則天武后の怨念? 雪に阻まれる乾陵への弾丸アプローチ【蘭州旅行記 #2】

さて、北京での小休止も終了。これから西安です。

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今日は、これで西安に飛んだ後、そのまま則天武后のお墓、乾陵を往復して、西安市街のホテルに投宿するコース。

フライトスケジュールでは、西安到着が14:30。

そして、陽のあるうちに乾陵を往復。
かなり、きついスケジュール。まあ、普通の人ならやらないでしょう。

しかし、こちとら、現役世代の社会人。
4日後には出勤。ゆとりのあるスケジュールは、そもそも組めません。

(と、ここまでは、弾丸は弾丸でも、乾陵を見に行くんだぞ、という気分でした笑)

北京 ⇒ 西安 冬の空の旅

C29ゲートに到着。

ほんとだ。ラウンジから、徒歩5分ほどでした。

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おや? 西安の天候は雪??

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機は、雲ひとつない北京の青空に舞い上がります。

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どちらのほうを向いてるのかわかりませんが、山の稜線が美しい。

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ほんとにPM2.5なんているのかな?

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進むにつれ、雲が垂れ込め、水墨画のような幻想的な雰囲気。

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窓外に見とれていると、軽食が配られます。

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これで、朝のホテルから、4食め。まだ、昼過ぎなのに・・・

でも、このお菓子、おいしくて、あっというまに平らげます。

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ちょっとウトウトしたら、もう機体は着陸態勢に入ってました。
そして、目に入ってきたのは雪景色

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けっこう積もっています。

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たぶん、西安に雪が降ることは珍しいんだろう。
搭乗客も、窓の外を見て、ざわついています。

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雪の西安空港に到着 ノーマルタイヤのクルマで乾陵へ

前回来た時も1月でしたが、寒いことは寒くても、雪が降る気配はとくに感じなかった。

いや、しかし、雪は誤算。

はたして、チャーターしたクルマで、乾陵まで行けるのだろうか・・・

頭の中に不安が膨らみながら、荷物の出てくるのを待ちます。

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そして、コンコースに出ると、私の名前を書いたボードを持った運転手は、すぐ見つかりました。

時刻は15時。

これから、乾陵まで行って、その後、永泰公主墓と博物館を見学して、そのまま西安市街のホテルまで送ってもらうように、Webでクルマをチャーターしておきました。

この時間から、上記スケジュールをクリアする公共の交通機関はありません。

なので、チャーター料は1,000元(約17,000円)。

かなり痛いですが、明日の朝は、もう蘭州に向って旅立ってしまうので、仕方ない。

 

運転手は、中国語しか話せませんが、愛想よく私と握手してあいさつしたあと、手際よく、バッグをクルマに積み込みます。

チラッとタイヤを見ると、なんとノーマルタイヤ!

これで、本当に乾陵まで行けるのだろうか?不安が募ります・・・

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運転手は、慎重にハンドルを切りながら、高速道路にクルマを乗り入れます。

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歓迎なんて書いてあるけど、この天候・・・
則天武后の呪いか・・

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西安に2年前の1月に来たときは、1日半の滞在。

そのときは、三蔵法師の大雁塔、始皇帝の兵馬俑博物館、楊貴妃の華清池、明代の城壁などを見物しましたが、則天武后の乾陵だけが、行き方がわからなくて挫折したんだよなあ・・・

だから、私にとって、この乾陵訪問は、雪辱戦(笑)
どうしても、行きたかったんだよね。

 

また、舞いはじめた雪を眺めながら、ふと、そう思います。

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しかし、クルマの速度は50キロそこそこ。
ノーマルタイヤで、これ以上のスピードは危険でしょう。

西安の空港から、乾陵までは約1時間と聞いてましたが、この調子では2時間以上かかりそうです。

時計は16時を回りました。空港を出て1時間です。

救いは、西安は北京よりもかなり西にあるので、日没は18時ごろと、少し遅いこと。

2時間かかっても、着きさえすれば、見学の時間はありそうだけど・・・

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中国では、スタッドレスタイヤって普及してないのかな。

路肩では、昔、日本でもよく見られた、金属製のタイヤチェーンを装着する光景も・・・

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高速道路の出口で、事故発生。
みんな、ノーマルタイヤなんだもん。そりゃ、危ないって・・・

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ところが、一般道路に出た直後に、完全に立ち往生。

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上り坂をスリップして登れないトレーラーが、何台も道をふさぎ、まったく動かなくなりました。

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雪中のドライブと割り切った乾陵行き・・残念

こりゃ、ダメか・・・  この時点で、私は、あきらめモード(T_T)

運転手のスマホで、アプリ会話を行うと、あと数キロで乾陵とのこと。

しかし、日本の帰省ラッシュなみの渋滞を、まさか中国・西安でくらうとは、とほほです。

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完全にあきらめていますが、まあ、行けるところまで行ってみましょう。

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乾陵の拠点ともいうべき街に入ったようです。
運転手に、あの歩いている人は何?と聞くと、ふつうに仕事帰り、との回答。

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こんな田舎町までライトアップ。
ところで、この時点で、乾陵の閉園時間に。

2年越しの乾陵訪問の夢は絶たれました・・・

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でも、中国の田舎町の雪景色が見れたから、まあいいかな・・・

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なかなか雰囲気いいですよ。
なんか、旅の実感のようなものも、沸いてきます。

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運転手いわく、あと1キロとのこと。

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ここが入り口らしい。
運転手が、公安に、この先行けるか?と聞くと、上り坂なので、このタイヤじゃダメだ、とのこと。

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仕方ありませんね。
雪に埋もれた前方を、怨めしく見つめます。

則天武后は、いわずと知れた中国至上唯一の女帝。

その残酷さもクローズアップされますが、安定した唐の時代を築きあげる政治手腕も持っていたらしい。

日本とのつながりといえば、当時の国号「倭」を、世界ではじめて「日本」と認めてくれた皇帝。

 

西安は、まだまだ見ていない史跡が無数にあります。
いつか、また訪れる日が来ることを、楽しみに待つとします。

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とは、言っても、せっかく来たんです。
寒いですが、付近を散歩。

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日の暮れた街道を西安市街へ

日の暮れた街道を、西安市街に向けて帰ります。

当然、スローペース。
ここから、西安の中心部まで約90キロ。

こりゃ、西安のホテルに着くのは何時になることやら・・・

 

運転手が、スマホで旅行会社とやりとり。途中で、電話を代わります。

中「〇〇さま、このたびは、天候が悪くて、楽しみにされていた観光ができなくて申し訳ありませんでした。」

私「いえいえ、この雪じゃ仕方ないですよ。」

中「〇〇さま、明日も西安に滞在ですか? それでしたら、半分の料金で再チャーターさせていただきますが・・」

私「せっかくですが、明日の早朝には、蘭州に向けて出発してしまうんです。」

中「・・・そうでしたか。では、今回のチャーター代、1,000元ではなく、800元とさせていただきます。徒労に終わってしまい、今回は、本当にお疲れ様でした。」

 

こんな、やりとりがありました。
チャーターを頼んだ旅行会社は「西安金橋国際旅行社」。
とても、気持ちのいい対応でした。

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幻想的な光景に、目を奪われます。

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高速道路を降りて、市の中心部に向かいます。

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おお、西安市街を囲む城壁。2年ぶりのご対面。

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いやあ、懐かしいなあ・・・

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そして、目指すホテルに到着。時はすでに22時。
「グランド メルキュール 西安 レンミン スクエア」です。

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22時にチェックインして、明日は早朝4時にチェックアウト。

たった6時間しか滞在しませんが、5,000円の部屋ならまあまあ、と考えることにします。

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今朝も4時起き。
疲れたけど、なにか食べたい。

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でも、館内は閉まってるし、さっきクルマの窓から見てたら、付近にレストランやコンビニはなし。

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仕方ありません。
部屋のミニバーのポテトチップと、持参のワインで夕食です。

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それにしても、精神的に疲れた1日でした。

早朝に日本を発って、その日のうちに乾陵を見学して、西安入りするなんて、則天武后が怒ったのかもしれません(笑)

さて、明日も早起き。目覚ましは3時40分。
半分ほどワインを流し込んだら、寝てしまいましょう・・・