ミャンマーという国 ~e-VISAを取得しました~

新聞紙上を連日賑わす、「ロヒンギャ問題」。

この、史上最大とも言われる人道危機問題に興味を持ったのは、ミャンマーに行くことにしたから。

なので、問題を収束させよう、などといった崇高な動機ではないので、本気で取り組んでおられる援助機関の方々に申し訳ないですが、現状を知ろうという行為には、異論はないでしょう。

「ロヒンギャ問題」について

「ロヒンギャ」というのは、ミャンマーの西部ラカイン地方に居住する、イスラム教徒のこと。
一説によると、8世紀ころから、このラカインの地に住み続けているらしい。

そして、ミャンマーという国は、国民の90%が仏教徒。

仏教徒のミャンマー国民からすると、肌の色も、顔つきも、言葉も、生活習慣もまるで違うロヒンギャ民族と、ひとくくりの国として扱われるのはたまったものではない、といったイスラム教と、仏教の対立かと最初は思いましたが、そんなに簡単なハナシではなさそうです。

 

まず、ミャンマーという国は、第二次世界大戦後独立し、1948年から89年までビルマという国でした。

そして、その第二次世界大戦中、1942年から45年まで、この地を占領していたのは大日本帝国。

その前の19世紀に、この地を植民地化していたのは、大英帝国。

このイギリス植民地時代に、ベンガル地方からムスリムが流入し、今のロヒンギャ民族を構成したとされているようですが、当然、すでに住んでいた仏教徒とのあいだに軋轢が生まれます。

そこへ、発生した第二次世界大戦。
日本側は仏教徒を、イギリス側はムスリムを、それぞれ武装化させ、対立を決定的なものにさせたらしい。

なんと、残念なことに日本が関わっていたんですね・・・

スリランカでも、似たような話がありました。シンハラ人とタミル人の対立。

 

第二次世界大戦が終息して、この地がビルマとなってしばらくは、両者は対立はするも、人権問題に至る差別的な言動は発生しませんでした。

ところが、1962年にクーデターにより軍事政権が誕生すると、ビルマはビルマ民族を中心とする社会主義国家となり、ロヒンギャを差別化する体制が高まっていきます。

 

そして、現在。

ミャンマー政府は、国家としてロヒンギャ民族を自国民としていない。

難民化したロヒンギャは、ベンガル地方である隣国バングラディッシュへの移動も試みるが、バングラ政府も、ロヒンギャは自国民ではなく、ミャンマーに属する民族という捉え方をしている。

ロヒンギャたちが、自らをロヒンギャと名乗っている限り、無国籍な民族になってしまうという、現代社会とは思えぬ虚しい事実。その数、約100万人だそうです。

 

ただ、一方で、国際問題としてここまで事態が悪化したのが、長年積み重ねられた怨恨によるものかどうかは、よく検証する必要がありそうです。

というのも、2012年8月に起きた、ロヒンギャ人男性による仏教徒女性に対する殺人事件。
そして、その家族による報復。

これがきっかけで、国連まで絡む宗教対立問題に発展したという説が定説のようですが、宗教的対立などなかった、という現地住民の声を聞いたブログなどもあります。

宗教問題なのか、殺人事件を口実とした軍の既成事実化なのか、素人の私にはわかりませんが、ひとつ言えることは、こうしている間にも、ロヒンギャは非人道的な生活を強いられ、ラカインの地を追われたロヒンギャが、危険を冒してバングラへ流入していること。

バングラディッシュにしても、数十万規模の難民受け入れについては、限界があるでしょう。

ミャンマー e-VISAの取得

こんな中、私は、ミャンマーへ行くことにしました。

もちろん、悲劇が起きているラカイン地方は訪れることのない、ヤンゴンとバガンだけの弾丸旅行。

ヤンゴンはミャンマーの最大都市。しかし、首都ではなく、首都はネピドー。

ビルマ時代は、首都をラングーンと呼んだのが懐かしい・・・

 

調べると、永らく鎖国体制を続けてきた国らしく、ビザが必要で、しかもアライバルでの観光ビザ取得は不可能。

事前にビザ取得が必要な国は久しぶりですが、ミャンマー政府のサイトで日本語にアレンジできたので、簡単に申請ができました。

↓このサイトですね。

ミャンマーVISA4

5日くらいかかるとのことでしたが、申請日の翌日にはもうメールが来て、観光ビザ承認書が添付ファイルされていました。

申請時には、顔写真をスキャンして送信したのに、承認書には貼ってないのでちょっと不安になりましたが、翻訳したところ、これの他に、パスポート、十分な現金、帰りのチケットがあれば入国できるとあるので大丈夫でしょう。
↓これです。

ミャンマーVISA3

色々、国際的に問題のありそうなミャンマーですが、都市部の近年の発展は目ざましいと聞いています。

弾丸旅行で、どこまで雰囲気をつかめるかわかりませんが、現地住民の素顔を見に行ってまいります。