悲観ムード一色」。
「マツダスタジアム」が完成したのが、「悲観の中に生まれ・・・」の部分。

2016年、カープが25年ぶりのセリーグ制覇を果たした年も、多くのカープファンは、シーズン中盤ぐらいまでは、「懐疑」だったんじゃないかな。

鈴木誠也選手の2試合連続サヨナラホームランのあたりで、「懐疑」が解けたファンもいれば、私は「懐疑」が根深く?、マジックが一桁台になるまで、「懐疑」を払拭できませんでした(笑)

「懐疑」が払拭されれば、楽観そのもの(でもなかったけど・・・)。
あれよあれよ、というまにセリーグ三連覇。信じられないほどの陶酔感ですが、これが「幸福感」というやつなんでしょうね。

ところが、どっこい、人生何事もヘタに「幸福感」を味わうと、その先にどん底が待っているのが必定。

 

丸選手が、FA宣言で巨人へ移籍

これには、参りましたね・・・

巨人を選択した丸選手がどうのこうのではない。

FAは選手の権利、だとか、もっとカネを出せばいいとか、そんな教科書的なことはどうでもいい。

 

ただ、長年応援してきた選手が去っていく。そして、敵の主軸打者として、こちらを痛めつける。

ファンだったら、平静を装えるわけないですよ(笑)

 

ところが、そのやり場のない失望感を、いっきに吹き飛ばすニュースがやって来た。

 

なんと、

巨人の長野久義選手が、人的補償で広島カープへ移籍!

正直、これには驚いた。

 

今までカープファンやってて、一番驚いたニュースと言っても過言ではない。

そもそも、カープは、他球団の主力選手を積極的に獲得するチームではない。

過去に、当時横浜に在籍していた内川選手のFA宣言に対して、名乗りを上げたことがあったが、本気モードだったのかどうか・・・

横浜を自由契約となった石井琢朗選手の獲得は別として、主力打者の移籍なんて、高橋慶彦選手と高沢選手のトレードぐらいまでさかのぼらないと思いつかない。

 

そういうチームである(それがいいと思ってもいるのだが)、カープが、巨人が大好きで、2度も他球団のドラフト指名を蹴ってまで巨人に入団した生え抜き選手を獲りにいくとは・・・

 

私は、人的補償には、当然、若手のおそらく投手が指名されると思っていた。育成のカープである。

カープは、昔から、育成もドラフトも正攻法。ことビジネスにおいては、真正直といえるぐらい、狡猾なずるがしこさとは無縁だったように思う。

 

カープは、いつから、そういったプロっぽい戦略を練られるようになったのか。

カープは、セリーグ三連覇という偉業で、試合運びだけでなく、ビジネス戦略もプロ級になってきた。

長年カープを見続けてきたファンからしたら、隔世の感がある。

 

新井選手が引退したこともあり、経験豊富なベテラン選手の獲得は、チームにとって、計り知れない効果を生むに違いない。

個人的には、横浜から石井琢朗選手が来たときと同じくらいの喜び。

しかも、長野選手のコメントが素晴らしい。

「3連覇している強い広島カープに選んでいただけたことは、選手冥利に尽きます。・・・」

スポーツマンだ・・・

 

 

このニュースで、丸選手の喪失感がかなり癒されたカープファンも多いだろう。

私も含めて。

 

広島カープは、セリーグ三連覇を果たし、強いチームへの仲間入りができた。

他球団のスコアラーは、目の色変えて、カープ対策を練っているに違いない。

連続して優勝するというのはそういうこと。

 

ところが、ゼロ年代暗黒時代のイメージそのままに、せっかく育成した選手を引き止められずに流出させてしまった。

このことが、カープファンの虚無感や、失望感を、再び思い出させた。

なんだ、チームは強くなったかもしれないけど、あんまり変わってないよな、と。

ここ数年続いてきた「幸福感」が消えゆく感覚を、肌で感じたファンも多かったのでなかろうか。

 

しかし、そうではなかった。

 

巨人愛に溢れる長野選手。

誰もが認める巨人軍のスター選手でありチームの功労者。

いわば知名度全国区の選手を、広島カープは、世間の目を気にすることなく堂々と獲得しにいった。

 

ファンは、広島カープの球団としての自信を感じたのではないか。

また、四連覇、日本シリーズ制覇を目指し、幸福感を持続させようという球団の覚悟を感じたのではないか。

 

このことが、カープの選手やカープファンの長野選手大歓迎ムードにもつながっているのだと思う。

この強気な戦略は、カープの選手、他球団のペナント運び、FA戦略などにも、少なからず影響を与えるに違いない。

 

正々堂々とした強気な戦略は、見ていて気持ちいい。


しかし、長野選手。

今まで、巨人の選手の顔を真正面から眺めたことは少なかったが・・・
こんなに、カッコいい男だったんですか!

長野選手の入団会見を見て、私は、今年も「マツダスタジアム」に足を運び、スタンドから「チョーさ~ん!」と声援を送ってみたくなった。

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(去年、阪神戦を見に行ったときのオーダーを加工しました・・ヘタだ・・笑)

広島カープが引っ張る強気相場。広島カープ関係者の幸福感は、もうしばらく続いて欲しい。