炳霊寺169窟 2ヵ月ぶりの訪問者【蘭州旅行記 #8】

第171窟の摩涯大仏様の頭上を見上げます。

そして、その頭上にあるのが169窟。中国の石窟で最も古いものらしい。

特別拝観料は300元と高額ですが、ここを見ないと、炳霊寺に来た意味なしと勝手に解釈。

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特別拝観料300元の169窟を登頂

高さ40mの石窟まで、木製の階段が設置されていて、これを登って、169窟に対面します。

崖上では、写真撮影は禁止。

ただ、禁止とうたっているだけでなく、係員が帯同し監視するという徹底ぶり。

私1人の観光客のために、鍵を開けて招き入れてくれます。

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監視員、ガイドさんに続いて、私も階段を登りはじめます・・・

それにしても、すごい厳重さ。
天井裏に上がるようなフタにも鍵が。

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階段というか桟道は、しっかりしていて、歩いたぐらいではビクともしません。

しかし、この高さ!   目がくらみます!

ほぼ垂直に登っていくもんだから、迫力あります。

スリランカの、シーギリアロックを思い出しました。

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頂上に着くころには、私は肩で息をしています。

監視員も、ガイドさんも、息切れしてます。私だけでないことに少し安心・・

ここは、おそらく標高2,000m近く。空気も若干薄いのかも。

登りきった所には、天然の洞窟が広がっていました。

この場所で、何人ものお坊さんが修行に励んでいたとのこと。

 

写真は一切禁止とのことですが、この看板は、了解をもらってとりました。

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看板にあるように、西秦時代に彫られた三尊像や菩薩増が、そのまま残っていて、ガイドさんは、その一つ一つを丁寧に説明してくれます。

また、壁には、中国で高僧と呼ばれる僧侶の一人である法顕が描かれていました。

法顕が、この石窟に立ち寄ったときに残した法顕供養図などもあり、実はすごいところにきているのだと実感します。

それにしても、この壁画やレリーフの数々。
5ヶ月前にも、エジプトで無数のレリーフを目にしましたが、これは、歴史の国である証。

じっと見ていると、本当に時間がたつのを忘れます。
そして、足元からじわじわこみ上げてくる寒さで我に返る・・・

300元払って、こんな高いところに登り、寒さに震えながら、仏像を見つめる。

物好きだよなぁ・・・ 我ながら思います。

 

また下方を見やり、許可をもらって写真撮影。
よくまあ、この階段を登ってきたことです。

ちなみに、この169窟は、300元と高価であることと、体力的にきついこともあって、そもそも登ってくる人が少ないらしい。
このガイドさんが、日本人の老人グループを案内したときは、大多数が、途中で登るのを断念したとのこと。

やっぱり、旅は、現役時代にするものです。

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続いて、171窟の大仏様の頭の上をまたぐようにして、となりの172窟へ。

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172窟は、時代も変わり、北朝時代の末期。
仏菩薩三尊像が、ひっそりとたたずんでいました。

そして、周囲には、色落ちしていないのが不思議に思える鮮やかな壁画。

172窟は、169窟の洞窟ほど広くないので、ぐるっと見渡した後、ふたたび黄河の枯れ川を見下ろします。

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ここを、三蔵法師やマルコポーロも通ったんだろうか・・・

いつの間にか時が過ぎ、名残惜しいですが、そろそろ降ります。

あらためて、169窟の洞窟側に回り、下を見下ろします。
ほとんど垂直・・・

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登るときよりも、降りるときのほうが注意を要します。
慎重に足を踏みしめながら、ようやくふもとへ。

また鍵をかけ直す警備員に、ガイドさんから、ここを登る人はどのくらいいるの?と聞くと、
なんと私は2ヵ月ぶりの訪問者でした。

冬に来る人は、ほんとに物好きらしい。

警備員さんも大変ですよね、いつ来るかわからない観光客を待ってるわけですから、というと、給料もらってますからと、笑っていました。

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169窟&172窟 そして171窟

頭上を見上げます。

左側の洞窟が169窟。右側が172窟。あそこを歩いたんだよね。

そして、手前に堂々と構えているのが171窟。大磨崖仏。

彫られたのが803年で、見事にくりぬかれています。高さは27mとのこと。

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枯れ川に架かる橋を渡って、対岸に進みます。

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ガイドさんが写真を撮ってくれました。
この寒い中、丁寧にガイドをしてくれる、とても親切なガイドさんです。

私は、寒さで震えています(笑)

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ちなみに、相当な修復を重ねているとのこと。
よくみると左手がありませんが、現在の技術では修復不可能らしい。

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奈良の東大寺の大仏様の座高が15mほどなので、ひょっとしたら、身長は同じくらいか?

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雪が舞いだした炳霊寺

寝てる仏様がいるそうです。

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すごい石です。

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炳霊寺にいた涅槃像

これが、16窟、涅槃像。確かに寝てる。しかし、9mもの長身です。
カメラに全身が入りません。

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北魏時代ですか。

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さて、これで、ほぼ全部の石窟の見学が終了。
2時間以上かけて、じっくり見学した長丁場でした。

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来た道の対岸を、船着場の方角に戻ります。

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寒さも若干和らいで、楽しい散歩だなと思ったら、いきなり雪が舞ってきました。

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けっこう激しいです。

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色とりどりの旗。

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これは、チベットの旗。
ちなみに、青は「空」、白は「風」、赤は「火」、緑は「水」、黄色は「地」を現しているそうです。

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激しい雪に、いったんカメラをしまいます。
私のコートの上にも、積もりはじめました。

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おや、観光客が到着したようですね。

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吹雪に煙るチベット寺院

チベット寺院にもさようなら。
チベットは、いつか行きたいな・・・ バケットリストに書き込まれています。

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おお、幻想的・・・

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水墨画のようですね、とガイドさん。

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たしかに・・・

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船着場に到着。しかし、寒かった・・

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オンシーズンは、賑わうのかな。

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船は、来たときと同じルートを戻ります。

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ところが、湖の真ん中でエンスト!
おいおい、大丈夫か。運転手が、エンジンを見に行っちゃいました。

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案ずることもなく、エンジンはすぐに再始動。
約4時間ぶりに、下界に下りてきた気分。

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雪も止んで、太陽も出て、若干暖かくなっています。

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ボートの運転手さんに別れを告げます。
私一人のために、お仕事お疲れ様でした!

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